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エトランデュテ 2020 第3号 在日本法律家協会(著/文) - 博英社
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エトランデュテ 2020 第3号 (エトランデュテ ニセンニジュウ ダイサンゴウ)

社会一般
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発行:博英社
A5変形判
縦210mm 横143mm 厚さ23mm
534ページ
価格 3,000円+税
ISBN
978-4-910132-04-4   COPY
ISBN 13
9784910132044   COPY
ISBN 10h
4-910132-04-X   COPY
ISBN 10
491013204X   COPY
出版者記号
910132   COPY
Cコード
C3032  
3:専門 0:単行本 32:法律
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年7月1日
書店発売日
登録日
2020年8月10日
最終更新日
2021年8月20日
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紹介

「徴用工判決」の日韓請求権協定の違反を主張し、一貫して日韓併合が国際法上合法的であると主張している日本政府と韓国との間の溝はなかなか縮まらないのではないか。今後の日韓関係は、政府のレベルだけでなく、まさに「国民的次元」での「反韓」と「反日」の高揚を伴いつつ、対置することになろう。では、このような 桎梏から抜け出る道は本当に存在しないのか。

最近さまざまな問題により冷え込んだ日韓関係向上のヒントになるかもしれない待望の第3号が出版!


* 目次 *


【巻頭言】日本人女性はなぜ美しく、慈悲深いのか

【座談会】出生地主義の拡大と複数国籍の承認について考える

【特集】「徴用工判決」後の日韓関係

日韓の市民が「普遍的価値」を共有する日は来るのか
ポスト冷戦期の日韓関係-過去清算と反動の相克
1965年体制と今後の韓日関係-韓国からの提言
日本が行った二つの国家併合―琉球併合と韓国併合―
最近の韓国大法院判決と1951年サンフランシスコ平和条約の関係

【小特集】「徴用工判決」をもう一度読む
韓国大法院による元徴用工賠償請求事件2018年判決における条約解釈
「徴用工」事件大法院判決:誰が国際法に違反しているのか?

【研究論文】
国際組織犯罪防止条約締結に伴う国内法化の過程比較 -日韓における人権およびテロ認識を軸に

【研究ノート】

【「韓国」判例評釈】

【書評論文】
池田政章編『憲法問題研究会メモワール(上・下)』(信山社、2019年)に寄せて─安倍政権ではなく岸内閣下で、大学人の活動が力を有した時代へのレクイエム―

日韓の言論が背負う課題を探る――森類臣『韓国ジャーナリズムと言論民主化運動-
「ハンギョレ新聞」をめぐる歴史社会学』が触発するもの―

【書評】
国籍問題研究会編『二重国籍と日本』(ちくま新書、2019年、234頁)

【新法令紹介】
「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の制定 経過と内容

【韓国ロースクール探訪】

目次

【巻頭言】
日本人女性はなぜ美しく、慈悲深いのか

【座談会】 出生地主義の拡大と複数国籍の承認について考える

【特集】  「徴用工判決」後の日韓関係<編集者の言葉>日韓の市民が「普遍的価値」を共有する日は来るのか

「1965年体制」と「日韓モデル」

ポスト冷戦期の日韓関係-過去清算と反動の相克

1965年体制と今後の韓日関係-韓国からの提言

日韓における内外政治構造の共振と対話の土台-和解学の観点から

日本が行った二つの国家併合―琉球併合と韓国併合―

最近の韓国大法院判決と1951年サンフランシスコ平和条約の関係

【小特集】  「徴用工判決」をもう一度読む
韓国大法院による元徴用工賠償請求事件2018年判決における条約解釈

「徴用工」事件大法院判決:誰が国際法に違反しているのか?

【研究論文】
国際組織犯罪防止条約締結に伴う国内法化の過程比較 -日韓における人権およびテロ認識を軸に

【研究ノート】
政党解散と民主主義―2014年韓国憲法裁判所決定―

背任罪の判決と量刑基準設立をめぐる韓国刑事法の最近の推移

【「韓国」判例評釈】
対馬観音寺から盗難された高麗仏像の所有権をめぐる判決―大田地方法院2017.1.26 宣告2016ガ合102119判決―

取締役・監査役の選任に関する任用契約の要否
-韓国大法院2017年3月23日宣告 2016 D A 251215全員合議体判決(公報2017上、863)

複数国籍者の兵役義務と国籍離脱の自由に対する制約―憲法裁判所2015年11月26日、2013憲マ805・2014憲マ788―

【書評論文】
池田政章編『憲法問題研究会メモワール(上・下)』(信山社、2019年)に寄せて─安倍政権ではなく岸内閣下で、大学人の活動が力を有した時代へのレクイエム―

日韓の言論が背負う課題を探る――森類臣『韓国ジャーナリズムと言論民主化運動-
「ハンギョレ新聞」をめぐる歴史社会学』が触発するもの―

【書評】
国籍問題研究会編『二重国籍と日本』(ちくま新書、2019年、234頁)

