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ビッグ・ブラザーの世紀 奥畑 豊(著/文) - 小鳥遊書房
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ビッグ・ブラザーの世紀 (ビッグブラザーノセイキ) 英語圏における独裁者小説の系譜学 (エイゴケンニオケルドクサイシャショウセツノケイフガク)

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発行:小鳥遊書房
A5判
300ページ
価格 3,000円+税
ISBN
978-4-909812-66-7   COPY
ISBN 13
9784909812667   COPY
ISBN 10h
4-909812-66-0   COPY
ISBN 10
4909812660   COPY
出版者記号
909812   COPY
Cコード
C0098  
0:一般 0:単行本 98:外国文学、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年7月31日
書店発売日
登録日
2021年6月27日
最終更新日
2021年8月7日
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紹介

オーウェル、ケストラー、ナボコフ、ゴールディング、カーター、バラード、アップダイク 、ナイポール、ラシュディ、バーンズなど20世紀英語圏文学を丹念に辿り、確たる実態を持たない記号のようにあらゆる場所に偏在する「不在の中心」としての「ビッグ・ブラザー=独裁者」の表象を明らかにする。
「ビッグ・ブラザーがあなたを見ている
(Big Brother is watching you)」

目次

はじめに―フィクションとしての独裁者たち
第一章●独裁者小説の誕生と展開(序論)
    ―全体主義の時代とルイス、ケストラー、オーウェル、ナボコフ
1 ルイスの独裁者小説―アメリカのヒトラー
2 ここでは起こり得ない?―ナチズム/ファシズムとルイスの預言
3 英語圏における独裁者フィクションの系譜とは?
4 空洞化するイデオロギーと洗脳の問題
  ―ケストラー、オーウェル、スターリニズム
5 空虚な中心としての独裁者―ビッグ・ブラザーとナンバー・ワン
6 ナボコフ、独裁者、(非)日常―非政治的な政治小説
第二章●スターリニズムとナチズムの寓話―オーウェルからゴールディングへ
1 寓話としての独裁者フィクション
2 『動物農場』におけるナポレオン/スターリン―独裁、言語、文学
3 『蠅の王』におけるジャック/ヒトラー―「人間性の欠陥」とは何か?
4 ナチ化する英国少年たち―「それはここにおいても起こりうる」
5 その後のゴールディング―独裁者フィクションを越えて
6 歴史のブラック・ホール―『動物農場』と『蠅の王』
第三章●冷戦期SFにおける核、独裁者、男性/父権性
   ―ハートリー、ディック、ヴォネガット、カーター、バラード
1 カーターとバラード、そして冷戦期における独裁者小説
2 核時代と独裁者―ハートリー、ディック、バラード、カーター
3 『ホフマン博士』における二人の独裁者と軍拡競争
―ヴォネガット作品との比較から
4 経済的欲望と軍事的欲望
5 サンプルとネビュラス・タイム
6 カーターからバラードへ―『ハロー・アメリカ』の独裁者マンソン
7 アメリカの独裁者―核兵器と原子力
8 核/原子力を手に入れた独裁者
第四章●アフリカの独裁者たち
―アップダイク、ナイポール、ファラー、ナザレス、アチェベ
1 冷戦期アメリカとアフリカの独裁者―アップダイクとリビアのカダフィ政権
2 アフリカの独裁者たちとフィクションを通じた抵抗
3 ビッグ・ブラザーからビッグ・マンへ―ナイポールと第三世界の独裁者小説
4 「新しいアフリカ」?―ビッグ・マンとザイールのモブツ大統領
5 ソマリアのバーレ政権とファラーの三部作
6 ナザレスの風刺―アミン時代のウガンダ
7 アチェベとナイジェリアの問題
―独裁者表象のアフリカにおける((再)転換
第五章●アジア・イスラム圏における独裁、権力闘争、そして女性たち
―ラシュディのパキスタン
1 (架空の)パキスタン、独裁者、ラシュディの『恥』
2 政治的空間、公共圏、私的空間
3 ラザ・ハイダル政権―近代化かイスラム原理主義か?
4 悲劇の英雄ではない―「私的空間」から見たイスカンダル・ハラッパー独裁
5 暴走するスーフィアの破壊衝動と「恥」
第六章●独裁者の時代に(結論)
―ウィリアムズ、バーンズ、そして二十世紀の終わり
1 冷戦とアメリカの世紀―アップダイク、ウィリアムズからバーンズへ
2 新自由主義、グローバリズム、独裁者
3 一九八〇年代から九〇年代初頭―新冷戦からアメリカの「勝利」?
4 バーンズの企み―東欧社会主義国の民主化と「過去」との決別?
5 結びに代えて―二十世紀と独裁者フィクション
あとがき―ビッグ・ブラザーの「黒い犬」たち
主要参考文献
索引

著者プロフィール

奥畑 豊  (オクハタ ユタカ)  (著/文

1990年、兵庫県出身。慶應義塾大学文学部人文社会学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2019年9月、ロンドン大学バークベック・カレッジ大学院博士課程修了(PhD in English Literature)。中央大学、東京大学にて非常勤講師を務め、2020年4月より日本女子大学文学部英文学科専任講師。専門はイギリスを中心とする20世紀以降の現代文学(小説、戯曲)。単著に博士論文を基にしたAngela Carter's Critique of Her Contemporary World: Politics, History, and Mortality (Peter Lang, 2021)がある。また、第29回福原賞(福原記念英米文学研究助成基金・出版助成)を受賞し、日本語の第一単著『ハロルド・ピンター―不条理演劇と記憶の政治学』(彩流社)を2021年6月に刊行。主な論文に「ハリウッド、冷戦、家庭:Angela CarterのThe Passion of New Eveにおける女性像の構築」『英文学研究』95巻(2018年)、“Angela Carter and Modern Japanese Fiction: Her Re-Encounter with Western Literary Legacies”, Contemporary Women’s Writing (forthcoming)など。

上記内容は本書刊行時のものです。