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新版 徒然草抜書
表現解析の方法
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年10月31日
- 書店発売日
- 2020年11月6日
- 登録日
- 2020年9月16日
- 最終更新日
- 2020年11月2日
紹介
古典の文章を解釈する方法はどのようにあるべきか
『徒然草』から、従来の解釈では理解しにくい章段を選んで解析。
表現の核心に迫ってゆく楽しさを提示した名著、待望の復刊!
*本書は講談社学術文庫版(1990年刊)に、あらたに小川剛生氏の「解説」を加えて刊行するものです。
目次
はしがき
謝辞
前言
序章 文献学的解釈の基礎
1 諸伝本の表記
2 二種類の仮名遣
3 清濁の識別
第一章 つれづれなるまゝに
1 つれづれなるままに
2 清むか濁るか
3 付かず離れずの関係
4 語源信仰の危険性
5 帰納される意味
6 母音交替形の意味領域
7 兼好の真意
第二章 うしのつの文字
1 謎を解いたのはだれか
2 文字習得の過程
3 「こいしく」の必然性
4 牛の角文字
5 すぐな文字
6 謎ときの筋道
7 かわいらしさの抹殺
付 かたかんなの和歌
第三章 土偏に候ふ
1 文字史からの検討
2 場面の理解
3 有房の意図
4 いづれのへんにか侍らん
5 質問と解答とのすれ違い
6 自筆原本の表記
7 中間のまとめ
8 どよみになりて
9 兼好の意図
補 「イヅレヘン」
第四章 蜷といふ貝
1 極端な異文
2 蜷といふ貝
3 文献資料にみえる「蜷」Ⅰ
4 文献資料にみえる「蜷」Ⅱ
5 兼好の意図
6 漢字表記の必然性
7 異文成立の理由
8 兼好の軌範意識
9 語形変化の動因
第五章 いみじき秀句
1 秀句の所在
2 法師は「法の師」か
3 法師とよばれない僧侶たち
4 惟継と円伊との人間関係
5 いみじき秀句
6 方法上の諸問題
結語
引用文献
解説(小川剛生)
前書きなど
「この小冊は、古典文学作品の文章を解釈する方法がどのようにあるべきかを基本から問いなおし、具体的な対象に即して考察を試みた記録の一端です。古語辞典を改訂する作業の副産物ですから、結果的には、そういう作業の台所を公開することにもなるでしょう。」……「はしがき」より
「……本書から受けた衝撃は誠に大きかった。しかも小松氏の論法はきわめて正統的であるし、決して珍奇な史料を用いている訳でもない。そして氏が述べるように、まだ問題は未曾有に残されていると思う。
今後、全てを引き受ける覚悟をもって、作品の読み直しに向かう学究が出ることを願う。現在の状況ではもう手遅れかも知れないが、かえって現行の注釈書にあきたらない人たちが、本書から多大な啓示を受け、研究を進展させられるのではないか、そんな淡い期待を抱くのである。」……「解説」(小川剛生)より
上記内容は本書刊行時のものです。