版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊 ラノベ
いかにして抹殺の〈思想〉は引き寄せられたか 高岡 健(著) - ヘウレーカ
.

いかにして抹殺の〈思想〉は引き寄せられたか 相模原殺傷事件と戦争・優生思想・精神医学

発行:ヘウレーカ
四六判
216ページ
上製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-909753-02-1
Cコード
C1036
教養 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年4月25日
書店発売日
登録日
2019年2月13日
最終更新日
2019年5月10日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

妄信、世迷言……。相模原殺傷事件の被告、植松聖の主張をそう切り捨ててしまうのは思考停止である―――。

精神科医として不登校、ひきこもり、発達障害、人格障害などについて、社会の構造の変化を視野にいれながら分析し、精力的に発言してきた著者が、「大麻解禁」、「世界平和」、「障害者排除」に集約される植松の〈思想〉に正面から向き合い、批判を展開。

なぜ植松はその〈思想〉を引き寄せたのかを、第一次世界大戦から第二次世界大戦期の社会思想、優生思想、精神医学の歴史をたどりながら解明。事件の悲劇の本質に迫る。

目次

目次

第一部 相模原殺傷事件の〈思想〉

序 章 相模原事件が問いかけるもの

事件の流れと〈思想〉/三つの論点/措置入院から退院までの経緯/措置入院制度強化をめざす法改正の動き/長期収容施設か地域移行か /植松の示す人間の定義と「秩序」/植松は戦争に反対している/大麻支持、反タバコ、反精神薬 

第一章 〈思想〉の見取り図――大麻・戦争・障害者殺害 

植松の〈思想〉とヒトラーの思想 /大麻解禁の意図/スピリチュアルとエコロジー/ファシズムと戦争/トランプは〈リベラル〉の政治的交代者/反ユダヤ主義と障害者殺しは別物/家族に対する「恩恵」としての安楽死/「安倍晋三様のお耳に」とは何か 

第二章 いかにして植松聖は〈思想〉を引き寄せたか 

植松聖の個人精神病理/行動とイデオロギーを引き寄せるモメント/軍隊と徴兵制を引き寄せるモメント/美としての軍隊/国民精神形成の戦争と現実の戦争との乖離/植松が引き寄せたイデオロギー/植松聖にとっての人種問題 

第二部 優生思想と戦争

第三章 優生思想の精神医学

植松の〈思想〉は優生思想か?/イギリスとアメリカの優生思想/北欧の優生思想 /英米の優生思想とドイツの優生思想の共通点/優生思想の日本への輸入/中絶禁止法として機能した国民優生法/優生保護法への道/優生保護法の成立と改正/一九七〇年代の優生保護法改正反対闘争/岐阜大学胎児解剖実験/優生保護法に対する日本精神神経学会の意見/母体保護法へ/新型出生前診断に対する危惧 

第四章 戦争の精神医学

第一次世界大戦とフロイト/戦争を遠ざける視点を堅持していたフロイト/第二次世界大戦とドイツ精神医学/ナチスの優生思想と反タバコキャンペーン/ベトナム戦争とアメリカ精神医学 /精神医学は戦争から手を引くべきときに来ている 

第五章 国家意思・戦争・精神医学――主に日本の場合

第二次世界大戦で日本の軍事精神医学が果たした役割/国家意思を体現した精神科医/若き神谷美恵子/現在の日本の民衆は戦争を求める必然性を持っていない/日本の殺人心理学/自衛隊と自殺/反-軍事精神医学 

第三部 イデオロギーと精神医学

第六章 相模原殺傷事件の倫理学――社会・イデオロギー・精神病理学 
平常と異常の境界は明確か/連合赤軍事件/ナチスによるT4作戦・人体実験・ユダヤ人絶滅収容所/ノルウェー連続テロ事件/事例の補足――シュレーバー/ナチズムが定着するまでの機序/イデオロギーと結合しても行動化しない場合/まとめと補足――トランプ米大統領をめぐる言説 

終章 戦争と福祉国家の逆説――相模原殺傷事件の影 
暴かれたアスペルガーとナチスとの関係/情性欠乏というレッテル/役に立つ子どもと立たない子どもはいかに分類されたか/戦争と福祉国家の逆説/再び相模原殺傷事件の〈思想〉について/優生思想と戦争/イデオロギーと行動と精神医学 

著者プロフィール

高岡 健  (タカオカ ケン)  (

1953年生まれ。精神科医。岐阜大学医学部卒。岐阜赤十字病院精神科部長、岐阜大学医学部精神病理学分野准教授などを経て、現在、岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター。自閉症スペクトラムの臨床研究、少年事件の精神鑑定、不登校・引きこもりの臨床社会的研究などに取り組む。日本児童青年精神医学会理事。雑誌「精神医療」(編集=「精神医療」編集委員会、発行批評社)編集委員。主な著書に『発達障害は少年事件を引き起こさない』『精神鑑定とは何か』(ともに明石書店)、『やさしい発達障害論』(批評社)、『自閉症論の原点』(雲母書房)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。