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古今和歌集の論 小町谷 照彦(著) - 花鳥社
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古今和歌集の論 (コキンワカシュウノロン)

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発行:花鳥社
A5判
620ページ
上製
定価 16,000円+税
ISBN
978-4-909832-39-9   COPY
ISBN 13
9784909832399   COPY
ISBN 10h
4-909832-39-4   COPY
ISBN 10
4909832394   COPY
出版者記号
909832   COPY
Cコード
C1092  
1:教養 0:単行本 92:日本文学詩歌
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年1月31日
書店発売日
登録日
2022年1月17日
最終更新日
2022年2月1日
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紹介

古今集、拾遺集、源氏物語研究等におおきな影響をあたえた、著者の単行本未収録論集・全3冊。
王朝文学全般にわたる、刺激に満ちた数々の論考は、縦横無尽に古典作品の魅力と問題点を伝える。
河添房江氏(東京学芸大学名誉教授)、渡部泰明氏(国文学研究資料館館長)推薦!

本書は、あらゆる切り口から「和歌史」「歌ことば」に迫る。
巻末に「歌語辞典」を付載。

目次

凡例  

Ⅰ●古今和歌集成立の論
1 王朝和歌の成立
2 古今和歌集の成立
3 この歌の文字あるをや―古今集撰者の時代
4 勅撰集序の和歌史意識
5 古筆の本文的意義―古今和歌集の異文の位相
6 古今的なるもの
7 平安朝文学における自然観

Ⅱ●歌ことばの論
1 『古今集』的表現の特質とその展開
2 歌ことばをめぐって―「蓬が杣」考
3 古今集のことば
4 古今的自然の表現性
5 『古今集』の〈ことばかざり〉
6 秋草の歌
7 古典に舞う鳥―歌の世界の中から
8 誰が袖―古今集歌の享受の一位相
9 平安時代の月の色
10 花もみじ

Ⅲ●歌枕の論
1 古今集の歌枕―和歌表現論序説
2 三代集の名所歌枕―古今的美学の一考察
3 歌枕
4 作品にみる風土―古今集
5 吉野山―よき人がよしとよく見て

Ⅳ●古今集歌人の論
1 古今集の歌風と展開
2 在原業平―旅の思想
3 小野小町―古今集
4 小野小町における〝うつろひ〟
5 伊勢集と人生―心憂き身
6 紀貫之―作家の謎
7 紀貫之の歌心
8 古今集と貫之の歌
9 貫之、心と詞
10 屛風歌作者としての紀貫之―拾遺集四季歌を媒介として
11 紀貫之要語集
秋の雪/恋忘れ草/難波の葦/波の花/初雁の/花なき里/べらなり/松風/山下風/吉野の山の桜花/夜の錦

Ⅴ●歌語辞典
秋(あき)/朝顔(あさがほ)/あぢきなし/石(いし)/夢(いめ)/色(いろ)/憂し(うし)/歌ことば・枕詞(うたことば・まくらことば)/歌枕(うたまくら)/浦(うら)/面
影(おもかげ)/蚊(か)/蟋蟀(きりぎりす)/蟋蟀(こほろぎ)/衣(ころも)/嵯峨(さが)/鷺(さぎ)/桜(さくら)/鈴虫・松虫(すずむし・まつむし)/民(たみ)/常(つね)/夏(なつ)/撫子(なでしこ)/庭(には)/春(はる)/羊(ひつじ)/藤(ふぢ)/藤袴(ふぢばかま)/冬(ふゆ)/鳳凰(ほうわう)/禊(みそぎ)/物合(ものあはせ)/百敷(ももしき)/山藍(やまあい)/山里(やまざと)/世(よ)/侘ぶ・詫ぶ(わぶ)

初出一覧
解説 倉田実
引用和歌初句索引

前書きなど

和歌集の史的な把握がある一方で、個々の歌ことばに対する丁寧で博覧的な言及があるところに著者の学風があろう。……中略……本セレクション第二冊の『拾遺和歌集』、第一冊の『古今和歌集』というように、有力な二つの勅撰集を領略したところに著者のすごさも窺われるのである。(倉田実「解説」より)

版元から一言

推薦のことば

「歌ことば表現」の魅⼒
河添 房江 東京学芸⼤学名誉教授
 ⼩町⾕照彦先⽣は、卒業論⽂を藤原公任、修⼠論⽂を『拾遺集』でまとめられるという、平安和歌研究の王道を歩まれた⽅である。また秋⼭虔先⽣の愛弟⼦として、『源⽒物語』の論考も多く、物語と和歌の関係という、トレンドの研究テーマのパイオニア的存在であった。源⽒研究や和歌研究の画期をなす論⽂は、『源⽒物語の歌ことば表現』『古今集と歌ことば表現』『王朝⽂学の歌ことば表現』という、いわゆる「歌ことば表現」三部作に収められている。その先⾒性と実証的⽅法、明晰な表現分析により、多くの研究者が先⽣の学恩にあずかったのである。
 「歌ことば表現」は先⽣のオリジナルな造語で、その題を決められた時、編集者から「歌ことば表現」とは⻑々しいと⼀度はクレームがついたものの、次回の打合せではかえってインパクトがあると⾔われて、決まったという。「歌ことば表現」とは、「和歌を形成する基盤としての歌語」ばかりでなく、「和歌を構成する⽅法としての修辞技法」、さらに「和歌が導き出した⽂学的時空」を包括する概念であり、その後の歌語・歌ことば研究を⽬ざましく進展させていった。
 先⽣のそうした和歌や物語の研究のエッセンスが、いま花⿃社から『⼩町⾕照彦セレクション』の三冊として刊⾏されると聞いて、喜びに堪えない。若い研究者の⽅々にもぜひ読んでいただき、和歌と物語の関係性という永遠のテーマについて、『源⽒物語』やそれ以降の物語も掘り下げていただければと切に願うのである。

