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セラピーと心の変化
情動・愛着・トラウマ、そして脳科学
原書: Changing Minds in Therapy
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年3月15日
- 書店発売日
- 2021年3月25日
- 登録日
- 2021年1月25日
- 最終更新日
- 2021年12月15日
紹介
愛着やトラウマ、情動の神経科学の領域の進歩により、心と脳と体は分かちがたく結びついていることが示されてきています。この新しい見解は、脳の可塑性をはじめとして、サイコセラピーでの心の変化についての理解に新たな視座を提供してくれます。本書では、主に早期関係トラウマを抱えたクライエントとの実際的な面接場面での作業を通してえられた臨床経験と、愛着・トラウマ・神経科学の新たな知見を照らし合わせ、臨床実践への未来志向的なアプローチを提唱します。この分野での決定版テキスト! 待望の邦訳。
目次
第1部 コンテインメント
第1章 つながりの形成
第2章 愛着と感情調整
第3章 調 律――ミラーリングと共感
第4章 存続するパターン――転移と逆転移
第2部 変化のための手段
第5章 二重らせん――感情的出会いと解釈
第6章 メタファーと変容
第7章 ナラティヴの神経科学――経験と意味生成
第8章 解離と退行 再考
第9章 スーパーヴィジョン過程におけるミラーリング、共鳴そして共感
終 章 これからのために
解 説 「心-脳-身体」に目を配る
前書きなど
あなた自身やあなたの大切な人が心の危機に出会ったとき、どのような対応をされるでしょうか? そのとき、もしサイコセラピーを対応の選択肢のひとつに加えるとしたら、どのようなセラピーを思い浮かべられるでしょうか? もし私が今クライエントであるなら、自分のことを十分理解してくれること、自分にあう人間観をもち有効な技法を提供してくれることのほかに、脳や身体の仕組にもある程度通じていることを、セラピストに求めるでしょう。
人間を解剖しなくても、fMRIやPETといった「生きた脳」について調べられるイメージング技法の発達した1990年代の「脳の10年」以降、サイコセラピーは、神経科学との照合のなかで見直されることになりました。その印として、神経科学と精神分析という二つの視点から研究を進める“ニューロ-サイコアナリシス”の出現があげられるでしょう。この時代にあって、脳と体のはたらきを研究する神経科学を抜きに心の問題については語れないのではないでしょうか。
本書は、心と体(脳と神経系統)のつながりへの足場を提供してくれるでしょう。これからもますます《心-脳-身体》の関係は、科学的に解明が進むものと考えられます。現にセラピーを生業とする方、セラピストとなるべく研鑽中の方にはもちろんのこと、対人援助に関わる方々がよりよい介入を果たすために、本書は、必要とする栄養分を含むスープを提供してくれるでしょう。
版元から一言
精神分析×神経生物学 ⇒《心-脳-身体》の視点
“こころとからだ”のセラピー誕生 !
神経科学がさまざまな示唆的な知見を生み出しつつある現代において、心理療法に携わる者が……良かれと思ってクライエントを傷つけるようなことをしていたとすれば、知らなかったで済ませることができるだろうか。……心理療法を学ぶうえで、神経科学の知識を無視できない時代が来るだろう。本書は、その必読の教科書とも位置づけられるような本である。ぜひ心理療法の専門家にも読んでいただきたい。 ――監修者「解説」より
上記内容は本書刊行時のものです。