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マイノリティだと思っていたらマジョリティだった件 松井彰彦(著/文 | 編集) - ヘウレーカ
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9784909753144

マイノリティだと思っていたらマジョリティだった件

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発行:ヘウレーカ
四六判
304ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-909753-14-4   COPY
ISBN 13
9784909753144   COPY
ISBN 10h
4-909753-14-1   COPY
ISBN 10
4909753141   COPY
出版者記号
909753   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年10月5日
発売予定日
登録日
2022年8月9日
最終更新日
2022年9月12日
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紹介

偏見や制度による規格・線引きがあるために、そこからはみだした人たちは「マイノリティ」「障害者」「変人」と呼ばれ、異者・弱者として扱われます。本書の執筆者たちは、その意味で「マイノリティ」や「障害者」「変人」などと思われがちですが、「フツウ」のあなたと、まったく別世界の人でしょうか?

この生きにくい社会のなかで、一生懸命、もがいて、生きにくさと戦って、生きているあなたは、この本に出てくる人たちとどこか似てはいないでしょうか?
「フツウ」からはみださないようにがんばっているあなたと、「フツウ」からはみだして、差別され「障害者」「変人」「要配慮者」などと名付けられる彼らを分けているのは、幻想の線に過ぎないのではないでしょうか?

何らかの社会的ハンディをかかえながらも、自分の生を自分なりの形で生き生きと生きていることを伝えるエッセイを、「かわいそうな人の感動する話」ではなく、あなた自身の生と重ねて読んでいただければと思います。

目次

はじめに 

Ⅰ フツウの世界からはじかれて暮らすことになりましたが、元気でやっています

地獄から社会を眺めて(小林エリコ)
僕はサイボーグ(松井彰彦)
素顔をさらす、さらせない、どちらも自分(西倉実季)
調整、説明、証明をめぐるコスト(吉野 靫)


Ⅱ フツウと違う家族も悪くない、フツウにこだわらなければ

「沈没家族」で育った土と今の僕(加納 土)
狂人の領地(ナガノハル)
家族を感じ、家族を思う(村山美和)
私たちの家族はどう見えますか? ――知的に障害があるといわれた私たちが育む家族 (田中恵美子)  
社会が敵だったときからのこと(塔島ひろみ)


Ⅲ 居場所がないので、つくってみました

テント村にて(小川てつオ)
自分の家を自分で考える(丹羽太一)
1万キロ離れた国での居場所(アベベ・サレシラシェ・アマレ)
居場所放浪記(石川浩司)
マジョリティだったり、マイノリティだったりする私――権力の誤配をただし続けていくために(前川直哉)

おわりに 
謝辞 

前書きなど

 ラッシュ時の駅では、同じ方向に、同じスピードで、無言で、決して止まらずにどこかへ向かうものすごくたくさんの人の流れができていて、もし目的の方向が同じなら、その流れに乗るのがもっとも速い。
 その流れを
 「ときどき立ち止まって止めてみたくなる。そう思うことない?」

 高校のとき、隣の席の山田がそんなことを聞いてきた。

 わたしは、心の中で反発した。
 無器用なわたしに、そんな余裕はない。流れに乗っても前の人の足を踏んじゃったり。ついていくのに精いっぱいだ。
 山田は、授業中は寝ていて不真面目なくせに抜群に頭がいいしスポーツもできる。
 だから「流れに乗れる」が前提の山田の話が鼻についた。
 できる人はいいな、わたしとは考え方のモトが違うや。と思った。

 人の流れって、なんなんだろう。
 もしわたしよりもっとドンくさくて流れに入れない人が流れを見たとき、どうだろうか。その人に、山田とわたしの区別がつくだろうか。
 実は立ち止まって流れに抗いたい山田に、ついていくのがやっとのわたし。
 本当は山田とわたしより、その人とわたしの方が近い存在かもしれない。
 山田とその前を歩くスーツの人より、意外にその人と山田の方が気が合うかもしれない。
 それでも、そんな区別おかまいなしに、流れは一大勢力となってその人を踏みにじる。弾き飛ばす。
 だからその人にとっては山田もわたしも、流れのなかにいる固まりの一部。「多数派」だ。
 「多数派」軍団は怒涛となって行進する。
 ときどき足を踏んだり踏まれたりしあいながらも、立ち止まらずに歩き続けてどこかへ向かう。
 この先に、わたしの居場所が、山田の居場所が、あるんだろうか。
 でももしそこが自分の目指した場所ではなかったとしたら?

