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上代漢字文化の受容と変容 瀬間 正之(著) - 花鳥社
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上代漢字文化の受容と変容 (ジョウダイカンジブンカノジュヨウトヘンヨウ)

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発行:花鳥社
A5判
504ページ
上製
定価 11,000円+税
ISBN
978-4-909832-87-0   COPY
ISBN 13
9784909832870   COPY
ISBN 10h
4-909832-87-4   COPY
ISBN 10
4909832874   COPY
出版者記号
909832   COPY
Cコード
C3081  
3:専門 0:単行本 81:日本語
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年3月1日
書店発売日
登録日
2024年2月9日
最終更新日
2024年3月7日
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紹介

日本語を、歌を、神話を表現するために、漢字をどのように用いたのか。
古代朝鮮の状況も踏まえつつ、中国発祥の漢字が、音節構造も語順も異なる日本の文字表現として精錬されていく過程を、具体的な資料に即して解き明かす。

目次

凡例
初出及び関連論文

序に代えて
はじめに――上代という特殊性――
第一節 音韻法則の無視
 1 上代語の音韻法則
 2『肥前国風土記』「高羅」をどう訓むか
第二節 六朝(唐代)口語の無視
 1 六朝口語と上代文学
 2 接尾辞「~子」

第一篇 表記と神話――東アジアの文学世界――

第一章 高句麗・百済・新羅・倭における漢字文化受容
はじめに
一 高句麗における漢字漢文の内部化と内在化
二 新羅における漢字漢文の内在化
三 百済における内在化と戯習
 1 扶余クアリ三一九遺跡出土手紙木簡
 2 百済陵山里寺址出土「宿世」木簡
四 倭における定型戯習詩文
 1 飛鳥池遺跡出土木簡
 2 法華寺阿弥陀浄土院木簡
 3 藤原宮跡東面大垣「雪多降」木簡

第二章 〈百済=倭〉漢字文化圏――音仮字表記を中心に――
はじめに
一 古代半島の文字表記法
 1 古代半島の借字表記
 2 吏読の借字表記
 3 郷札の借字表記
 4 口訣の借字表記
二 仮名についての先行研究
三 新羅・百済の音節構造
四 新羅の訓主音従表記
五 新羅の略音仮名・連合仮名・二合仮名
六 百済の音仮字表記
七 新羅・百済との音仮字の比較
八 小結

第三章 『古事記』の接続詞「尒」はどこから来たか
はじめに
一 「尒」の訓み
二 『播磨国風土記』の「尒」
三 木簡の「尒」
四 「尒」の源流1 訓読説
五 「尒」の源流2 新羅金石文の「尒」
六 浦項中城里新羅碑の「尒」
七 浦項冷水里新羅碑の「尒」
八 蔚珍鳳坪里新羅碑の「尒」
九 吏読の「方+尓」
まとめ

第四章 上代日本敬語表記の諸相――「見」「賜」「奉仕」「仕奉」――
一 「見」の尊敬用法について
二 「賜」の敬語表記(補助動詞)
三 「奉事」「奉仕」「仕奉」

第五章 文字言語から観た中央と地方――大宝令以前――
一 黎明期――辺境(倭国)と中央(宋王朝)を繋ぐ具――
二 黎明期――倭王権と地方を繋ぐ具――
 1 漢字音
 2 用語
 3 変格語法
 4 東国方言の問題と制作地
三 七世紀木簡から観た中央と地方――大宝令以前の文字表記――
 1 文体
 2 表記
まとめ

第六章 漢字が変えた日本語――別訓流用・字注訓・字形訓の観点から――
一 漢字の伝来
二 宮崎道三郎の再評価――別訓流用・字注訓・字形訓――
三 龍の訓「たつ」
四 「ル・ラル」の尊敬用法について
五 接続詞について

第七章 高句麗・百済建国神話の変容――古代日本への伝播を通して――
一 『続日本紀』に記される百済建国神話
二 夫余建国神話
三 高句麗建国神話
四 百済建国神話
五 扶余⇒百済型(東明神話)と高句麗型(朱蒙神話)
六 都慕神話の担い手

第八章 歌謡の文字記載
はじめに
一 漢字で書かれたもの
二 記紀歌謡の文字記載前夜
三 修史事業と歌謡の文字記載
四 記紀歌謡の原表記
五 琴歌譜

第九章 清明心の成立とスメラミコト――鏡と鏡銘を中心に――
一 問題の所在
二 『尚書正義』説
三 『太平経』説
四 儒教の玉
五 漢鏡と清明
六 清白鏡
七 中国出土鏡の「清明」
八 三角縁神獣鏡の「清明」
九 「スメラミコト」と鏡

