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乱世を語りつぐ 松尾 葦江(編) - 花鳥社
.
軍記物語講座 4

乱世を語りつぐ

発行:花鳥社
A5判
300ページ
上製
価格 7,000円+税
ISBN
978-4-909832-24-5
Cコード
C1095
教養 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年5月30日
書店発売日
登録日
2020年5月7日
最終更新日
2020年6月9日
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紹介

軍記物語が華やかに開花したのは、室町文化の中であった。

文学のみならず、歴史・芸術・言語等の周辺分野からのアプローチも交じえた、最新の研究成果を提示。この20年のうちに大きく変化してきた軍記物語研究の現在と、今後を見据えた文学本来の課題を照らしだす。

目次

 まえがき●山上登志美

◆Ⅰ 室町という時代
室町という時代●坂井孝一 
 はじめに/足利義満の時代―「室町殿」から「北山殿」へ―/足利義持の時代―「室町殿」の安定期―/足利義教の時代―「万人恐怖」から将軍弑逆へ―/足利義政の時代―将軍親裁から大乱勃発へ―/むすびにかえて―室町という時代の文化―

◆Ⅱ 武家政権の陰に 曽我物語・義経記
『曽我物語』の女性たち―〝女語り〟の物語は女性をいかに語ったか―●小井土守敏
 はじめに/『曽我物語』に登場する女性/兄弟を弔う女性たち/恩讐を超えて/仮名本の女性たち/称讃される女性たち/おわりに

曽我物語における挿入説話の問題●鈴木元
 注釈としての説話/慈恩寺縁起の周辺/『宝物集』をめぐる問題

『義経記』の構想力と遊戯性―弁慶像を中心に―●藪本勝治 
 『義経記』の二面性/作品としての構想力/伝承の改作と遊戯性/『義経記』の開放性

『義経記』の時代―『謡曲拾葉抄』『異本義経記』からみる『義経記』享受―●西村知子
 はじめに/『謡曲拾葉抄』について/『義経記』の引用/『異本義経記』の引用/おわりに

判官物の古状型往来―古状で綴られる義経・弁慶の生涯―●本井牧子
 『腰越状』『義経含状』『弁慶状』/『弁慶状』にみられる伝承/『弁慶状』の位相

◆Ⅲ つづく戦乱 明徳記・嘉吉記・応仁記・鎌倉大草紙・後南朝関係軍記
『明徳記』における「弓矢」●大坪亮介 
 はじめに/『明徳記』の武士と「弓矢」/延慶本『平家物語』と『太平記』の「弓矢」/『明徳記』における「不義ノ弓矢」「弓矢ノ不義」/氏清・満幸を「朝敵」と認めないこと/おわりに

嘉吉の乱関係軍記にみる叙述のあり方―謀叛の動機と自家の功績に対する認識の観点から―●瀬戸祐規
 はじめに/謀叛の動機/自家の功績/むすび

和歌を詠む赤松教康●藏中さやか
 嘉吉の乱首謀者の祖/和歌を詠む武人として/嘉吉の乱関係軍記と和歌/教康の終焉場面―実録的な作品群より―/教康の終焉場面―『嘉吉物語』より―/おわりに

『応仁記』一巻本・二巻本の成立―『野馬台詩』の呪縛からの解放―●山上登志美
 はじめに/一巻本と二巻本の先出をめぐって/『野馬台詩』をめぐって/未完『応仁記』/おわりに

『鎌倉大草紙』とその周辺―「作品」として考えるために―●田口寛
 はじめに/『大草紙』研究の現状/『大草紙』記事の周辺―同話・関係話資料など―/『大草紙』における上杉憲実/おわりに

「後南朝」の軍記物語●武田昌憲
 はじめに 後南朝とは―後南朝の初見―/後南朝の歴史/後南朝の軍記とは/後南朝軍記の行方

◆Ⅳ 戦国から偃武へ 戦国軍記・家伝・幸若舞曲・御伽草子
「戦国軍記」の範囲―細川政元殺害の記録を例に―●笹川祥生
 「後期軍記」の概要/細川政元殺害事件の記録/戦国軍記の範囲

家伝史料『結城軍記』諸本の相関関係―『小山記』『長沼日記』と対照して―●髙橋恵美子
 はじめに/『結城軍記』における結城合戦の描写/『小山記』について/所収記事の比較からみる『結城軍記』諸本の関係/おわりに

十七世紀初頭における幸若舞曲享受の一様相―梵舜の書写活動をめぐって―●小林健二
 はじめに/梵舜等が書写した幸若舞曲/梵舜本幸若舞曲の各写本の性格/梵舜本「含状」の場合/『舜旧記』に見える梵舜と幸若舞曲/むすび―梵舜の幸若舞曲書写から見えてくること―

