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美しい木組の家
いつか古民家になる
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2021年10月25日
- 登録日
- 2021年8月31日
- 最終更新日
- 2021年12月4日
紹介
わたしたちは、丈夫で美しい架構の住まいをつくります。
「住まい」は、古来より伝わる「木組」の架構が命です。
地震や台風に襲われる日本の家は、丈夫な架構でなければなりません。
また、「美しい」住まいは、架構や仕上げに「自然素材」をふんだんに使い、プロポーションの良い家だと思います。
人は「本物」の素材に囲まれていることで、心豊かに気持ちよく暮らすことができると思います。「本物」とは「本来の物」と考えます。「本来の物」は、むかしからつくられてきた「古民家」をみるとよくわかります。
住まいは、住む人の立ち振舞いを美しくする事ができる「用の美」つまり「機能」と「美しさ」を備えていることだと考えます。
控えめで暮らしの邪魔をせず細部にまでこだわるデザインを「美」ととらえ、実用的な間取りと性能の「用」は環境を壊すことなく、生活の変化を楽しむことができると考えます。さらに風景に溶け込み、原風景をつくる家づくりを私たちは「古民家」から学んできました。日本の伝統の「木組の家」と温熱性能を向上させることで、利便性を備えた快適な「住まい」が実現します。
わたしたちは、長く愛されて丈夫な「いつか古民家となる」ような、美しい家づくりを目指しています。
前書きなど
この本は、松井事務所が新築した「木組の家」をまとめた「写真集」です。
「作品集」とは呼ばずに、あえて「仕事集」と呼ぶことにします。
「家づくり」は、設計者と山や職人たちの「つくり手」が「住まい手」に家を提供する、協働の「仕事」の成果だと考えるからです。
この本は、二冊構成の一冊で新築の「美しい木組の家」です。二冊目は、最新の技術で改修した「古民家再生のみらい」です。
どちらも丈夫な架構でつくる「いつか古民家になる」家づくりです。
家づくりは、木を植えて育てる山から始まり、素材を加工して壁、建具、家具などをつくり仕上げる職人たちに支えられています。職人は、優れた「技術」と経験に裏付けされた「技能」の持ち主です。「設計者」に委ねられるのは独善的な創作作品ではなく、敷地から与えられた条件や「住まい手」の要望を叶えるために、職人とともに協働し、質の高い家を実現することにあります。
家をつくる行為は、「社会の仕組みそのもの」だといいます。その仕組みを知れば知るほど、むかしからの家づくりが優れていることに気がつきます。
日本の伝統が失われたのは、明治時代に遡ると思いますが、長い鎖国の末に文明開化を急ぎ過ぎて、大切な伝統技術を忘れてきたのではないでしょうか?
『ワークショップ「き」組』は家づくりの社会的責任の実践を目指す活動です。
「木組の家」と「古民家再生」はどちらも架構が命です。
そこで古民家から学んだ架構の仕組みを、新築の木組の家にも採用しています。
これまで37年の間「木組の家」づくりを実践してまいりましたが、一度立ち止まって、次のステージに進みたいと考えます。
上記内容は本書刊行時のものです。