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万葉集と帝国的想像 トークィル・ダシー(著) - 花鳥社
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万葉集と帝国的想像 (マンヨウシュウトテイコクテキソウゾウ)

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発行:花鳥社
A5判
504ページ
上製
定価 11,000円+税
ISBN
978-4-909832-78-8   COPY
ISBN 13
9784909832788   COPY
ISBN 10h
4-909832-78-5   COPY
ISBN 10
4909832785   COPY
出版者記号
909832   COPY
Cコード
C3092  
3:専門 0:単行本 92:日本文学詩歌
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年11月30日
書店発売日
登録日
2023年8月4日
最終更新日
2024年2月9日
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紹介

ヤマト宮廷は文学を通して帝国となった。
古代のヤマト国家は自分たちの統治が全世界を覆うかのように想像していた。
ヤマト宮廷が生み出したあらゆるテクストに、この帝国的想像が表現されている。『万葉集』はその最たるケースである。
『万葉集』を国民的歌集とする通念は、近代国家が生んだ幻影にすぎない。
虚妄が暴かれた今、本来なされるべきだった帝国的歌集としての解読を実行する。
米国発の問題作、最適の訳者を得て待望の刊行!

目次

凡例を兼ねた覚え書き
著者まえがき

序論

第一部 帝国の文学的表象

第一章 漢字圏における帝国としてのヤマト
 華夏の帝国想像
 東夷
 ヤマト・三韓・隋
 大唐と大日本

第二章 国民的に想像された上代日本
 国体
 帝国的国民国家
 一九四五年以後の文化ナショナリズム
 多文化的ヤマト

第三章 帝国日本の形成
 君主と支配領域の名称
 宮都と暦
 帝国のパフォーマンス
 帝国の諸テクスト

第四章 帝国の歴史叙述と壬申の乱に関する物語(ナラティヴ)の対抗関係(ポリティクス)
 壬申の乱の概容
 帝国的歴史叙述
 『古事記』序における天武と壬申の乱
 壬申の乱に関する二つの物語(ナラティヴ)
 第三の物語(ナラティヴ)
 歴史叙述の対抗関係(ポリティクス)
 大津皇子と近江宮廷

第五章 帝国史としての歌集
 国民歌集としての『万葉集』
 『万葉集』の編纂と構造
 帝国史としての『万葉集』
 歌集のポリティクス
 帝国の年代記

第二部 帝国の詩歌と一人称のポリティクス

第六章 天下の声
 口語(スピーチ)と帝国
 一人称叙述としての歌
 個人の声と集団の声
 権威ある声と臣従する声

第七章 天武と吉野崇敬(カルト)
 天武の吉野の歌
 吉野讃歌
 一人称解読のポリティクス
 あまねき(ユニヴァーサル)讃美の声
 吉野と天武・持統後の皇位継承

第八章 天武の天降り神話
 『日本書紀』に描かれた草壁皇子像
 日並皇子挽歌
 『日本書紀』に描かれた高市皇子像
 壬申の乱の記憶
 高市の追悼
 天武神話

第九章 近江京の記憶
 『日本書紀』における近江と天智
 『万葉集』巻一・巻二の「近江大津宮」の代
 人麻呂の近江荒都歌
 過去としての近江京

第十章 藤原宮の天皇
 伊勢と日の皇子
 軽皇子
 安騎野遊猟歌
 近しい声
 聖なる君主たち
 藤原宮の天皇

結論

【注】

訳者あとがき

【参照文献一覧】
 1 前近代諸資料の諸テクスト
 2 『万葉集』の諸注釈書
 3 日本語で書かれた諸論
 4 欧文による諸論

引用歌英訳
索引

前書きなど

「ヤマトの貴族社会は、自分たちで管理する法的、経済的、軍事的業務を必要としたが、それだけでなく、統治の主体たる彼ら自身と、彼らの支配権がくまなく及ぶはずの領域との関係を納得するための、文化的なヴィジョンや表象をも求めていた。本書で私は、この必要の重要な部分が『万葉集』の歌々によって満たされたことを論じてきたつもりである。」(「結論」より)

著者プロフィール

トークィル・ダシー  (トークィル ダシー)  (

カリフォルニア大学ロスアンゼルス校アジア言語文化学科教授 1968年イギリスで生まれ、その後まもなく一家で南スペインに移住。1992年ロンドン大学東洋アフリカ研究学院卒業。北海道大学文学研究科国文学専攻修士課程を経て、コロンビア大学大学院博士課程修了。主要著作: Man’yōshū and the Imperial Imagination in Early Japan(Brill, 2014年)、『万葉集における帝国的世界と「感動」』(笠間書院、2017年)。

品田 悦一  (シナダ ヨシカズ)  (

1959年群馬県生まれ。東京大学人文科学研究科博士課程単位取得修了。聖心女子大学文学部教授などを経て、現在東京大学教授(大学院総合文化研究科)。主要著作:『万葉集の発明 国民国家と文化装置としての古典』(新曜社、2001年)、『斎藤茂吉 あかあかと一本の道とほりたり』(ミネルヴァ書房、2010年)、『斎藤茂吉 異形の短歌』(新潮選書、2014年)、『「国書」の起源 近代日本の古典編成』(齋藤希史との共著、新曜社、2019年)。

北村 礼子  (キタムラ アヤコ)  (

1973年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業(英米文学専攻)。ニューヨーク市立大学留学を経て翻訳に従事するとともに、慶應義塾大学にて米文学演習(翻訳実技演習)のアシスタントを務める。訳書多数。

上記内容は本書刊行時のものです。