物語草子の闘諍・合戦譚●大島由紀夫
 はじめに―軍記物語とお伽草子―/まつろわぬ者―悪党・山賊・盗賊―との合戦/お家騒動―「家」をめぐる闘諍―/寺社の被災―聖域への侵犯―/おわりに―物語が紡ぐ「乱世の記憶」―

  *  *  *
軍記物語年表(二)●加美甲多

 あとがき●松尾葦江
 執筆者紹介

前書きなど

軍記物語が華やかに開花したのは室町文化の中だと言っていい。覚一本『平家物語』や『太平記』が成立したのは室町期であり、平家語りが京都で隆盛を誇ったのも室町期だった。そういう視点から文学史を見渡す軍記物語研究をめざすなら、一旦、室町時代という枠組みを設けて、前代からの変容とその完成とを考えてみることも無益ではないだろう。(「あとがき」より)

著者プロフィール

松尾 葦江  (マツオ アシエ)  (

1943(昭和18)年神奈川県生まれ。博士(文学)。
専門は日本中世文学、特に軍記物語。
主な著書:『平家物語論究』(明治書院、1985年)、『軍記物語論究』(若草書房、1996年)、『軍記物語原論』(笠間書院、2008年)、『文化現象としての源平盛衰記』(編著、笠間書院、2015年)、『ともに読む古典 中世文学編』(編著、笠間書院、2017年)など。

坂井 孝一  (サカイ コウイチ)  (

創価大学教授
著書・論文:『源実朝 「東国の王権」を夢見た将軍』(講談社メチエ、2014年)、『承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱』(中公新書、2018年)、「中世前期の文化」(『岩波講座 日本歴史』第6巻中世1、2013年)など。

小井土 守敏  (コイド モリトシ)  (

大妻女子大学教授
著書・論文:『曽我物語』上~下(共編、新典社、2013~2015年)、「情報の形―『曽我物語』を例にして」(河野貴美子他篇『日本「文」学史』第2冊、勉誠出版、2017年)、「流布本で読む『曽我物語』」(『武蔵野文学』67号、2019年12月)など。

鈴木 元  (スズキ ハジメ)  (

熊本県立大学教授
著書・論文:『室町連環 中世日本の知と空間』(勉誠出版、2014年)、「物語草子における形式の問題―『横座房物語』の場合」(『国語国文』第86巻第2号、2017年)、「京師巡覧〈稲荷〉贅註」(『朱』第62号、2019年)など。

藪本 勝治  (ヤブモト カツハル)  (

灘中学校・高等学校教諭
著書・論文:『義経記 権威と逸脱の力学』(和泉書院、2015年)、「『吾妻鏡』の歴史叙述における承久の乱」(野口実編『承久の乱の構造と展開 転換する朝廷と幕府の権力』戎光祥出版、2019年)、「『吾妻鏡』の文脈と和田合戦記事」(『軍記と語り物』56 号、2020年)など。

西村 知子  (ニシムラ サトコ)  (

著書・論文:「『義経記』から『異本義経記』へ 『義経記』受容の視点からの考察」(『軍記と語り物』52号、2016年3月)、「『義経東下り物語』における『義経記』奥州落説話の変容 判官物語系諸本本文異同の問題とともに」(関西軍記物語研究会編『軍記物語の窓』第五集、和泉書院、2017年)、「『義経記』の展開と変容 『異本義経記』を一例として」(『説話文学研究』54 号、2019年9月)など。

本井 牧子  (モトイ マキコ)  (

京都府立大学教授
著書・論文:「義経後半生を描いた文芸―『義経奥州落絵詞』のありかたを端緒として―」(『説話文学研究』第54号、2019年9月)、「『釈迦堂縁起』とその結構」(『国語国文』第86巻5号、2017年5月)、「國學院大學図書館蔵『義経奥州落絵詞』の諸相―幸若舞曲・能との関連を端緒として―」(針本正行編『物語絵の世界』國學院大學文学部針本正行研究室、2010年3月)など。

大坪 亮介  (オオツボ リョウスケ)  (

大阪大谷大学専任講師
著書・論文:『南北朝軍記物語論』(和泉書院、2020年)、「『明徳記』における山名氏清と新田義貞 朝敵認定との関わり」(『国語国文』85巻3号、2016年) 、「天正本『太平記』巻四「呉越戦事」の増補傾向 姑蘇城・姑蘇台と西施の記述を端緒として」(『文学史研究』58号、2018年)など。

