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マハーバーラタ、聖性と戦闘と豊穣 沖田 瑞穂(著) - みずき書林
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マハーバーラタ、聖性と戦闘と豊穣 (マハーバーラタ セイセイトセントウトホウジョウ)

哲学・宗教
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発行:みずき書林
A5判
368ページ
上製
価格 3,500円+税
ISBN
978-4-909710-11-6   COPY
ISBN 13
9784909710116   COPY
ISBN 10h
4-909710-11-6   COPY
ISBN 10
4909710116   COPY
出版者記号
909710   COPY
Cコード
C0098  
0:一般 0:単行本 98:外国文学、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年4月30日
書店発売日
登録日
2020年3月18日
最終更新日
2020年5月3日
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書評掲載情報

2020-09-12 図書新聞
評者: 西村直子
2020-08-14 週刊読書人
評者: 江川純一
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紹介

深遠かつ美しい構造をもつ神話の世界。
アルジュナ、ドゥルヨーダナ、クリシュナ……人間的な魅力を放つ英雄たち。
ウシャナスの不死の術、聖なる飲料ソーマ、最強の武器ブラフマシラスなど、不可思議な秘術・宝物。
そしてヨーロッパ、北欧、日本の神話との謎めいた符合。
巨大な叙事詩に挑む著者の初心であり根幹である13篇の論考に、主筋のあらすじ+180項目の小事典を加える。

目次

はじめに

第Ⅰ部 あらすじ

第Ⅱ部 論考
『マハーバーラタ』の構造
第1章 『マハーバーラタ』のふたつの構造
第2章 ヴァルナからヴィシュヌへ
第3章 神々の不死の起源――アムリタとソーマと蘇生の術
第4章 呪術師ウシャナス
第5章 ビーマはなぜ料理人に変装したのか
第6章 英雄たちの二重のイニシエーション

『マハーバーラタ』と世界の神話の比較
第7章 悪魔と富の比較神話
第8章 乳海攪拌神話とラグナロク――終末の神話
第9章 ゴーヴァンの比較神話

『マハーバーラタ』と日本の神話の比較
第10章 花咲か爺の起源
第11章 マータリの地底界めぐり
第12章 ヒルコとアルナ
第13章 シヴァとスサノヲ――その奇妙な類似

第Ⅲ部 小事典

おわりに

前書きなど

はじめに

 『マハーバーラタ』はインド二大叙事詩に数えられる、世界最大級とも言われる長大な物語である。その概略については後述の「あらすじ」に譲るが、主題は従兄弟間の戦争物語だ。その中に様々な神話や教説が挿入され、複雑な構成となっている。この「神話の宝庫」とも言える巨大な書物が、本書の主な研究対象である。
本書の構成は以下の三部からなる。

1.主筋のあらすじ
2.論考
3.小事典

 「あらすじ」と「小事典」があることによって、入門書としてもふさわしいものとなっている。
これら三部のうち、中心となるのは2の論考部分である。これは筆者が博士論文(『マハーバーラタの神話学』弘文堂、二〇〇八年)以降に書いてきた論文を、加筆修正してテーマごとに並べ替えたものである。このパートは三部構成となっている。

2-1 『マハーバーラタ』の構造
2-2 『マハーバーラタ』と世界の神話の比較
2-3 『マハーバーラタ』と日本の神話の比較

 ここで、筆者の学問的立場を明確にしたい。筆者は東海大学文学部文明学科南アジア課程でサンスクリット語をはじめインドの文化を学んだ。卒業論文はインドの葬送儀礼について記された『ガルダ・プラーナ』を訳し、その思想的背景を探るというものだった。
 大学院に進学したいという希望は大学入学時点から持っていて、進学先を考えた時に、初心に戻って「神話の勉強がしたい」と考え、日本でも世界でも神話学といえば吉田敦彦先生だ、と思い学習院大学大学院を受験した。〈初心〉というのは、筆者は中学生の時に吉田先生の著書を読み、「こういう本を書く人になりたい」と思ったからだった。
吉田先生にいただいた研究テーマは、ずばり『マハーバーラタ』。この巨大な神話の宝庫をテーマとして示してくださったことは、わたしの人生の道筋を開いてくださったことと、常に感謝申し上げている。
最初に取り組んだのは『マハーバーラタ』の最大の難問、ドラウパディー姫とパーンダヴァ五兄弟の一妻多夫婚問題であった。これは博士論文のテーマとなり、『マハーバーラタの神話学』に結実された。本書においてはそのエッセンスを2-1-1で取り上げている。そのほか、2-1においては『マハーバーラタ』をはじめとするインド神話の構造について俯瞰的に論じた。
インド神話はインド=ヨーロッパ語族の仲間として、ギリシアやゲルマン、ケルトなど他のインド=ヨーロッパ語族の神話と似ているところが多くみつかる。吉田先生の師であるデュメジルの学説を学びつつ、インドから世界へと、神話の比較の範囲を広げていった。2-2である。
また、意外にもインド神話は仏教とは関係のないところでも、日本の神話と似ている。そのことについては2-3で取り上げた。
筆者の立場は常に「神話学」にある。インド文献学でも、宗教学でもない。では神話学とは何か?と疑問に思われるかもしれない。それを明確に定義することは、この段階では避けようと思う。ただその答えの一端は、各論文中に示したつもりである。読者のひとりひとりが、これらの論文をお読みいただき、神話学とは何か、考えるきっかけとなれば幸いである。
本書は、筆者の最初の本から一〇年間の仕事をまとめたものである。これまで多くの本、研究書やエッセイ、翻訳、事典、入門などを出してきたが、本書はいわば〈初心〉〈初志〉の本であり、その初心こそが筆者の「神話学」なのである。

版元から一言

〈本書の特色〉
1.わかりやすいあらすじと一八〇項目の小事典を収録、入門篇としても最適!

2.『世界の神話』が1万部を突破、いま最も売れている神話学者、沖田瑞穂さんの研究成果13篇を凝縮!

3.FGO、パズドラ、バーフバリなど、ゲーム、映画のファンも必携!

著者プロフィール

沖田 瑞穂  (オキタ ミズホ)  (

沖田瑞穂(おきた・みずほ)
1977年生まれ。神話学者。神話学研究所を主宰。学習院大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程修了。博士(日本語日本文学)。専門はインド神話、比較神話。
『世界の神話』(岩波書店、2019年)、『マハーバーラタ入門』(勉誠出版、2019年)、『インド神話物語 マハーバーラタ』(監訳、原書房、2019年)、『怖い女』(原書房、2018年)、『世界女神大事典』(共編著、原書房、2015年)『マハーバーラタの神話学』(弘文堂、2008年)など多くの著書がある。

上記内容は本書刊行時のものです。