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取引情報
ルルオンザルーフ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年9月25日
- 書店発売日
- 2022年10月20日
- 登録日
- 2022年9月29日
- 最終更新日
- 2023年1月21日
紹介
絵本作家よしだるみ、初のエッセイ集!
どうぶつのかぞく絵本シリーズ『いつかはぼくも』『わたしはいつも』『いつもとなりで』(国土社)、月刊絵本かがくのとも『あめあがりのしゃぼんだま』(福音館書店)など、色鉛筆やクレヨンを駆使した優しい画風で人気上昇中のよしだるみ。
創作絵本や挿画の仕事を多数こなす一方、中国武術講師の顔ももつ。
巻末には気鋭の映画監督・藤井道人(『新聞記者』『余命10年』)による解説「姉・よしだるみのこと」を収録。
目次
もくじ
1 今日は、マグカップで飲むんだよ
ミニチュア太陽とお月さま
おしりがつめたい。
あるものとないもの
手当て
移住記念日
本
炭酸ジュース
晴れのち頭痛……そして日常
スプーン
広告チラシ
トレンディードラマ
いつものリズム
夢のようなカレー
冬が来てしまった
高い所
2 きれいだね
ふたり
クリスマスのはなし
小鳥
一番欲しいもの
久しぶりの散歩
マジック
おそなえ
一日の過ごしかた
私のなかの小さな森
簡素なしくみ
ぐにゃぐにゃ
雪やどり
カード
甘いジンジャーシロップ
3 また四時だって思うんだよ
優しいストロベリーアイスクリーム
雪
恐竜のタマゴの町で
なんということでしょう!
六月の雪
ネズミ
星の輪郭
夢のような桜散歩
春の色
虹
エアトランプ
立ちつくすロバ
最後のいちご
ルル オン ザ ルーフ
色鉛筆削り
あとがき
姉・よしだるみのこと 藤井道人
前書きなど
(第1部第1章、部分)
ミニチュア太陽とお月さま
主人は本を積み上げる。一生かかっても読みきれないくらいあるのだけど、それでもいいんだと言うの。いろんな難しい本のあいだに、旅の本や料理や映画の本が山ほど! それから主人の大好きな格闘技の資料がいっぱい、ある。
物事の名称がごちゃごちゃになってしまう私と違って、主人は舌を噛みそうな難しい外国の選手の名前や技、そして二つ名や異名を、とても正確に把握しています。さまざまな種目のルールや(入場のしかたや衣装の美学まで!)歴史、数々の技やその使いかたも、信じられないくらい詳しく知っている。しかも、それぞれの種目で自分が選手になった場合の練習方法や、幾つかは道場の方針まで決めていて、とんちんかんな私にいつも根気強く何やらお話ししてくれます。楽しそうに話すのを聞いていたら、うんと嬉しい気持ちになるの。何を言ってるのかは正直よくわからないのだけれど。
それである日、ふと思いついて、
「ね、私にもお名前つけて。南海の黒ひょう、みたいなやつ」
と言ってみました。主人はしばらく考えていたけれど、にっこり笑いました。
「決まったよ。ミニチュア太陽」
「……」
予想外だったのでびっくりしていたら、ぴったりだよと頷いて、
「勝手に楽しそうで、そこらじゅう走り回って、でも近くにいると暑苦しい」
とおかしそうに言いました。
版元から一言
エッセイ集『ルルオンザルーフ』の著者よしだるみさんは絵本作家として活躍中。主に色鉛筆やクレヨンを使った優しい画風が特徴です。中でも「どうぶつかぞく絵本シリーズ」(国土社)はヒット作品で、全国各地で原画展を開催しています。普段から動物園に通い、スケッチに余念のないよしだるさんの、クレヨンで描いた風景画や肖像画は、時に写真を超えて美しくリアルです。人、生き物、自然へ向けた眼差しそのままに綴った、素朴なエッセイをひと束にしました。
巻末には気鋭の映画監督・藤井道人さん(『新聞記者』『余命10年』)による解説「姉・よしだるみのこと」を収録。ユーモアもまじえた、姉と義兄への敬慕あふれる文章は、著者の幼少期や結婚したばかりの頃などが窺える内容となっています。
上記内容は本書刊行時のものです。