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先代旧事本紀論 工藤 浩(編) - 花鳥社
.

先代旧事本紀論 史書・神道書の成立と受容

発行:花鳥社
A5判
308ページ
上製
価格 8,000円+税
ISBN
978-4-909832-09-2
Cコード
C3095
専門 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年8月31日
書店発売日
登録日
2019年8月7日
最終更新日
2019年9月6日
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紹介

偽書には偽書の価値がある。
九世紀初頭に編纂された歴史書・神道書でありながら、不審箇所が多く、近世以降は偽書として低く見られたきた『先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)』。
記・紀神話享受史の研究において近年脚光を浴びる書をここに再評価。
日本文学・日本史学・神道学・日本語学の四領域から迫る!

『先代旧事本紀』研究のための基本文献リスト収載。

目次

はじめに◆工藤浩

Ⅰ 構想と神話・伝説・系譜
1 神から人への「系統史」―『先代旧事本紀』の構想と構成―◆松本直樹
 はじめに/「神代史」各巻の内容/「神代史」各巻の構想/「神代史」の構造

2 『先代旧事本紀』における出雲系神格の位置―「天璽瑞宝十種」の造形に関する一試案―◆小村宏史
 瑞宝十種と鎮魂祭、およびウマシマヂ/「蛇比礼」「蜂比礼」「品物比礼」―オホナムチとオホモノヌシ/「生玉」「足玉」「道反玉」「死反玉」―ヌナカハヒメとタケミナカタ/「瀛津鏡」「辺津鏡」―宗像・賀茂の神/「八握剣」について/おわりに

3 地祇本紀のオホナムチ―系譜の分析を中心に―◆伊藤剣
 はじめに/大年神流の神統譜/『先代旧事本紀』のオホナムチ㈠―オホナムチの亦名/ 『先代旧事本紀』のオホナムチ㈡―大三輪神との一体化/『先代旧事本紀』のオホナムチ㈢―系譜条にみる倭の神としての性格/杵築大社の祭神/オホナムチを倭の神にした意図/おわりに

4 「天孫本紀」所載系譜をめぐって◆工藤浩
 アメノカゴヤマ系譜/ウマシマヂ系譜/ニギハヤヒ系譜への統合/「天孫本紀」所載系譜の受容/おわりに

5 「国造本紀」研究の現状と課題◆鈴木正信
 はじめに/江戸時代の研究/幕末から戦前までの研究/戦後の研究/今後の展望/おわりに

コラム 可美真手命とその銅像―明治天皇が求めた臣下の理想像◆小林真美
コラム 『先代旧事本紀』が拓くヤマトタケルの子・武田王の伝説◆小林真美
コラム 記述の小異と皇位継承へのまなざし◆星愛美

Ⅱ 神道思想と享受
6 『先代旧事本紀』と祭祀―『釈日本紀』にみる呪力の受容―◆渡邉卓
 はじめに/『釈日本紀』「開題」引用の『先代旧事本紀』/『釈日本紀』「述義」引用の『先代旧事本紀』/祭祀文献としての認識/呪力の移動/おわりに

7 山崎闇斎と『先代旧事本紀』―基礎的考察―◆西岡和彦
 はじめに/闇斎の神書評価と『先代旧事本紀』の位置/闇斎が用いた『先代旧事本紀』の底本とその校訂/神書『先代旧事本紀』と注釈書『旧事大成経』/おわりに

8 学問・注釈の世界における『先代旧事本紀』◆福田武史
 はじめに/『令集解』引用文存疑/『先代旧事本紀』による『日本書紀』注釈―『釈日本紀』/おわりに

コラム アーネスト・サトウが手にした『先代旧事本紀』◆小林真美

Ⅲ 写本と表記
9 『先代旧事本紀』の諸本研究をめぐる現状と課題◆松本弘毅
 はじめに/諸本一覧とこれまでの研究/想定諸写本系統図/各写本について(一) ⑨石川忠総本・⑩卜部一本/各写本について(二)卜部兼右本/各写本について(三)卜部兼右本系諸本/各写本について(四)その他の兼永本の転写本/未検討写本/行方不明写本/おわりに―旧事本紀の写本系統を追究する意味

