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これからの古典の伝え方
西鶴『男色大鑑』から考える
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年3月31日
- 書店発売日
- 2021年4月10日
- 登録日
- 2021年2月24日
- 最終更新日
- 2021年4月10日
紹介
古典を次の時代へと読み継いでいくためにはどうすればいいのか。古典文学研究・古典文学教育の危機にどのように立ち向かうべきかという、一人一人に突きつけられた問いに対してどう答えるのか。
新たな読者に向けて開いていくための、これからの古典の伝え方を、『男色大鑑』や江戸の文学作品を題材に、創作への欲望をかき立てるという視点から考えていく本。
『男色大鑑』のコミカライズからはじまった、あらたな現代語訳の登場、演劇化といったアダプテーションの展開は、作品研究にどのような実りをもたらすことになり、古典の伝え方のポイントとして何が浮上したのか。多方面から考え尽くす。
また、江戸の文学作品を題材に、現代の文化状況に引きつけつつ創作者の視点を探ることを試みたり、比較文学研究の手法を応用し古典文学へ誘う方法の実践例も収載するなど、古典文学の新たな開き方・伝え方を考えます。
これからどう古典を伝えていくか、ヒント満載の本です!
装画:紗久楽さわ。
目次
はじめに
第1部 古典を現代に伝えるには―『男色大鑑』の場合―
第1章 BLコミカライズ・現代語訳・演劇化
【古典の再発見】
第1節 それはBLから始まった
【基礎知識】
第2節 『男色大鑑』の世界
【現代語訳の実践】
第3節 『全訳 男色大鑑』の方法
第2章 古典を読む方法―実践編―
【アダプテーションから読む】
第1節 〈萌え〉を共振・増幅させていく〈創作〉
【挿絵を読む】
第2節 挿絵の噓と〈演出〉
【〈演出〉から読む】
第3節 男色の道をあえて選ぶ男たち
【演劇化の効能】
第4節 雪月花の舞台が伝えたもの
第2部 現代の感性で古典を切り取る
第1章 創作のヒントとしての古典
【恐怖の空白】
第1節 江戸の〈行きて帰りし物語〉―『西鶴諸国はなし』の場合―
【偏愛の暴走】
第2節 江戸の〈二次創作〉―『風流源氏物語』の場合―
【ネタ被りはリトマス試験紙】
第3節 江戸の〈コピペ〉―『花実御伽硯』の場合―
第2章 〈萌える〉古典
【設定とキャラクター】
第1節 BLコミックス『囀る鳥は羽ばたかない』と『男色大鑑』の共通点
【比較文学の発想】
第2節 メディアも時空も飛び越えて
おわりに─〈コピペ〉とプライオリティ―
補足資料
文献一覧
上記内容は本書刊行時のものです。