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日本の歴史を問いかける 地方史研究協議会(編) - 文学通信
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日本の歴史を問いかける (ニホンノレキシヲトイカケル) 山形県〈庄内〉からの挑戦 (ヤマガタケンショウナイカラノチョウセン)

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発行:文学通信
新書判
272ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-909658-52-4   COPY
ISBN 13
9784909658524   COPY
ISBN 10h
4-909658-52-1   COPY
ISBN 10
4909658521   COPY
出版者記号
909658   COPY
Cコード
C0221  
0:一般 2:新書 21:日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年3月19日
書店発売日
登録日
2021年2月26日
最終更新日
2021年4月19日
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紹介

現代社会のその先を作るために。日本の歩みを記憶として地域から残し伝え考えるための本。日本史ファン、研究者必携のシリーズ3冊目。
本書では山形県の庄内地域を取り上げる。地域にゆかりある史料を読み解き、政治・文化・経済・人物など、さまざまなトピックから地域の歴史に迫ることで、日本の歴史全体への逆照射を試みた、まさに山形県庄内からの挑戦。地域史の面白さを存分に味わえます。
執筆は、今野 章、長南伸治、田中大輔、升川繁敏、藤田洋治、河口昭俊、友田昌宏、三原容子、本間勝喜、小野寺雅昭、秋保 良、早川和見、阿部博行、小野寺裕、長沼秀明、安部伸哉、渡辺理絵、菅原義勝の18名。

【先人が残した史料を読み解き、地域の記憶として伝え残していくことは郷土の歴史に携わる人々の責務かと思われます。さらに、その歴史一つ一つを丹念に調べ、積み重ねた研究成果が結果的に日本の歴史全体への問いかけに繋がっていくのではないでしょうか。本書を通して、多くの方々が庄内の歴史に関心を寄せていただき、地方史研究の可能性を探る一助となることを切に願っております。】
...本書「山形県〈庄内〉から日本の歴史を問いかける」より

【本書のキーワード】
西郷隆盛像、庄内の西郷崇敬、鹿児島市の反対、居合術、修行者の信仰、徂徠学、史跡の裏側、士族と農民、民衆運動、歌人のネットワーク、三代集の注釈書、明治天皇への献納、地方とキリスト教、宣教師による記録、藩の厳しい弾圧、戊辰戦争、奥羽列藩同盟、松森胤保、観光地の裏側、米穀倉庫、倉庫間の争い、代家経営、中流農家、水利問題、中間管理職、身分上昇、顕彰、疫病神、疱瘡(天然痘)、予防接種(種痘)、食文化、寄合、日記と家計簿、戦国武将、謀反、九死に一生、朝敵藩への処罰、叛逆首謀人の特定、顕彰運動、幕末の能吏、清河八郎との出逢い、攘夷運動、日本憲法史、一揆から言論へ、建白書提出、市場経済、山内政孝、米相場、山の活用法、近世の検地帳、伝統農法の継承、地名の成立背景、地域内結合、政治的変遷

目次

山形県〈庄内〉から日本の歴史を問いかける(地方史研究協議会 委員 今野章)
庄内を読み解くキーワード/現在より全国と繫がっていた交通網/文化の受け皿としての庄内/本書の構成

地図:幕末の庄内(飽海郡・田川郡)


第1部 埋もれた歴史を掘り起こす

西郷像の裏側にあった知られざる歴史
1 西郷隆盛の木像を鶴岡に─幻に終わった鹿児島からの木像誘致計画─(長南伸治)
1、西郷隆盛の銅像と木像/2、「南洲翁木像迎遷会」発足まで/3、西郷木像誘致実現に向けて─鶴岡市への木像輸送方法と移転賛成世論の喚起/4、木像誘致活動の終焉

失われた居合術・剣術を求めて
2 武芸者の祈り─庄内藩の田宮流居合 ─ (田中大輔)
1、田宮流居合の概要/2、林崎居合神社と庄内藩/3、居合の技術と思想/4、田宮流と領主権力/5、剣術家の葛藤

