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拾遺和歌集と歌ことば表現 小町谷 照彦(著) - 花鳥社
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9784909832405

拾遺和歌集と歌ことば表現

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発行:花鳥社
A5判
714ページ
上製
定価 18,000円+税
ISBN
978-4-909832-40-5   COPY
ISBN 13
9784909832405   COPY
ISBN 10h
4-909832-40-8   COPY
ISBN 10
4909832408   COPY
出版者記号
909832   COPY
Cコード
C1092  
1:教養 0:単行本 92:日本文学詩歌
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年5月31日
書店発売日
登録日
2021年5月27日
最終更新日
2021年6月7日
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紹介

古今集、拾遺集、源氏物語研究等におおきな影響をあたえた、著者の単行本未収録論集・全3冊。
王朝文学全般にわたる、刺激に満ちた数々の論考は、縦横無尽に古典作品の魅力と問題点を伝える。
河添房江氏(東京学芸大学名誉教授)、渡部泰明氏(国文学研究資料館館長)推薦!

本書は、『拾遺集』の史的位置づけ、成立した時代の動向、公任と『拾遺抄』、歌人論などを著者独自の視点で考察した『拾遺和歌集』論。

目次

凡例

Ⅰ●古今和歌集以後の和歌史の論
1 中古の和歌
2 王朝和歌の達成と変革
3 後拾遺集への階梯
4 和歌と貴族生活
5 古今六帖を読む―王朝歌語の追求―

Ⅱ●拾遺和歌集の論
1 拾遺抄と拾遺和歌集
2 拾遺集時代の和歌―受領層歌人を中心とする一視点の設定―
3 拾遺集の本質―三代集の終結点―
4 古今集的表現の継承
5 拾遺集四季歌の特性―「冬」巻を中心に―
6 拾遺集恋歌の表現構造
7 拾遺集の詞書
8 拾遺集の人麿歌
9 説話文学に見られる拾遺集の歌
10 拾遺集の研究の現段階と展望
11 拾遺和歌集 いま何が問題か―「拾遺抄」との関わりで―

Ⅲ●拾遺和歌集時代歌人の論
1 鶯宿梅の歌
2 うたびと―賀茂保憲女集―
3 賀茂保憲女―かなしき人―
4 大江匡衡の和歌―儒者における和歌の意味―
5 歌の家の好士大中臣輔親―平安朝中期歌人の一位相―
6 兼澄集の諸本について
7 源兼澄論ノート 
8 兼澄集本文研究の現況
9 寛弘期の一受領層歌人―藤原輔尹をめぐって―
10 拾遺集の公任の歌
11 藤原公任―生と美学―
12 白河山荘の梅の花―藤原公任の歌一首―
13 能因における〈すき〉の旅

Ⅳ●秀歌撰の論
1 『三十六人集』に見る歌人意識
2 季節美と情念とことば―『百人一首』―
3 『宇比麻奈備』『百人一首古説』解説

Ⅴ●女性文学の論
1 女流日記の世界
2 日記文学に見る信仰の諸相『蜻蛉日記』
3 蜻蛉日記の和歌と表現続稿―道綱母と藤原兼家の贈答歌を支える歌ことば―
4 和泉式部日記 表現の論理
5 和泉式部歌語辞典
6 和歌という方法―『紫式部集』の憂愁歌をめぐって―
7 紫式部の自然認識

初出一覧
解説(倉田実)
引用和歌初句索引

版元から一言

推薦のことば

「歌ことば表現」の魅⼒
河添 房江 東京学芸⼤学名誉教授
 ⼩町⾕照彦先⽣は、卒業論⽂を藤原公任、修⼠論⽂を『拾遺集』でまとめられるという、平安和歌研究の王道を歩まれた⽅である。また秋⼭虔先⽣の愛弟⼦として、『源⽒物語』の論考も多く、物語と和歌の関係という、トレンドの研究テーマのパイオニア的存在であった。源⽒研究や和歌研究の画期をなす論⽂は、『源⽒物語の歌ことば表現』『古今集と歌ことば表現』『王朝⽂学の歌ことば表現』という、いわゆる「歌ことば表現」三部作に収められている。その先⾒性と実証的⽅法、明晰な表現分析により、多くの研究者が先⽣の学恩にあずかったのである。
 「歌ことば表現」は先⽣のオリジナルな造語で、その題を決められた時、編集者から「歌ことば表現」とは⻑々しいと⼀度はクレームがついたものの、次回の打合せではかえってインパクトがあると⾔われて、決まったという。「歌ことば表現」とは、「和歌を形成する基盤としての歌語」ばかりでなく、「和歌を構成する⽅法としての修辞技法」、さらに「和歌が導き出した⽂学的時空」を包括する概念であり、その後の歌語・歌ことば研究を⽬ざましく進展させていった。
 先⽣のそうした和歌や物語の研究のエッセンスが、いま花⿃社から『⼩町⾕照彦セレクション』の三冊として刊⾏されると聞いて、喜びに堪えない。若い研究者の⽅々にもぜひ読んでいただき、和歌と物語の関係性という永遠のテーマについて、『源⽒物語』やそれ以降の物語も掘り下げていただければと切に願うのである。

