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母と子の未来へのまなざし 宮下 慧子(著/文 | 編集) - ヘウレーカ
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母と子の未来へのまなざし (ハハトコノミライヘノマナザシ) 母子生活支援施設 カサ・デ・サンタマリアの25年 (ボシセイカツシエンシセツ カサ・デサンタマリアノニジュウゴネン)

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発行:ヘウレーカ
四六判
312ページ
並製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-909753-12-0   COPY
ISBN 13
9784909753120   COPY
ISBN 10h
4-909753-12-5   COPY
ISBN 10
4909753125   COPY
出版者記号
909753   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年11月10日
書店発売日
登録日
2021年10月6日
最終更新日
2021年11月10日
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書評掲載情報

2022-03-06 神奈川新聞  朝刊
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紹介

第二次世界戦後は戦争などによって配偶者を失った母子家庭の屋根対策として機能してきた母子寮は、1997年に母子生活支援施設に名称を変更し、生活困窮やDVなどで支援の必要な女性とその子どもを受け入れ、自立にむけての支援を展開してきた。
現在、全国に224か所設置されているが、横浜市にあるカサ・デ・サンタマリアはそのなかでも先駆的な取り組みを行ってきた施設として知られる。だが社会情勢や人々の意識の変化から当施設に限らず利用者が減少し、母子生活支援施設の約半数は定員に満たない状況にある。
DVやシングルマザーの貧困など女性や子どもを取り巻く状況は決して改善していないのに、なぜ利用されなくなっているのか。どのような支援であれば困難を抱えている母子の真に役立つのか。そのような問いを広く共有するために、カサ・デ・サンタマリアの25年の実践を支援者が振り返るとともに、多文化ソーシャルワーク、ジェンダー、フェミニズム、社会政策といった観点からの論考も掲載。今後の母子福祉のあり方に一石を投じる。
世間的にはあまり知られていない母子生活支援施設とはどのような働きをもっているのかもよくわかる。

目次

はじめに 

第Ⅰ部  母子生活支援施設を拓く―― カサ・デ・サンタマリアの25年

1 母と子の尊厳を守るために  宮下慧子 

カサ・デ・サンタマリア設立の経緯/カサ・デ・サンタマリアが目指したもの/25年の支援を振り返る/懐かしいゆりかごであるために

第Ⅱ部  母と子に寄り添う人々――支援のリアル 

2 悩みながらも真摯に向き合う―― 母子支援という仕事   細木典子 

言語化の難しい仕事/誰も信じられなかったRさんとの日々/退所延期の希望をかなえられなかったIさんの無念/Mさん本人の思いにそった自立支援/今後の母子生活支援施設のあり方/母子生活支援施設の使命とは

3 子どもの支援で大切にしてきたこと        寺田有市 

支援者の役割とは/新しい家に子どもたちを迎え入れる/とにかくまず子どもの話をよく聴く/子どもたちは自分で選び、変えることができる/学習が先か、心の回復が先か/遠足に行きたい、けれど母が……/心の距離 /子どもを支えるということ

4 その人が答えをもっている――私を変えたある母との出会い  篠原惠一 

「早く人間になりたい」Aさんとの出会いと別れ/母子生活支援施設の限界を超えるために

第Ⅲ部  アフターケアと多文化ソーシャルワーク

5 退所後も伴走し緩やかに支援する――母と子が地域で安心して暮らせるために   方こすも 

25年の歩みから振り返る― アフターケアと自立支援/統計からみるサンタマリアの入所者像 /アフターケアという多文化ソーシャルワーク/求められるグローカルな視点

6 「ことば」を見つめて――外国にルーツを持つ母子の困難と希望  清水石道子 

外国にルーツを持つ母子の調査研究の概要 /女性や子どもたちが置かれている社会背景/外国にルーツを持つ母子支援の実際と課題/見えてきた課題/「ことば」の視点を取り入れた支援の再構築を/まとめに代えて― 多文化ソーシャルワークに求める希望

第Ⅳ部  母子生活支援施設のこれからを問う

7 母子生活支援施設と社会政策          武藤敦士  

母子世帯の「自立」支援/母子家庭等自立支援対策大綱/サテライト型母子生活支援施設/母子世帯支援の方向性/社会的養護と母子生活支援施設/「新しい社会的養育ビジョン」と母子生活支援施設/施設を区分することの是非とドイツの事例/「私たちのめざす
母子生活支援施設報告書」における支援の特徴/母子生活支援施設と暫定定員問題/職員に求められる福祉観/施設のセールスポイントは何か/母子生活支援施設を知ってもらう取り組みを

8 もうひとつの「母親規範」を求めて      横山登志子

モヤモヤの正体/ミヤコさんと子どもたち /施設入所後、裁判と並行した不安定な生活(2年2カ月) /子の入学と母の復職にむけて限界が極まった時期(8か月)/分離にむけての支援(1カ月)/母子分離のその後 /支援をふりかえって/母親規範をめぐって/「積極的母子分離」という選択肢/2つの母親規範/本質主義的母性主義に対する戦略的母性主義/戦略的母性主義から示唆されること/ひとつのアイデンティティを生きているわけではない/もうひとつの大問題―「不在の父」問題/最後に私の「母親規範」をめぐって

9 フェミニズムの杭を打ち込む――母子生活支援施設とフェミニストソーシャルワーク 須藤八千代 

「あいだ」は埋められたのか/フェミニズムと母子生活支援施設/研修会での事例/個人的なことは社会的なことである/母子生活支援施設とフェミニストソーシャルワーク/逸脱した母親/記録フォーマットが作り出す現実/ソーシャルワークと記録―記録の中の
家族 /ジェンダーを位置づけた家族/熱い心と冷静な頭

あとがき 

著者プロフィール

宮下 慧子  (ミヤシタ ケイコ)  (著/文 | 編集

社会福祉法人礼拝会 理事長。1966年カトリック礼拝会に入会し、女子学生寮や幼児教育に従事。1993年緊急一時保護施設ミカエラ寮勤務。1996年母子生活支援施設カサ・デ・サ
ンタマリアの開設時より2017年3月まで施設長を務めた後、2021年3月までミカエラ寮寮長。趣味は蓮の花を咲かせること、地域猫との会話。

須藤 八千代  (スドウ ヤチヨ)  (著/文 | 編集

愛知県立大学名誉教授。著書に『増補母子寮と母子生活支援施設のあいだ』(明石書店、2010年)、『婦人保護施設と売春・貧困・DV問題――女性支援の変遷と新たな展開』(編
著、明石書店、2017年)、『ジェンダーからソーシャルワークを問う』(編著、ヘウレーカ、2020 年)など他多数。

上記内容は本書刊行時のものです。