 わたしたちはどうして、なんのためにその流れに乗ったんだろう。

              *

 本書に登場する人たちの多くは、一見この、人の流れの「外」にいる。
 ショーガイシャ。
 不適応者。
 家庭に問題ありの人。
 マイノリティ。
 うろんな目で見られ差別され、排除されたり子ども扱いされたりする。そんなカワイソウな人たちの話に、本書は見えるかもしれない。
 だけど彼らはあなたとどこか似てはいないか。
 この生きにくい社会で、精いっぱいがんばってなんとか日々をくぐり抜けているあなたと、似てはいないか。
 悩みがばれないようビクビクしながら仲間たちと遊ぶあなたと、居場所を求めてつい夜ごとふらふら飲み歩いちゃうあなたと、「やめとけ」と言われても大きな夢に向かって走り続ける頑固なあなたと、そんなフツウのあなたとどこか、似てはいないか。

 彼らを「異者」として切り捨てる線。その線は同時にあなたをフツウという安全地帯にかくまってくれる。ちょっと変わった癖も、大きすぎる背中のホクロも、隠してくれる。強烈な個性も、薄めてくれる。
 けれど、安全地帯を囲うその線は、逆にあなたを縛り、圧迫してはいないだろうか。
安定した、静穏な生活のための、上手に生きていくための方便の線が、あなたを追い込み、生きにくくしてはいないだろうか。
 その線はあなたにフツウを強いる。でもあなたはそも、果たしてフツウでなきゃダメなのか?
 フツウにこだわらなきゃ、そんな線無視しちゃえば、もしかして、全然、あなたはあなたらしい人生を送れるかもしれない。のではないか?!


 何らかのハンディを抱えながらも、自分の生を生き生きと、自分なりの形で生きていることを伝える14編のエッセイを、本書は収める。フツウとは少し違ったミニ自分史を、あなた自身の生と重ねて読んでいただければと思う。
 (ミートゥー!)とこっそり叫びながらでも。

著者プロフィール

松井彰彦  (マツイアキヒコ)  (著/文 | 編集

1962年生まれ。日本経済学会会長、東京大学経済学研究科副研究科長在任中に心サルコイドーシスにより入院、障害者手帳を取得。エコノメトリック・ソサエティ・フェロー(終身特別会員)。著書に『市場(スーク)の中の女の子』(2004年、PHP)、『高校生からのゲーム理論』(2010年、ちくまプリマー新書)など。

塔島ひろみ  (トウジマヒロミ)  (著/文 | 編集

1962年東京生まれ。『ユリイカ』1984年度新鋭詩人。1987年ミニコミ「車掌」創刊。編集長として現在も発行を続けている。同誌から生まれた著書に『楽しい〔つづり方〕教室』(1994年、出版研)、『鈴木の人』(1999年、洋泉社)など。1988年より東京大学経済学部・大学院経済学研究科にて非常勤で事務職を務める。

小林エリコ  (コバヤシエリコ)  (著/文

1977年茨城県生まれ。短大卒業後、エロ漫画雑誌の編集に携わるも自殺を図り退職、のちに精神障害者手帳を取得。デビュー作『この地獄を生きるのだ』(2017年、イースト・プレス)が話題を呼ぶ。『家族、捨ててもいいですか?』(2020年、大和書房)、『私がフェミニズムを知らなかった頃』(2021年、晶文社) など著書多数。

西倉実季  (ニシクラミキ)  (著/文

1976年生まれ。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。博士(社会科学)。現在、東京理科大学教養教育研究院准教授。主な著書・論文に、『「社会」を扱う新たなモード』(2022年、共著、生活書院)、「『ルッキズム』概念の検討」(『和歌山大学教育学部紀要(人文科学)』No.71、2021年)。

吉野靫  (ヨシノユギ)  (著/文

立命館大学生存学研究所客員協力研究員。クィア。大阪医大ジェンダークリニックで医療事故に遭い、裁判を経験。日本のトランスジェンダーに関する規範、制度、医療等をテーマに執筆。著書に『誰かの理想を生きられはしない――とり残された者のためのトランスジェンダー史』(2020年、青土社)。『新潮』、『GQ Japan』ほか寄稿多数。