第二篇 文字表現と成立――達成された文字表現から成立論へ――

第一章 万葉集巻十六題詞・左注の文字表現
はじめに
一 桜児と縵児
二 永い間離れ、娘子が病気になる話――E(三八〇四~三八〇五)とK(三八一一~三八一三)――
三 使役表現について
四 「未経幾○」
五 巻十六第一部の成立

第二章 『論語』『千字文』の習書木簡から観た『古事記』中巻・下巻の区分
一 『古事記』の三巻構成――研究史――
二 下巻の終わり――研究史――
三 中巻と下巻の区分――研究史と問題の所在――
四 漢籍伝来記事
五 『古事記』は仏教も儒教も語らない
六 『千字文』の普及
七 『論語』の普及
八 韓国出土の論語木簡
九 小結

第三章 藤原宇合の文藻――風土記への関与を中心に――
はじめに
一 共通語
二 共通語1――常陸国風土記と西海道甲類風土記――
三 共通語2――常陸国風土記と西海道乙類風土記――
四 共通語3――風土記と宇合の詩文――
五 常陸国風土記中の「郷」表記
六 声対――『懐風藻』詩序の平仄から――
おわりに

第四章 菟道稚郎子は何故怒ったのか――応神二十八年高句麗上表文の「教」字の用法を中心に――
一 『日本書紀』の高句麗関係記事
二 応神二十八年高句麗上表文
三 上表文中の「教」字
四 中国周辺諸国での「教」字
五 『日本書紀』の「教」字
六 小結

第五章 欽明紀の編述
はじめに
一 即位前紀の分析
二 欽明十四年十月条の分析
三 欽明十五年十二月条の分析
四 編述者の漢籍理解
五 次章に向けて

第六章 続・欽明紀の編述
一 特徴的な語
二 出典論補足
 1 『三国志』呉志
 2 『藝文類聚』・帝王部・晉元帝の利用
 3 『梁書』「王僧辯傳」と徐陵「梁貞陽侯與王太尉僧辨書」
三 欽明紀の二段階編述

第七章 『日本書紀』β群の編述順序――神武紀・景行紀の比較から――
はじめに
一 ハツクニシラススメラミコト
二 神武天皇はいつ創られたか
三 神武紀と景行紀に共通する表現――先行説から――
四 神武紀と景行紀にのみ共通する表現
五 神武紀と景行紀に共通するβ群専用表現
六 神武紀・景行紀の『漢書』高帝紀の利用
七 神武紀と景行紀の漢文書記能力
八 小結

第八章 日本書紀形成論へ向けて
一 記紀の成立年と日本書紀区分論
二 日本書紀と太安万侶
三 アマテラスの成立と記紀
四 形成論に向けて

後記
総合索引/研究者・辞典類・研究機関索引

前書きなど

我が国において、どのように文学が発祥し、どのように定着・発展していったのか? ノル・カタル・ウタフといった口誦伝承の世界、文字による文学の誕生、そして文字表現として精錬されていく過程を具体的な資料に即して解き明かしていきたい。この作業によって、当時の人々の労苦と腐心を多少なりとも追体験できれば幸いである。――「序に代えて」

著者プロフィール

瀬間 正之  (セマ マサユキ)  (

1958年生まれ。上智大学文学部教授。博士(文学)。
主要編著書
『古事記音訓索引』(おうふう、1993年)[編]、『記紀の文字表現と漢訳仏典』(おうふう、1994年)、『電脳国文学』(好文出版社、2000年)[共著・著者代表]、『風土記の文字世界』(笠間書院、2011年)、『記紀の表記と文字表現』(おうふう、2015年)、『古代文学と隣接諸学10「記紀」の可能性』(竹林舎、2018年)[編著]、上代文学研究法セミナー『「上代のことばと文字」入門』(花鳥社、2020年)[編著]。
主要論文
「国語表記の開発―前古事記史―」『上智大学国文学論集』17(1984年)、「古事記表記の一側面―同語異種表記を中心に―」『古事記年報』28(1986年)、「推古朝遺文の再検討」『聖徳太子の真実』(平凡社、2003年)、「賀茂真淵の日本紀観とその訓法―附、『日本紀訓考』の「不濁点」―」『上智大学国文学科紀要』23(2006年)、「「倭歌壹首」木簡の意義について」『木簡研究』45(2023年)。

上記内容は本書刊行時のものです。