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デンマーク発 ジェンダー・ステレオタイプから自由になる子育て セシリエ・ノアゴー(著/文) - ヘウレーカ
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9784909753137

デンマーク発 ジェンダー・ステレオタイプから自由になる子育て 多様性と平等を育む10の提案

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発行:ヘウレーカ
四六判
208ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-909753-13-7   COPY
ISBN 13
9784909753137   COPY
ISBN 10h
4-909753-13-3   COPY
ISBN 10
4909753133   COPY
出版者記号
909753   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年8月1日
書店発売日
登録日
2022年5月17日
最終更新日
2022年8月9日
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紹介

「女の子だから、お手伝いして」「男の子なんだから、すぐに泣かないの」……。「男も女も関係ない」とふだんは思っていたりするのに、ついうっかり、こんな言葉を子どもに言ってしまった。あるいは、自分自身が子どもだったころ、そんなふうに言われて、モヤモヤした。そんな経験はありませんか?

本書は、子どもにかかわる大人が、自らのなかにあるジェンダー・ステレオタイプ、すなわち、性別にかんする固定観念や先入観に気づき、それを無意識に次世代に引き継いでしまわないために、子どもとどのように向き合っていけばよいかを10の提案にしてまとめたものです。

著者のセシリエさんは、デンマークで20年以上、ジェンダー平等の啓発に取り組み、研修や教材作りにたずさわってきました。デンマークといえば、民主的で幸福度の高い国として知られていますが、じつはジェンダーギャップ指数は29位。北欧5カ国のなかでは最下位です。120位の日本と比べれば、はるかに上位ですが、ジェンダー・ステレオタイプが根強く残っている社会なのだとセシリエさんはいいます。

たとえば、デンマークの学校には「男の子会議」「女の子会議」といって、子どもたちを性別でわけて話し合いの場をもつことがあります。性別でわける合理的な理由はみあたらないのに、不自然だと声をあげる人は少なく、定着しています。その原因についてセシリエさんは、ジェンダー・ステレオタイプが社会の文化に根付き、日常に溶け込んでしまっているからだと指摘します。そのほか、男の子のおこづかいのほうが女の子よりも多かったり、男の子のほうが速く走ることができる、と教師が決めつけてしまったり……。デンマークでもこんなことがあるのか、と思う事例がいろいろ。

なぜジェンダー・ステレオタイプの根強い社会を変えていかなければならないのか。それは、性別にまつわるステレオタイプは「こうあるべき」という規範となって、人々の行動や考え方をしばるからです。その枠からはずれてしまうと、自分はどこかおかしいのではないか、と感じたり、自尊心が傷ついたりして、その結果、その子がもっているはずの可能性を十分にのばすことができなかったり、夢をあきらめなければならなかったりすることもあるかもしれません。

そのような事態を招かないためには、大人自身がジェンダー・ステレオタイプから自由になって、子どもたちとかかわることが大切なのです。それはまた、性別や性的指向、性表現にかかわらず、すべての人々の存在を認め、等しく価値ある存在として受けいれていくジェンダー平等な社会の実現につながっていきます。

さあ、あなたもさっそく取り組んでみませんか? 子ども一人ひとりがおたがいの違いを認め合い、自分らしく生きられるように。

目次

はじめに

イントロダクション

提案1「男らしさ」「女らしさ」の呪縛を解く――男の子にだってなぐさめは必要

提案2 新しい言葉で、新たな現実を紡ぎ出す――大工さんは男性とはかぎらない

提案3 根拠のない思い込みに気をつけて――「女の子だから算数が苦手」は呪いの言葉

提案4 性のあり方を決めるのは子ども自身 ――プリンセスになりたい男の子はだめですか?

提案5 多様な社会を映し出す別の物語を語ってみる――ステレオタイプに一石を投じる方法

提案6 友だちづくりは男女の枠を超えて――性別で分けることに慣れすぎていませんか?

提案7 子どもの過ごす環境を創造的な視点で見直す――子ども部屋のカーテン、何色を選びますか?

提案8 おもちゃや遊びも、その子らしさを大切に――性別にとらわれず、平等な機会を

提案9 多様な人の姿、性のあり方を学ぶサポートを――構造的差別を解消するための第一歩

提案10 まずはあなた自身が変わることから――ステレオタイプから自由になるために

用語解説

訳者あとがき

前書きなど

はじめに

『デンマーク発 ジェンダー・ステレオタイプから自由になる子育て』へようこそ。これは、保護者の方や子どもにかかわる専門家など、子どもの生活に重要な役割を担うみなさんのための本です。私たち大人がジェンダー・ステレオタイプや凝り固まった性にかんする思い込みに出会ったとき、子どもの成長を支えながら、どんな心構えで、どのように子どもとかかわればよいかを考えるために書きました。世間の常識に馴染めないと感じている子どもたちを含め、一人ひとりの子どもが、ありのまま受けいれられるようになることが私の願いです。


 世界は気候危機の時代にあり、#MeToo、ブラック・ライブズ・マター(BLM)、そしてデンマークでは近年、性的同意にかんする法律が制定されるなど、激動の中にあります。私がジェンダー平等に取り組んできた20年間で、昨今はこれまでにないほど大きな変化にあふれているといえるでしょう。性別、人種、セクシュアリティにかかわらず、人々が社会の中で本当の意味で平等に扱われるための変化が起こっているのです。みなさんもご存知のように、近年ではこういったテーマはただ議論されるだけでなく、この文章を書いている現在も、さまざまな不平等が指摘され、抜本的な見直しが求められています。今、私たちは大きな価値観の変化、劇的な時代の変化を体験しているのかもしれません。これまでずっと続いてきた抑圧や特権といったものが可視化され、人々はより公正で多様性のある社会を望みはじめています。今後どうなっていくかはまだわかりませんが、未来を創造するのは私たち自身でもあります。