【新法令紹介】
「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の制定 経過と内容(付録 条例本文)

【韓国ロースクール探訪】
高麗大学校法学専門大学院「日本法学会」紹介

【在日本法律家協会】
会則
執筆要領
1号・2号 目次
編集委員会
編集後記

前書きなど

巻頭言

日本人女性はなぜ美しく、慈悲深いのか (四方田犬彦)

わたしは1980年から東京での韓国映画上映に長く携わってきた。池袋の西武百貨店にある小ホール、スタジア200で一年に何本か、韓国文化院から字幕入りのフィルムを借り出して上映した。乏しい予算をやりくりしながら監督たちを日本に招待し、雑誌やTVで広報活動のようなことをヴォランティアで続けてきた。『義士安重根』も、『成春香伝』も、梶山季之原作の『族譜』も上映した。どうしてそんなことをしたかといえば、当時、日本では北の映画を観ることが可能だったが、南の映画を観ることのできる可能性がほとんどゼロだったからである。

あるとき、わたしはある進歩的な週刊誌で批判された。韓国の学生たちが英雄的に闘っているというのに、娯楽映画をもちこんで悦に入っているいい気な日本人だと呼ばれた。わたしは反論した。もし学生たちが英雄的に闘っているとしたら、その学生たちが日曜日に彼女を連れて見に行く映画のことだって大切ではないか。子供のときから映画ばかり観ていたわたしは、娯楽映画が馬鹿にされることに我慢がならなかったのである。

わたしは悔しさのあまりに宣言した。あと10年、いや20年待ってください。今は検閲が厳しくて、好きな主題で自由に撮れない韓国映画ですが、いずれ世界の最前線に躍り出るはずです。観客たちはキョトンとして理解できないようだった。しかしそれから40年近い歳月が経ち、わたしは大威張りで口にすることができる。どうです。ヨモタが予言した通りだったでしょ。韓国映画は多くの国際映画祭で賞を撮りまくり、日本映画よりもはるかに強いメッセージを世界に発信しているではありませんか。

韓国映画にもし他国にないジャンルがあるとすれば、それは「反共映画」と「反日映画」である。わたしは朝鮮戦争で北の軍隊が南に侵略し、いかに悪逆非道な振舞いを見せたといったフィルムも、京城帝大生と東京帝大生が一騎打ちするアクション映画も観たことがあった。もっともこのところ北朝鮮と対話をしようという政治的な動きが目立ってきたせいもあって、「反共映画」にはかつてほどの人気がない。代って次々と新作が制作され、国民的な規模で観客動員がなされているのが「反日映画」である。

劣悪な条件で働かされている韓国人労働者たちがついに反乱を起こす『軍艦島』。天皇暗殺を企てたと自供して死刑判決を受けたアナーキストを描く『金子文子と朴烈』。最近ではこうした作品が制作され、日本でも公開されて話題を呼んでいる。国家意識と民族主義をヒロポンのように高揚させるという理由から、それらは韓国の批評家の間で「クッポン・ヨンファ」と、いくぶん揶揄的に呼ばれている。

わたしは別にクッポン・ヨンファに賛成もしなければ反対もしない。映画というメディアは資本主義社会のなかでいとも簡単に社会の支配的イデオロギーを表象し、循環と再生産を続けていく装置であるからだ。ただ日本人の映画研究家としてどうしても気になるのは、韓国の反日映画のなかでは多くの日本人男性は卑劣で滑稽な悪人であるのに、日本人女性は例外なく美しく、また優しく慈悲深い存在なのかということだ。彼女たちは傷ついた韓国人青年を介抱したり、勇気づけたりする小女神である。力道山や大山倍達から夭折の詩人、尹東柱にいたるまで、日本で活躍した韓国人の伝記映画が制作されるたびに、主人公のかたわらにはかならず「お慕い申し上げております」といわんばかりの日本人美少女が控えている。ここに韓国人の日本人女性をめぐる強い心理複合が窺われると思うのは、わたしだけではあるまい。ジェンダー研究と社会学を踏まえた上で、この奇妙な現象が解明される日を待ちたいと思う。

版元から一言

「徴用工判決」の日韓請求権協定の違反を主張し、一貫して日韓併合が国際法上合法的であると主張している日本政府と韓国との間の溝はなかなか縮まらないのではないか。今後の日韓関係は、政府のレベルだけでなく、まさに「国民的次元」での「反韓」と「反日」の高揚を伴いつつ、対置することになろう。では、このような 桎梏から抜け出る道は本当に存在しないのか。

最近さまざまな問題により冷え込んだ日韓関係向上のヒントになるかもしれない待望の第3号が出版!

著者プロフィール

在日本法律家協会  (ザイニホンホウリツカキョウカイ)  (著/文

在日本法律家協会は在日外国人の法的地位、日韓を含む東アジアをめぐる諸問題について、主に法的なアプローチで取り組むことを通じて、東アジアにおける未来志向型の市民団体としての役割を担うことを目的とする。

上記内容は本書刊行時のものです。