歴史を追うと別の実態が明らかになる
3 士族による開墾の美談に隠れた農民徴発(升川繁敏)
1、「武士が刀を鍬に替えて」/2、松ヶ岡開墾のいきさつ/3、士族の日記に見る農民の関わり/4、ワッパ騒動史料に見る農民の関わり/5、徴発は「寸志」

庄内に和歌の注釈をおこなった人物がいた
4 忘れ去られた歌人─服部正樹と近世後期庄内歌壇の偉業─(藤田洋治)
1、明治天皇東北巡幸にて/2、近世後期庄内歌壇/3、服部正樹の注釈作業/4、鄙ということ


第2部 知られざる庄内の姿

禁教下の潜伏キリシタンの歴史
5 布教・信仰・禁圧の実態─庄内のキリシタン─(河口昭俊)
1、通史(高校日本史)におけるキリシタン/2、庄内地方への布教/3、庄内藩の弾圧
4、庄内藩の禁教政策/5、おわりに

同盟の性格を関係性から探る
6 諸藩の思惑が交錯する奥羽戊辰戦争─庄内藩と米沢藩の場合─(友田昌宏)
1、はじめに/2、二つの同盟構想/3、米沢藩の越後出兵をめぐって/4、庄内藩の降伏をめぐって

ガイドブックや展示説明に書かれない歴史
7 ある倉庫をめぐる攻防の歴史─観光スポットの知られざる一面─(三原容子)
1、観光スポット山居倉庫/2、庄内米の声価を高めた山居倉庫/3、山居倉庫と農業倉庫の闘い/4、山居倉庫から庄内倉庫へ


第3部 地域の歴史における庄内の特徴

地主・豪農ばかりではなかった田地経営
8 江戸前期の農家のかたち─庄内に広くあった代家経営─(本間勝喜)
1、はじめに/2、武士・町人の代家経営/3、農民が営んだ代家/4、隣村に(庄内町)代家を営む理由/5、むすびに代えて

守られ続けてきた資料から空白を埋める
9 代官の新しい実像─庄内農政史に一石を投ずる─(小野寺雅昭)
1、庄内藩代官の職務と代官所/2、納方手代と代官所

神送りから予防へ
10 江戸時代の庄内の伝染病とその対策(秋保良)
1、伝染病流行の実態/2、神仏への祈願と疫神送り/3、予防と治療/4、疱瘡の予防接種「種痘」の導入

食文化の源流の探し方
11 庄内藩士たちの宴会─江戸時代の献立から見る食の系譜─(今野章)
1、はじめに/2、藩士たちの交流「寄合」/3、日記と家計簿から見る宴会の献立と値段/4、藩士たちの外飲み


第4部 語り継ぎたい人物史

史料の少ない人物に迫る
12 幻の戦国武将、鮭延秀綱─庄内という第二の故郷─(早川和見)
1、はじめに/2、「鮭延越前守口述録」について/3、「口述録」の信頼性と秀綱の年齢/4、鮭延秀綱と庄内

藩の責任を背負わされた人物が顕彰されるまで
13 庄内藩叛逆首謀人、中老石原倉右衛門成知(阿部博行)
1、奥羽越列藩同盟諸藩の戦後処分/2、諸藩の叛逆首謀人とその後/3、石原倉右衛門への首謀人指定/4、石原倉右衛門の顕彰運動/5、石原倉右衛門墓所への「案内板」設置

攘夷運動のなかのある若者
14 幕末に散った若きいのち─笠井伊蔵について─(小野寺裕)
1、はじめに/2、笠井伊蔵の人物像/3、清川村役場文書史料の紹介/4、さいごに

立憲国家樹立に向けて邁進した人物
15 森藤右衛門、東京へ行く─日本憲法史としてのワッパ騒動─(長沼秀明)
1、森藤右衛門が結んだ地方史と国の歴史/2、日本憲法史の見方/3、穂積八束と吉野作造/4、ワッパ騒動に見る「二つの勢力の交錯」/5、東京の森藤右衛門


第5部 庄内史研究のための問題提起

なぜ証券が利用されたのか
16 証券で達成した蔵米取引の効率化─「米札」という証券─(安部伸哉)
1、はじめに/2、米札と歩座/3、米札についての一次史料/4、庄内藩の財政と米札発行の規模/5、庄内藩士の家計簿/6、おわりに