瀬戸 祐規  (セト ユウキ)  (

神戸松蔭女子学院大学・大阪体育大学非常勤講師
著書・論文:「『大乗院寺社雑事記』『文正記』に見る長禄・寛正の内訌」(大乗院寺社雑事記研究会編『大乗院寺社雑事記研究論集』第3巻、2006年)、「根来法師から根来氏、根来組へ-近世軍記・由緒書等の検討を通して-」(鶴﨑裕雄編『地域文化の歴史を往く 古代・中世から近世へ』和泉書院、2012年)、「戦国期北摂地域を描いた軍記物語-『能勢物語』を中心に-」(猪名川町歴史文化遺産活性化実行委員会編『多田院御家人と多田荘の歴史を紐解く』2018年3月)など。

藏中 さやか  (クラナカ サヤカ)  (

神戸女学院大学教授
著書・論文:『中世歌題集成書の研究』(青簡舎、2020年)、『王朝歌合集』(和歌文学大系48、共著、明治書院、2018年)、新注和歌文学叢書『頼政集新注』上・中・下(共著、青簡舎、2011~2016年)など。

山上 登志美  (ヤマガミ トシミ)  (

甲南女子大学・神戸学院大学非常勤講師
著書・論文:『戦国軍記事典 天下統一篇』(共著、和泉書院、2011年)、「『長禄寛正記』の成立」(『古典遺産』65号、2016年3月)「戦国軍記から実録物へ―脇坂家の貂の皮をめぐって―」(『季刊 悠久』151号、2017年11月)、など。

田口 寛  (タグチ ヒロシ)  (

梅光学院大学准教授
著書・論文:『別冊 戦国武将逸話集 訳注『常山紀談』拾遺 巻一~四・附録 雨夜燈』(共著、勉誠出版、2018年)、「新田岩松家旧蔵の異本『鎌倉大草紙』と上杉禅秀の乱―「東国」の軍記・軍記物語―」(『季刊 悠久』151号、2017年11月)、「『安宅一乱記』について」(『軍記と語り物』56号、2020年3月)など。

武田 昌憲  (タケダ マサノリ)  (

尚絅大学教授
著書・論文:『戦国軍記事典 天下統一編』(共著、和泉書院、2011年)、「島原一揆と使者―中世軍記の種子と終焉と―」(『文学・語学』、207号、2013年11月)、「一揆鎮圧―島原一揆の「使者」の一面、福井藩・松江藩―」(日下力監修、鈴木彰・三澤裕子編『いくさと物語の中世』汲古書院、2015年)など。

笹川 祥生  (ササカワ サチオ)  (

元京都女子大学教授
著書・論文:『戦国軍記の研究』(和泉書院、1999年)、「落ちる武人たち―『平家物語』『太平記』ならびに戦国軍記―」(説話と説話文学の会編『説話論集』17、清文堂出版、2008年)、「毛利軍記の流れ―公私の関わり―」(関西軍記物語研究会編『軍記物語の窓』第五集、和泉書院、2017年)など。

髙橋 恵美子  (タカハシ エミコ)  (

武蔵野学院大学教授
著書・論文:『中世結城氏の家伝と軍記』(勉誠出版、2010年)、「中世軍記史料における料紙表現-『平家物語』諸本を中心に」(湯山賢一編『古文書料紙論叢』勉誠出版、2017年)、「中世武家文書における仮名使用に関する一考察~足利氏を中心に」(『武蔵野学院大学日本総合研究所研究紀要』第15輯、2018年3月)など。

小林 健二  (コバヤシ ケンジ)  (

国文学研究資料館名誉教授
著書・論文:『中世劇文学の研究―能と幸若舞曲』(三弥井書店、2000年)、『描かれた能楽―芸能と絵画が織りなす文化史』(吉川弘文館、2019年)、『絵解く 戦国の芸能と絵画 描かれた語り物の世界』(編著、三弥井書店、2020年)など。

大島 由紀夫  (オオシマ ユキオ)  (

群馬工業高等専門学校教授
著書・論文:『神道縁起物語(二)』( 伝承文学資料集成6、編著、三弥井書店、2002年)、『チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵 俵藤太物語絵巻』( 共編著、勉誠出版、2006年)、『中世衆庶の文芸文化 縁起・説話・物語の演変』( 三弥井書店、2014年) など。

加美 甲多  (カミ コウタ)  (

跡見学園女子大学専任講師
著書・論文:「『沙石集』と経典における譬喩―『百喩経』との比較を端緒として―」(『仏教文学』第34号、2010年3月)、「無住と梵舜本『沙石集』の位置」(小島孝之監修『無住 研究と資料』、あるむ、2011年)、「僧を嗤う『沙石集』『雑談集』―真に敬うべきもの―」(京都仏教説話研究会編『説話の中の僧たち』、新典社、2016年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。