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映画に導かれて暮らす韓国 成川 彩(著/文) - クオン
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映画に導かれて暮らす韓国 (エイガニ ミチビカレテ クラス カンコク) 違いを見つめ、楽しむ50のエッセイ (チガイヲミツメタノシムゴジュウノエッセイ)

文芸
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発行:クオン
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ14mm
244ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-910214-52-8   COPY
ISBN 13
9784910214528   COPY
ISBN 10h
4-910214-52-6   COPY
ISBN 10
4910214526   COPY
出版者記号
910214   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年10月15日
書店発売日
登録日
2024年1月19日
最終更新日
2024年9月25日
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紹介

韓国で映画を学びながら日韓の社会や文化の違いに直面し歴史的な関係に想いをはせ、さまざまな出会いに感謝する――。

映画ライターの著者が肌で感じたことをありのままに綴った等身大エッセイ集!


「韓国へ来る友人、知人を見ていると、日本と違う韓国に接した時、大きく二通りの反応が見られます。「え、日本と違う・・・」と引いてしまう人、「日本と違うね!」とおもしろがる人。私は後者でありたいと思います。なんで違うのか、その背景も知りたい。そういうことの積み重ねで、互いの理解が深まっていけばいいな、と願います」
――あとがきより

目次

一 映画が教えてくれた
セウォル号事故 映画で知ったこと
『1987、ある闘いの真実』のように熱かった日本
「C級映画」の魅力
『軍艦島』に対する日韓の反応
『金子文子と朴烈』に出演した在日コリアン
『ニッポン国vs泉南石綿村』に見た「現代の奇跡」
刺激的な韓国作品、穏やかな日本作品
『冬のソナタ』から『パラサイト』へ
タブーを破った映画『主戦場』
韓国で二人目の女性監督
『東京裁判』を通して、戦争責任について考える
釜山国際映画祭常連の是枝裕和監督
「釜山国際映画祭の父」キム・ドンホさん
『キューポラのある街』に触発されて
映画に導かれて

二 韓国に暮らして
触れてこそ理解できる異文化
分かち合う韓国の食文化
「スペック」重視への疑問
小確幸を求めて
#Me Too運動と『82年生まれ、キム・ジヨン』
「外見至上主義」の国
日本のお正月、韓国のソルラル
何のための不買運動?
ちょうどいい距離感
スホランとバンダビをご存じですか?
ドラマ『孤独のグルメ』が韓国で人気の理由
日韓のアイドルの違い
記憶の彼方の? 
IMF通貨危機
認知症をめぐって思うこと
韓国の不思議な「ゆとり」
『半沢直樹』で知る日本
変化を好む韓国
日本人は蝶のバッジをつけられない?
「忖度」と表現の不自由展
韓国で「漢字」を考える
K-POPブームを見つめる別の視線

三 出会いと発見
「コプチャンチョンゴル」韓国デビュー二〇周年
「勝手に韓国広報課」で活動
尹東柱の「序詩」と茨木のり子
慰安婦問題をめぐるバッシング
東国大学での在日コリアン研究
李鳳宇さんにもらった勇気
近くて近い国へ
コロナが結んだ縁

四 韓国各地を訪れて
美しい風景に隠れた済州の痛み
ドラマ『キム秘書はいったい、なぜ?』の大邱
韓国の地方で見た「日本」
未来都市松島
韓国も日本も地域によって様々
日中韓が共存する群山

あとがき

前書きなど

 二〇一七年に朝日新聞を退社して韓国に留学した頃、ソウル特派員の先輩がお酒の席で「会社を辞めて、韓国に映画を学びに来た変わった後輩がいる」と中央日報の記者に話したことがきっかけで、韓国で暮らしながら気付いたことや感じたことをコラムとして中央日報に連載することになりました。
 正直、当時の私は、とても韓国の新聞にコラムを書けるような韓国語力は持ち合わせていませんでした。でも、日本で報じられる韓国、韓国で報じられる日本は、いずれも政治や歴史問題などを取り上げることが多く、自分が肌で感じるのとは違うと思うことがたびたびあり、できるだけ等身大の日本、そして韓国を伝えたいという思いがありました。つたない韓国語ながらコラムを書き続け、それをまとめたのが二〇二〇年に韓国で出版された『どこにいても、私は私らしく(어디에 있든 나는 나답게)』です。日本語が母国語の私が、初めて出版する本が日本でなく韓国で出るなんて、夢にも思っていませんでした。
 そもそも韓国の読者に向けて書いたコラムのため、日本語版についてはほとんど考えていませんでした。ところが、韓国での出版についてSNSでお知らせしたところ、日本語版は出ないんですかと、何人かの方にお問い合わせいただき、考え直しました。翻訳した内容をそのままというわけにはいかないけれど、日本の人たちにも、私が韓国で経験し、感じたこと、考えたことをお伝えしたい。そこへクオンの金承福社長から「日本語版を出しませんか」とお声がけをいただき、「ぜひ!」と即答しました。時間の経過も考慮して、韓国語版に加筆・修正したのが本書です。
 振り返ってみれば、日韓関係が過去最悪と言われた状況からコロナ禍になって日韓の行き来すら途絶え、交流を続けるための突破口を見つけるべく悩み、もがきながら書いたものが多く、今となっては懐かしいような気持ちです。立ち上げ準備に半年ほど費やした「勝手に韓国広報課」も活動開始直後にコロナで阻まれ、休止している間にメンバーの状況も変わり、どう再開するかを模索しているところです。
 新たに始めたこともいくつかあります。一つはYouTubeで、「町に出た隣人達(거리로 나온 이웃들)」というチャンネルを二〇二三年夏から日本人二、韓国人二人で始めました。「日韓の違いを楽しむ」というのがコンセプトです。
 もう一つは二〇二三年秋、韓国で会社を設立しました。「MOMO CULTURE BRIDGE」という社名の通り、日韓の文化の橋渡しが目的です。「MOMO」には韓国語の「뭐뭐?(なになに?)」という好奇心の意味も込めました。
 日韓の違いに触れる時、かつて母が私に言った言葉を思い出します。「彩は違いを楽しむ人になってほしい」。韓国へ来る友人、知人を見ていると、日本と違う韓国に接した時、大きく二通りの反応が見られます。「え、日本と違う…」と引いてしまう人、「日本と違うね!」とおもしろがる人。私は後者でありたいと思います。なんで違うのか、その背景も知りたい。そういうことの積み重ねで、互いの理解が深まっていけばいいな、と願います。

――「あとがき」より

著者プロフィール

成川 彩  (ナリカワ アヤ)  (著/文

成川 彩=著
韓国在住文化系ライター。二〇〇八~二〇一七年、朝日新聞記者として文化を中心に取材。二〇一七年からソウルの東国大学大学院へ留学し、韓国映画を学びながら、中央日報(韓国)や共同通信をはじめ、日韓の様々なメディアで執筆。KBS WORLD Radioの日本語番組「玄海灘に立つ虹」で韓国の本や映画を紹介している。二〇二三年、『現地発 韓国映画・ドラマのなぜ?』(筑摩書房)を刊行。同年、鶴峰賞言論報道部門大賞を受賞。
公式ウェブサイト https://ayanarikawa.com/

上記内容は本書刊行時のものです。