 ジェンダー[社会的・文化的につくられた性差のこと]にかんするステレオタイプ、つまり思い込みや偏見は、、不平等のもとになるものです。ですが、私たちは子どもの頃からすでにあらゆる場面でそういった思い込みや偏見を体験し、身につけているのも事実です。子どもが社会の文化に根づいた思い込みや偏見を学びとり、大人になってからそれに苦しめられるということも起こっています。このような悪循環は、どうすれば断ち切ることができるのでしょうか。子どもたちが自分らしくいるために、またまわりの世界をよりよく理解できるようになるには、どうすればよいのでしょうか。

 その糸口になるのが、「ありのままの私でいる」ということです。そこにこそ、幸せや自尊心、喜び、学び、生きる力があふれています。型にはめようと、その子らしさを切り捨ててしまうのではなく、子どもがただ自分らしくいられるように、得意なことを伸ばし、夢を描くことができれば、子どもは豊かに育っていけるでしょう。性別にかかわらず、ただ自分らしくありのままでいること、それこそが強く、美しく、勇敢で、頼もしいことなのだというメッセージを、子どもに伝えていただきたいと思っています。

 ところで、ここで私は、子どもを指す言葉として、デンマーク語の三人称に、“hen” を使いました。これは「彼(han)」や「彼女(hun)」のように性別を限定しない、ジェンダー・ニュートラルな単語です。デンマーク語ではふつう「彼」「彼女」というように、性別を明確にした三人称を使うことが一般的ですが、“hen”は、どちらの性別にも当てはまらない人にも使える単語です。つまり、私はここで男の子、女の子という区別をせず、すべての子どもを対象にしているのです。

 このジェンダー・ニュートラルな三人称は[デンマークではまだ正式に採用されていない]、2015年にスウェーデン語辞典に正式に採用されました。それ以来、デンマークでもこの単語の使用について活発に議論されてきました。おそらく、多くの人々がこの性別不詳の三人称を使うことで不愉快な思いをしたり、人間関係がややこしくなることに不安を覚えたからかもしれません。でも、この三人称は今ある語彙に新しく加えられるもので、だれにでも無理やりあてはめられるものではありません。むしろ「彼」や「彼女」という言葉がしっくりこない人たちが、この三人称を新たに使えるようになるのです。これ以外にも、“de”(英語のthey に当たる)や“den” (英語のitに当たる)なども、デンマーク語では、性別が明らかでない場合や性別が重要ではない場合、また明示したくない場合などに使われています。

 子どもには、男の子とは、女の子とはこういうものだという考え方に偏らずに、多様な選択肢を与え、子ども自身が自由に選べるようサポートしていくことが大切です。子どもが社会で生きていくうえで、親というのは大きな影響をおよぼすものです。特に、子どもが生まれもった性別にふさわしいとされる態度を身につけるプロセスにおいて、親の影響力は大きなものです。子どもは生後すぐから、大人のジェンダー観に影響を受けながら育ち、生涯をつうじて、家庭、保育園、学校、職場、メディアなど、あらゆる場面で影響を受け続けていきます。つまり、言いかえれば、子どもは大人が作り出した枠の中で育っていくといえるでしょう。(後略)

著者プロフィール

セシリエ・ノアゴー  (セシリエ ノアゴー)  (著/文

コペンハーゲン在住。1975年生まれ。教員を経て、デンマーク教育大学(現オーフス大学)教育社会学修士課程卒。教育社会学・ジェンダー社会学のパイオニア。Mangfold主宰。20年以上にわたり、教育、文化とジェンダー、多様性が交差する点を中心に、教材開発、調査研究、講演、執筆活動を行っている。ジェンダー教育にかんする北欧諸国共同研究、欧州ジェンダー平等研究所の調査研究他、自治体の教員、保育士研修や、セクシュアリティ、ジェンダー、家庭内暴力等のテーマで教材を多数執筆。共著に『北欧的視点からみた教育現場におけるジェンダー平等とは』(2006年、日本語未訳)、イプセン著『民衆の敵』を現代のフェミニズム、アイデンティティポリティクスを用いて再解釈した『今日におけるイプセン』(2018年、日本語未訳)など。本書は著者が保護者向けに初めて執筆した本。2021年からは小さな書店とカフェ付きのシェアオフィス Over Broen を立ち上げ、インクルーシブ・フェミニズムといったキーワードにつながる活動を行う人々とさまざまなイベントを主催している。

さわひろ あや  (サワヒロ アヤ)  (翻訳

大阪大学大学院人間科学研究科卒。2003年よりデンマーク・コペンハーゲン在住。王立図書館大学(現コペンハーゲン大学)で司書資格を取得後、公共・学校図書館勤務。デンマークで外国にルーツのある子ども、施設に暮らす子どもに絵本や児童書を届けるためのさまざまな活動に取り組む。現在は児童書専門店に勤めながらライターや翻訳業を行っている。

上記内容は本書刊行時のものです。