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レクチュア こころを使う 祖父江 典人(著) - 木立の文庫
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レクチュア こころを使う (レクチュア ココロヲツカウ) 日常臨床のための逆転移入門 (ニチジョウリンショウノタメノ ギャクテンイ ニュウモン)

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発行:木立の文庫
A5変形判
縦188mm 横148mm 厚さ18mm
重さ 330g
240ページ
並製
価格 2,700円+税
ISBN
978-4-909862-24-2   COPY
ISBN 13
9784909862242   COPY
ISBN 10h
4-909862-24-2   COPY
ISBN 10
4909862242   COPY
出版者記号
909862   COPY
Cコード
C3011  
3:専門 0:単行本 11:心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年6月20日
書店発売日
登録日
2022年5月11日
最終更新日
2022年6月29日
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書評掲載情報

2022-10-19 こころの科学  2022年11月号
評者: 堀川聡司
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紹介

こころの援助者も、こころをもった人間なので、相手に対してネガティブな気持や、ポジティブすぎる気持も抱いたりします。そうした“生きたこころ”を基本としていないならば、援助者のこころはバーンアウトしかねませんし“死んだ援助”にもなりかねません。ただし、生きたこころは取扱注意の“生もの”なので、それを《逆転移》として認識し、クライエントの益に供する営みが必要とされるのです。――本書では、対人援助職の誰もが扱いに戸惑う「みずからのこころ」の使い方を、5つの自験例をめぐって提案します。

目次

序 章 ことのはじまり
ケースA 耐え難いうんざり感――自閉スペクトラム症の成人女性
ケースB 言うわけにはいかない異様さ――不登校の思春期男子
ケースC 可憐な少女のもたらす苛立ち感――摂食障害の青年期女子
ケースD どうしようもない薄幸さ――買い物依存の主婦
ケースE 気圧される佇まい――抑うつ状態の青年実業家

○プロローグ

●第I部 逆転移とは何か――総論
第一章 逆転移論の始まり――克服されるべきものとして  
第二章 コペルニクス的転換――無意識を探索する道具として
第三章 グループにおける発見――逆転移の臨床的意義  
第四章 セラピストの基本姿勢――正常な逆転移
第五章 その後の逆転移論の流れ――認識的活用/表出的使用  

●第II部 逆転移を使う実際――各論
第一章 こころを使う その壱――日本における多様な〈逆転移〉観  
第二章 こころを使う その弐――諸外国のクラシカルな〈逆転移〉観をたどって
第三章 こころを使う その参――諸外国のより新しい〈逆転移〉観の展開

終 章 ことの顛末――臨床素材の行く末
ケースA 他者性の存在しない世界――分離を許されぬ怒りの逆転移
ケースB 迫害的相貌の世界――怖れおののいた逆転移  
ケースC 可憐さの裏に潜むマゾヒズム――苛立ち焦らされた逆転移
ケースD 隠された自己愛――無力さとあっけにとられた逆転移
ケースE 子宮内回帰願望という死の本能――恥のうわ塗りの逆転移

○エピローグ

前書きなど

 私は、これまで背景に控えていた「臨床感覚」をより前面に出した入門書を書こうと思うに至りました。そろそろ、陰の主役を表舞台に登場させたくなったからです。
 そのことによって、理論や技術に留まらない臨床の“ライブさ”を、とりわけ若い人たちにお届けしたくなったからです。

――その臨床のライブさの肝となるのが、精神分析でいう《逆転移》のテーマです。
  今回は逆転移が主役として躍り出ます。 

版元から一言

【著者から ひと言】
私は今回、サポーティブな関わりの、その先の境域、すなわち、人と人が関わる本質を通しての「自己を知る」境域に、歩を進めたくなりました。
そのためには、“こころを使う“こととしての《逆転移》のテーマが、召喚される必要があったのです。



【著者から もうひと言】
援助者とて、こころをもった人間です。ですから、ネガティブな気持ももてば、逆にポジティブすぎる気持も抱いたりもします。
そうした“生きたこころ”を基本としていないならば、援助者のこころはバーンアウトしかねませんし、死んだ援助にもなりかねません。
ただし、生きたこころは、取扱注意の“生もの”ですので、きちんと《逆転移》として認識し、クライエントの益に供する営みが必要とされるのです。


【著者から さらにひと言】
お伝えしたかったのは、「逆転移の活かし方とは、それを通して患者の理解に供するばかりでなく、その理解が彼らのこの世での生き方に、いかに寄与しうるか」である、という点です。
……“こころの使い方”の射程は広くなっています。……いずれにせよ、私たちのこころは、「禍根群」の病理的世界の理解とともに、ささやかながらも、この世での“棲み処”を見出すためにも使われたいものだと思うのです。

著者プロフィール

祖父江 典人  (ソブエ ノリヒト)  (

 祖父江 典人 (そぶえ・のりひと)
 1957年、愛知県に生まれる。

 東京都立大学(現:首都大学東京)人文学部心理学科卒業後、名古屋大学附属病院精神神経科教室にて2 年間、心理研修生となる。その後、国立療養所(現:国立病院機構)東尾張病院に2年間、厚生連安城更生病院に18年間勤務する。

 その後、大学教員に転じ、愛知県立大学福祉学部に10年、愛知教育大学大学院教育学研究科に9年、勤める。

 現在は独立し、名古屋心理療法オフィスを主宰。パーソナリティ障害やASDはじめ、今日の適応困難な自我脆弱群のセラピーに精神分析をいかに応用するか、という課題のもとに、「日常臨床」を専門とする。


〇主な著書に次のようなものがある
『対象関係論の実践』〔新曜社, 2008年〕、『ビオンと不在の乳房』〔誠信書房, 2010年〕、『対象関係論に学ぶ心理療法入門』〔誠信書房, 2015年〕、『日常臨床に活かす精神分析』共編著〔誠信書房, 2017年〕、『公認心理師のための精神分析入門』〔誠信書房, 2019年〕、『文化・芸術の精神分析』共編著〔遠見書房, 2021年〕ほか。

〇主な訳書に次のようなものがある
W.R.ビオン『ビオンとの対話』〔金剛出版, 1998年〕、W.R.ビオ
ン『ビオンの臨床セミナー』共訳〔金剛出版, 2000年〕、J.スィー
ガル『メラニー・クライン』〔誠信書房, 2007年〕。

上記内容は本書刊行時のものです。