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線と言葉 楠本まきの仕事
- 初版年月日
- 2021年7月15日
- 書店発売日
- 2021年7月15日
- 登録日
- 2021年6月10日
- 最終更新日
- 2021年7月14日
紹介
漫画家・楠本まき作品を読み解く、待望の書。
1984年のデビュー以来、時代に先んじたスタンスとスタイルで作品を創造し、進化させてきた楠本まき。研ぎ澄まされた言葉と黒と白の描線によって構成された画面、装幀へのこだわりも含め、比類なき美学を貫き続ける。その創作の原点。
京都国際マンガミュージアムでの個展にあわせ、同館長荒俣宏による談話をはじめ、詩人、キュレーター、編集者らによる寄稿。初公開の制作ラフスケッチほか、対談、インタヴューも収録。これまで語られてこなかった楠本まきを読み解く初の試み。
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本書は、楠本初の本格的な展覧会「線と言葉・楠本まきの仕事」展(京都国際マンガミュージアム)に連動し、その作品を多角的に読み解く初めての書として編まれました。
線と言葉、デカダンス、スタイルアイコン、パーフェクショニストといった、楠本作品を特徴づける章立ての中に、同ミュージアム館長で、初期の頃から楠本を評価していた作家・博物学者の荒俣宏ほか、詩人、キュレーター、研究者によるエッセイ・論考、編集者、ブックデザイナーとの対談、楠本へのインタビュー、意匠を凝らした装幀の目録、単行本解説等を収録。合間に挿まれるのは、楠本自身が選んだ原稿、下絵、言葉の数々。一本の線から一つの言葉に至るまで、陳腐さに対する非寛容と細部へのこだわりが透徹します。
「KISSxxxx」「Kの葬列」「致死量ドーリス」をはじめ、楠本まきの耽美で退廃的、巧緻でスタイリッシュな世界は、世代や国境を超えた評価を得ながら、各方面に影響を与え、読み継がれてきました。本書が楠本作品の新たな魅力を読み解く鍵になれば幸いです。
執筆者:荒俣宏・談(京都国際マンガミュージアム館長、博物学・作家)、三角みづ紀(詩人)、藪前知子(東京都現代美術館学芸員)、イトウユウ(京都精華大学、マンガ研究)、島田一志(編集者)ほか
装幀・デザイン:秋田和徳+楠本まき
目次
はじめに
第1章 線と言葉 Lines and Words
第2章 デカダンス The Scent of Decadence
第3章 スタイルアイコン Style Icon
第4章 パーフェクショニスト Perfectionist
第5章 ノンコンフォーミスト The Non-conformist
第6章 間にあるもの Between and Beyond
君は僕じゃないし僕は君じゃない 三角みづ紀
「瘦せる快楽主義」荒俣宏、楠本まきを語る 荒俣宏
【対談】
線と言葉-総合芸術としての漫画 楠本まき×徳永真
他者の視点とのコラボレーション 楠本まき×秋田和徳
新しい世界へ―言葉の力 楠本まき×楠本亜紀
【論考】
楠本まき論 解放と連帯のメディアとしての少女漫画 藪前知子
楠本まきはなぜ論じられてこなかったのか イトウユウ
【essays & comments】
アイデンティティとしてのファッション 磯本美穂
何も起きない平穏な日々のロック 島田一志
ニコラス・ボルノフ Nicholas Bornoff
伊藤美保
ポール・グラヴェット Paul Gravett
【インタビュー】
楠本まきが語る 漫画で辿る 漫画家楠本まきが出来るまで
【装幀解説】楠本まき
【作品解説】
【略年譜】
【終わりに】楠本まき
上記内容は本書刊行時のものです。