加納土  (カノウツチ)  (著/文

1994年生まれ。1歳から8歳までを東京・東中野で行われていた共同保育「沈没家族」の元過ごす。武蔵大学社会学部の卒業制作として自分の生い立ちを振り返ったドキュメンタリーを制作する。2019年、卒業制作を再編集し『沈没家族 劇場版』として全国の劇場で公開。著書に『沈没家族――子育て、無限大。』(2020年、筑摩書房)。

ナガノハル  (ナガノハル)  (著/文

1979年神奈川県生まれ。双極性障害2型という障害をかかえながら、日々の苦労をまんがやエッセイにすることをライフワークとしている。著書に『不安さんとわたし』(2019年、山吹書店)『不安さんとはたらく』(2021年、山吹書店)、『一万年生きた子ども―統合失調症の母をもって』(2021年、現代書館)がある。

村山美和  (ムラヤマミワ)  (著/文

埼玉県出身、板橋区在住。自営業・障害者団体役員・自立生活センター勤務等の経験があります。現在肩書きはなく、ボランティア活動など、日々できることをしています。脳性まひの障害があり、27歳の時から自立生活を続けています。著書に『あんドーナツ』(1995年、発売:筒井書房、発行:七七舎)、詩集『誇りをだきしめて』(1997年、千書房)。

田中恵美子  (タナカエミコ)  (著/文

東京家政大学人文学部教育福祉学科教授。日本女子大学大学院満期修了。博士(社会福祉学)。東京医科歯科大学専任講師、東京家政大学講師、准教授を経て2021年度から現職。主な著書に『障害者の「自立生活」と生活の資源』(2009年、生活書院)、『出会いの障害学』(2021年、土屋パブリッシング)、『人工呼吸器をつけますか』(2004年、共著、メディカ出版)、『社会福祉への招待』(2016年、共著、放送大学教育振興会)、『往き還り繋ぐ』(2019年、共著、生活書院)他。

小川てつオ  (オガワテツオ)  (著/文

1970年東京都羽村市生まれ。野宿者。小さい頃は、多摩川の川原、コンクリート工場の廃材で遊んでいた。1996年から居候ライフ、2003年より都内公園のテント村で暮らす。主な著書に『このようなやり方で300年の人生を生きていく』(2005年、キョートット出版)、『反東京オリンピック宣言』(2016年、共著、航思社)。

丹羽太一  (ニワタイチ)  (著/文

早稲田大学建築学科修士課程修了後、同大石山修武研究室スタッフとして半年勤務、病のため車いす生活となり、1年間の入院を経て再び同職。設計、企画、編集などの業務に携わる。2010年より東京大学経済学研究科READ-REASE-REDDYスタッフ。丹羽菜生と、障害者・高齢者のための住宅も手がけている。主な著書に、『体験的ライフタイム・ホームズ論 車いすから考える住まいづくり』(2016年、編著、彰国社)。

アベベ・サレシラシェ・アマレ  (アベベ・サレシラシェ・アマレ)  (著/文

エチオピア生まれ。国立アディスアベバ大学理科学部化学科卒業。1996年来日、アジア学院でリーダーシップ研修プログラム終了。2010年NPO法人アデイアベバ・エチオピア協会を設立。在日エチオピア人支援、エチオピア支援と日本とエチオピア間の橋渡しとして文化・スポーツ交流、企業紹介等の活動を促進、現在理事として従事。

石川浩司  (イシカワコウジ)  (著/文

1961年東京都生まれ、ミュージシャン。元たま、現在ギター弾き語りソロの他、パスカルズ、ホルモン鉄道、Mont.Barbaraなどのバンドでガラクタパーカッションで活動中。主な著書に『懐かしの空き缶大図鑑』(2019年、東海教育研究所)『「たま」という船に乗っていた』(2004年、ぴあ)『すごろく旅行のすすめ』(1996年、筑摩書房)『おとなのなぞなぞ』(2003年、主婦と生活社)『イラスト図鑑 インスタントラーメン』(1995年、同文書院)など。

前川直哉  (マエカワナオヤ)  (著/文

福島大学教育推進機構准教授。1977年兵庫県生まれ。灘中・高校(神戸市)教諭などを経て、2014年より福島在住。専門はジェンダー/セクシュアリティの社会史。主著に『〈男性同性愛者〉の社会史――アイデンティティの受容/クローゼットへの解放』(2017年、作品社)、『男の絆――明治の学生からボーイズ・ラブまで』(2011年、筑摩書房)など。 

上記内容は本書刊行時のものです。