表現の母胎へのまなざし
渡部 泰明 国文学研究資料館館長
 直接に指導を受けたというわけではなくとも、ひたすら感謝の意を捧げたい研究者が、誰にでも存在するだろう。私の場合、小町谷照彦氏はそのお一人である。自分の研究の根幹となる発想へと導いていただいた。「歌ことば」への着目がそれである。『源氏物語の歌ことば表現』『古今和歌集と歌ことば表現』『王朝文学の歌ことば表現』の著書があり、本セレクション第一冊にも「歌ことばの論」と題する一章があるように、「歌ことば」は氏の学問の核となる概念である。私なりの文脈で述べることをお許しいただくなら、歌ことばへの着目は、表現の母胎を解析する方法を導く、といえる。様式的な表現に枠づけられた和歌に、どうして人の心が託しうるのか。韻文である和歌と物語や随筆などの散文には、どこに接点があるのか。あるいはまた、作品の詩的達成を、客観的な指標によって明示することは可能なのかどうか。迷路に入り込むたびに、「歌ことば」という視点は、たしかな道筋を示してくれた。言葉が言葉を紡ぎ出し、広がりゆき、結び合う、そのような言語の動態こそ、詩的表現を生み出す原動力なのだと、行きなずむ背中を押していただいた。厳正でありながら、柔軟な思考に支えられたその論考の、大きな射程のゆえである。

著者プロフィール

小町谷 照彦  (コマチヤ テルヒコ)  (

1936年6月22日、長野県駒ケ根市に生まれる。2014年10月31日、死去。
学歴●
1960年3月、東京大学文学部国文学科卒業、1966年3月、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。
職歴●
1966年4月、常葉女子短期大学講師、1969年4月、成城大学短期大学部講師、1970年4月、同助教授、1971年4月、東京学芸大学講師、1972年3月、同助教授、1984年4月、同教授、2000年3月、同退職、2000年4月、東京経済大学経済学部教授、2000年5月、東京学芸大学名誉教授、2006年3月、東京経済大学退職。
主要著書●
[単著]『現代語対照 古今和歌集』(旺文社文庫、旺文社、1982)、『源氏物語の歌ことば表現』(東京大学出版会、1984)、『藤原公任 余情美をうたう』(王朝の歌人7、集英社、1985)、『古今和歌集と歌ことば表現』(岩波書店、1994)、『中古の日本文学』(放送大学教育振興会、1997)、『王朝文学の歌ことば表現』(中古文学研究叢書3、若草書房、1997)、『絵とあらすじで読む源氏物語―渓斎英泉『源氏物語絵尽大意抄』』(新典社、2007)、『古今和歌集』(ちくま学芸文庫、筑摩書房、2010)、『あらすじで楽しむ源氏物語』(新典社、2010)。
[共著]『伊勢集全注釈』(角川書店、2016)。
[編著]『古今和歌集』(日本文学研究資料叢書、有精堂、1976)、『榊原本私家集一』(日本古典影印叢刊、日本古典文学会、1978)、『小倉百人一首 くわしい解説・設問付き』(文英堂、1983)、『國文學 古典文学基本知識事典』(学燈社、1988)、『カラー版 古今和歌集』(桜楓社、1988)、『國文學 平安時代を知る事典』(学燈社、1989)、『別冊國文學 古典文学基礎知識必携』(学燈社、1991)、『源氏物語鑑賞と基礎知識 御法・幻』(至文堂、2001)、『別冊國文學[必携]源氏物語を読むための基礎百科』(学燈社、2003)、『源氏物語鑑賞と基礎知識 宿木(後半)』(至文堂、2005)。
[共編著]『古今集』(シンポジウム日本文学、学生社、1976)、『源氏物語』(鑑賞日本の古典、尚学図書、1979)、『標準新国語便覧』(文英堂、1985)、『名所歌枕伝能因法師撰の本文の研究』(笠間書院、1986)、『賀茂真淵全集 第12巻』(続群書類従刊行会、1987)、『拾遺和歌集』(新日本古典文学大系、岩波書店、1990)、『古今和歌集』(新潮古典文学アルバム、新潮社、1991)、『源氏物語図典』(小学館、1997)、『歌ことばの歴史』(笠間書院、1998)、『狭衣物語』(新編日本古典文学全集、小学館、1999)、『平安朝の文学』(放送大学教育振興会、2001)、『古今和歌集研究集成』(全三巻、風間書房、2004)、『東書最新全訳古語辞典』(東京書籍、2006)、『王朝文学文化歴史大事典』(笠間書院、2011)。

倉田 実  (クラタ ミノル)  (責任編集

1950生。1973年3月、東京学芸大学卒業、1984年3月、明治大学大学院退学。博士(文学・大阪大学)。
大妻女子大学名誉教授。
『王朝摂関期の養女たち』(翰林書房、2004)、『庭園思想と平安文学』(花鳥社、2018)他。

上記内容は本書刊行時のものです。