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倭建命物語論 小野 諒巳(著) - 花鳥社
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倭建命物語論 古事記の抒情表現

発行:花鳥社
A5判
280ページ
上製
価格 6,000円+税
ISBN
978-4-909832-02-3
Cコード
C3095
専門 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年2月28日
書店発売日
登録日
2019年2月21日
最終更新日
2019年4月26日
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紹介

歌は物語の中でどのような役割を果たしているのか

ヤマトタケルの物語にみえる、個々の歌とその歌い手を中心とする登場人物の関係性とを考察。『古事記』に独自の表現や記事配列を踏まえて物語全体の中に位置づける。
歴史的事跡である国土平定が、なぜ一人物の抒情的物語として描かれたのか―享受者の記憶に定着させ、「語り継がれるための工夫」を見出す。

目次

 はじめに
 本書の概要
 凡例

序論 『古事記』の倭建命物語
 Ⅰ 倭建命西征と神話
 Ⅱ 倭建命東征の表現
 Ⅲ 倭建命の名について

第一章 倭建命の「建荒之情」―被派遣者の資質―
 はじめに
 一 「建荒之情」の先行研究
 二 「建」の解釈
 三 「荒」の解釈
 四 倭建命の「建荒之情」
 おわりに

第二章 出雲の掌握と刀剣讃美―「さみなし」歌の解釈から―
 はじめに
 一 出雲建討伐条の先行研究
 二 「さみなし」の解釈
 三 「出雲建が佩ける大刀」と「あはれ」
 四 『古事記』における大和王権と出雲
 おわりに

第三章 弟橘比売命入水条の表現―象徴化の方法―
 はじめに
 一 倭建命物語における入水条の記載意義
 二 「さねさし」歌の記載意義
 三 「さねさし」歌と「覆奏」
 おわりに

第四章 酒折宮問答歌の時間意識―月立問答歌への展開―
 はじめに
 一 酒折宮問答歌の先行研究
 二 倭建命の時間意識―記25の表現―
 三 記26の表現効果―東征のとじめを告げる歌―
 四 酒折宮問答歌の位置づけ
 おわりに

第五章 月立問答歌の敬語表現―男女唱和の視点から―
 はじめに
 一 倭建命と美夜受比売の物語
 二 「月立たなむよ」の解釈
 三 男女の唱和歌における敬語表現
 四 倭建命物語における「期」の文脈
 おわりに

第六章 白猪神への「言挙」―「言向」から逸脱する倭建命―
 はじめに
 一 言向と言挙
 二 伊服岐能山の「白猪」と五十葺山の「大蛇」
 三 皇命の言向と倭建命の言挙
 おわりに

第七章 「一つ松」歌の役割―疲弊と思慕とを語る歌―
 はじめに
 一 「一つ松」歌の解釈
 二 倭建命と松樹との対比
 三 尾張に向かう一つ松と「御刀」の表現
 おわりに

第八章 思国歌にみる倭建命の忠心
 はじめに
 一 思国歌の先行研究
 二 記31の解釈
 三 倭建命物語における記31の位置づけ
 おわりに

第九章 倭建命辞世歌の役割―東征の終焉を告げる歌―
 はじめに
 一 記33の周辺に関する先行研究
 二 「嬢子の床辺」歌の解釈
 三 「嬢子の床辺」歌の役割
 おわりに

第十章 倭建命葬送条における「倭」と「天」
 はじめに
 一 倭建命葬送条の先行研究
 二 妻子による葬送の意義
 三 八尋白智鳥の行方―「天」の解釈―
 おわりに

結論

 初出一覧
 あとがき
 英文要旨
 索引(事項・引用文献・歌番号)

前書きなど

本書では、従来の「倭建命物語」に対するイメージに囚われないように心掛けた。そのうえで、個別論として各章をまとめつつ、物語全体の中での位置づけを常に意識した。そこから見えてきたのは、『古事記』の倭建命物語における記事配列の重要性だ。たとえ『日本書紀』と同じ歌を含み持っていても、記事配列がわずかに変わったり、記事・表現・描写がひとつ増減したりすることで、物語全体に大きな変化がもたらされるのである。
『古事記』の倭建命物語は、記事配列や歌などの表現によって、倭建命が成し遂げた「国土平定」事業―いわば国家の歴史を、「倭建命」という一人物の生涯と紐づけし、抒情的な物語に仕立てあげたものと考える。
本書が、そのような物語が求められた理由を読み解く端緒となれば、幸いである。……「はじめに」より

著者プロフィール

小野 諒巳  (オノ アサミ)  (

1986年 北海道生まれ
2015年 國學院大學大学院文学研究科博士課程後期単位修得退学
2018年 博士(文学)取得 (國學院大學)
現在 國學院大學兼任講師
専攻 日本上代文学
著書・論文『古事記歌謡注釈 歌謡の理論から読み解く古代歌謡の全貌』(共著、新典社、2014年)

上記内容は本書刊行時のものです。