表現の母胎へのまなざし
渡部 泰明 国文学研究資料館館長
 直接に指導を受けたというわけではなくとも、ひたすら感謝の意を捧げたい研究者が、誰にでも存在するだろう。私の場合、小町谷照彦氏はそのお一人である。自分の研究の根幹となる発想へと導いていただいた。「歌ことば」への着目がそれである。『源氏物語の歌ことば表現』『古今和歌集と歌ことば表現』『王朝文学の歌ことば表現』の著書があり、本セレクション第一冊にも「歌ことばの論」と題する一章があるように、「歌ことば」は氏の学問の核となる概念である。私なりの文脈で述べることをお許しいただくなら、歌ことばへの着目は、表現の母胎を解析する方法を導く、といえる。様式的な表現に枠づけられた和歌に、どうして人の心が託しうるのか。韻文である和歌と物語や随筆などの散文には、どこに接点があるのか。あるいはまた、作品の詩的達成を、客観的な指標によって明示することは可能なのかどうか。迷路に入り込むたびに、「歌ことば」という視点は、たしかな道筋を示してくれた。言葉が言葉を紡ぎ出し、広がりゆき、結び合う、そのような言語の動態こそ、詩的表現を生み出す原動力なのだと、行きなずむ背中を押していただいた。厳正でありながら、柔軟な思考に支えられたその論考の、大きな射程のゆえである。

著者プロフィール

小町谷 照彦  (コマチヤ テルヒコ)  (

1936年6月22日、長野県駒ケ根市に生まれる。2014年10月31日、死去。
学歴●
1960年3月、東京大学文学部国文学科卒業、1966年3月、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。
職歴●
1966年4月、常葉女子短期大学講師、1969年4月、成城大学短期大学部講師、1970年4月、同助教授、1971年4月、東京学芸大学講師、1972年3月、同助教授、1984年4月、同教授、2000年3月、同退職、2000年4月、東京経済大学経済学部教授、2000年5月、東京学芸大学名誉教授、2006年3月、東京経済大学退職。
主要著書●
[単著]『現代語対照 古今和歌集』(旺文社文庫、旺文社、1982)、『源氏物語の歌ことば表現』(東京大学出版会、1984)、『藤原公任 余情美をうたう』(王朝の歌人7、集英社、1985)、『古今和歌集と歌ことば表現』(岩波書店、1994)、『中古の日本文学』(放送大学教育振興会、1997)、『王朝文学の歌ことば表現』(中古文学研究叢書3、若草書房、1997)、『絵とあらすじで読む源氏物語―渓斎英泉『源氏物語絵尽大意抄』』(新典社、2007)、『古今和歌集』(ちくま学芸文庫、筑摩書房、2010)、『あらすじで楽しむ源氏物語』(新典社、2010)。
[共著]『伊勢集全注釈』(角川書店、2016)。
[編著]『古今和歌集』(日本文学研究資料叢書、有精堂、1976)、『榊原本私家集一』(日本古典影印叢刊、日本古典文学会、1978)、『小倉百人一首 くわしい解説・設問付き』(文英堂、1983)、『國文學 古典文学基本知識事典』(学燈社、1988)、『カラー版 古今和歌集』(桜楓社、1988)、『國文學 平安時代を知る事典』(学燈社、1989)、『別冊國文學 古典文学基礎知識必携』(学燈社、1991)、『源氏物語鑑賞と基礎知識 御法・幻』(至文堂、2001)、『別冊國文學[必携]源氏物語を読むための基礎百科』(学燈社、2003)、『源氏物語鑑賞と基礎知識 宿木(後半)』(至文堂、2005)。
[共編著]『古今集』(シンポジウム日本文学、学生社、1976)、『源氏物語』(鑑賞日本の古典、尚学図書、1979)、『標準新国語便覧』(文英堂、1985)、『名所歌枕伝能因法師撰の本文の研究』(笠間書院、1986)、『賀茂真淵全集 第12巻』(続群書類従刊行会、1987)、『拾遺和歌集』(新日本古典文学大系、岩波書店、1990)、『古今和歌集』(新潮古典文学アルバム、新潮社、1991)、『源氏物語図典』(小学館、1997)、『歌ことばの歴史』(笠間書院、1998)、『狭衣物語』(新編日本古典文学全集、小学館、1999)、『平安朝の文学』(放送大学教育振興会、2001)、『古今和歌集研究集成』(全三巻、風間書房、2004)、『東書最新全訳古語辞典』(東京書籍、2006)、『王朝文学文化歴史大事典』(笠間書院、2011)。

倉田 実  (クラタ ミノル)  (責任編集

大妻女子大学名誉教授。

上記内容は本書刊行時のものです。