現在も続く焼畑の歴史
17 庄内における焼畑の記録と記憶をつなぐ─検地帳からみる焼畑の形態─(渡辺理絵)
1、今に伝わる焼畑の技/2、検地帳にあらわれた焼畑/3、焼畑を営む人々と焼畑の場所/4、おわりに

江戸時代から議論があった
18 地名誕生の謎を解き明かす─庄内が「庄内」となった真実─(菅原義勝)
1、はじめに─地名の成り立ちを考える/2、古代・中世以来の地域の枠組み/3、大宝寺氏権力の形成と地域認識の変化/4、江戸時代から議論されてきた「なぜ庄内?」/5、庄内の争乱と地域結合、広域呼称の生成/6、自称「庄中」・他称「庄内」から自称「庄内」へ/7、結びにかえて─「庄内」か「荘内」か


施設紹介(酒田市立光丘文庫/致道博物館/鶴岡市郷土資料館)

庄内の歴史 略年表

あとがき(大嶌聖子)
執筆者紹介
シリーズ刊行にあたって(地方史研究協議会 会長 廣瀨良弘)
山形県〈庄内〉を知る資料(荘内二郡名所一覧全図/幕末の庄内(飽海郡・田川郡)/日本最古の魚拓/庄内平野から月山を臨む/斎藤秀一/近世史略薩州屋敷焼撃之図/鶴岡市三瀬地区の八森山から鳥海山を臨む/正保庄内絵図)

前書きなど

シリーズ刊行にあたって

地方史研究協議会 会長 廣瀨良弘

 地方史研究協議会は、二〇二〇年に創立七〇周年を迎える。これを期して書籍刊行の企画が検討された。全国各地で保存されてきた地域の資・史料を学術的にアピールするための企画である。
 日本全国の文化財は、国の指定文化財として国宝・重要文化財があり、都道府県の指定文化財もあり、さらに市区町村の指定文化財もある。このうち都道府県や市区町村の指定文化財は、各自治体が地域にとって重要であると考える資・史料を指定文化財として保存・公開している。しかしながら、自治体が指定した文化財をその自治体以外の人々が知る機会はそう多くはない。全国の博物館やその他の保存機関などには、限られた研究者のみしか利用されてこなかった資・史料も存在している。
 これまで全国の文化財行政に携わる人々や研究を志す人々などによって、資・史料の調査や保存活動が地道に行われ続けてきた。そうした人々の努力により、今後も将来にわたり、歴史的に価値のある資・史料が保存・公開され続けていく。一方で近年、地震や台風、火災などで地域の資・史料が被災し、損失している。地域の資・史料の地道な保存活動は、多くの人々の理解があってこそ成立する。そのためには、地域の資・史料のもつ情報の凄さを広く知ってもらいたいと考える。
 本企画は、知名度はかならずしも高くないものの、地域を考えるうえで重要な資・史料に焦点をあてて、学術的なその面白さを広めるシリーズ企画である。題して『地方史はおもしろい』である。資・史料が地域の歴史のなかでどのような意味を持っているのか。また、資・史料からどのような人々の営みやさまざまな情報を読み取ることができるのか。地域で保存され、伝えられてきた資・史料をもとに地域の歴史にスポットをあてていく。
 多くの方々が本シリーズの各書をお手に取り、地域の歴史のおもしろさを身近に感じていただきたい。

著者プロフィール

地方史研究協議会  (チホウシケンキュウキョウギカイ)  (

地方史研究協議会は、各地の地方史研究者および研究団体相互間の連絡を密にし、日本史研究の基礎である地方史研究を推進することを目的とした学会です。1950年に発足し、現在会員数は1,400名余、会長・監事・評議員・委員・常任委員をもって委員会を構成し、会を運営しています。発足当初から、毎年一回、全国各地の研究会・研究者と密接な連絡のもとに大会を開催、また、1951年3月、会誌『地方史研究』第1号を発行し、現在も着実に刊行を続けています(年6冊、隔月刊)。

上記内容は本書刊行時のものです。