10 『先代旧事本紀』における熟字と単漢字―「誕生」と「生」をめぐって―◆奥田俊博
 問題の所在/『先代旧事本紀』の「誕生」の用法と『日本書紀』の対応記事/漢語「誕生」の用法と『先代旧事本紀』/『先代旧事本紀』における「誕生」と「生」

コラム 今後の研究課題について◆工藤浩

『先代旧事本紀』研究のための基本文献リスト

あとがき◆工藤浩

執筆者紹介

前書きなど

 『先代旧事本紀』は、歴史書、神道書の性格を持つ。『古事記』『日本書紀』は、周知のように天皇統治の正統性の根拠を示すことを目的に、八世紀初頭に編纂された王権の歴史書である。本書が対象とする『先代旧事本紀』十巻は、飛鳥時代に勢を誇った豪族である物部氏の関わる宮廷祭祀の職掌の起源を示す氏族の側の歴史書として、九世紀に作られたと考えられており、「氏文(うじぶみ)」という括りの中に入れられることが多い。……研究も着実に深められてきたことは間違いないが、成熟には程遠い現状がある。……そこで、日本文学、日本史学、神道学、日本語学の四領域の研究者が一堂に会しての、『先代旧事本紀』を対象とする共同研究を企画した。各々の分野での研究の現状と問題点を押え、今後の展望を考えることから始めた。……「はじめに」より

著者プロフィール

工藤 浩  (クドウ ヒロシ)  (

1957年生まれ・日本工業大学教授・『新撰龜相紀の基礎的研究』『氏族伝承と律令祭儀の研究』

松本 直樹  (マツモト ナオキ)  (執筆

1963年生まれ・早稲田大学教授・『古事記神話論』『出雲国風土記注釈』『神話で読みとく古代日本』

小村 宏史  (オムラ ヒロシ)  (執筆

1971年生まれ・沼津工業高等専門学校准教授・『古代神話の研究』「垂仁記霊果将来説話の意義 ―「常世国」よりもたらされたもの―」「神話と現実 ―神話テキストへの接近― 」

伊藤 剣  (イトウ ケン)  (執筆

1979年生まれ・明治大学准教授・『日本上代の神話研究』「『出雲国風土記』の『日本書紀』受容態度」「現伝『出雲国風土記』の成立をめぐって」

鈴木 正信  (スズキ マサノブ)  (執筆

1977年生まれ・文部科学省教科書調査官・『日本古代氏族系譜の基礎的研究』『大神氏の研究』『日本古代の氏族と系譜伝承』

渡邉 卓  (ワタナベ タカシ)  (執筆

1979年生まれ・國學院大學准教授・『『日本書紀』受容史研究』「『釈日本紀』にみる『古事記』の価値」「武田祐吉の学問態度と〈万葉精神〉」

西岡 和彦  (ニシオカ カズヒコ)  (執筆

1963年生まれ・國學院大學教授・『近世出雲大社の基礎的研究』『神道の格言―「かぎろい」抄(五)―』『建国の使命―「大祓詞」の神学―』

福田 武史  (フクダ タケシ)  (執筆

1975年生まれ・武蔵大学准教授・「『日本書紀』の訓読をめぐって」「李嶠百詠詩題注における和名抄の利用」

松本 弘毅  (マツモト ヒロキ)  (執筆

1978年生まれ・早稲田大学非常勤講師・『古事記と歴史叙述』「『先代旧事本紀』兼永本と兼右本の関係」

奥田 俊博  (オクダ トシヒロ)  (執筆

1965年生まれ・九州女子大学教授・『古代日本における文字表現の展開』「『万葉集』における反復表現の表記―変字法とその周辺―」

小林 真美  (コバヤシ マサミ)  (執筆

1976年生まれ・東京理科大学専任講師・『『古事記』諸本における受容と展開の研究』「折口信夫と山中共古―接点と影響を中心に―」

星 愛美  (ホシ マナミ)  (執筆

1989年生まれ・奈良女子大学大学院生・「『先代旧事本紀』の史書性―系譜をめぐって」「『先代旧事本紀』における即位称元」

上記内容は本書刊行時のものです。