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虚学のすすめ 白石 良夫(著) - 文学通信
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虚学のすすめ (キョガクノススメ) 基礎学の言い分 (キソガクノイイブン)

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発行:文学通信
四六判
208ページ
並製
価格 1,900円+税
ISBN
978-4-909658-49-4   COPY
ISBN 13
9784909658494   COPY
ISBN 10h
4-909658-49-1   COPY
ISBN 10
4909658491   COPY
出版者記号
909658   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年2月9日
書店発売日
登録日
2021年1月12日
最終更新日
2021年2月15日
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紹介

学問は即効薬ではない。即効薬ではないが、それなくして即効薬はつくれない。
学問が役に立つとはどういうことか。学者のあり方とは。研究のおもしろさとは何か。元国語科教科書調査官の著者がつづったエッセイ集。「第1部 むなしい学問なのか」「第2部 文学青年から文学研究者へ」「第3部 国文学ひとりごと」でつたえる、学問のススメ。

【学問には、その成果が見えるようになるまでに長い時間を要する分野がある。そのような長い時間がたつと、成果が見えるようになっても、社会と学問との接点はどうしても見えづらい。当の研究者でさえ、往々にしてその接点を捜しあぐねている。しかし、繰り返して言うが、学問は即効薬ではない。即効薬ではないが、それなくして即効薬はつくれない。
成果結果のあらわれるまでに長い時間を要し、社会との接点が理解されにくい学問、それが「虚学」であり、文学部はその「虚学」の巣窟である。】…本書「虚学の論理」より

目次

まえがき

第1部 むなしい学問なのか

虚学の論理

文学部の光景/滅びるか、インド哲学/不変の社会的評価/約束されない「虚学」の未来/学問は即効薬ではない/本当に虚しい学問か/蓄積こそが学問である/開かれた大学とは何か/それから二十年以上を経て

ノーベル賞と旧石器

だれも気づかない共通点/文系・理系を問わない問題/専門家の悲痛な声/学者でない人間に学者の良心を責めてどうするんだ/石器捏造と基礎学軽視、どっちの罪が重い?/雨後の筍が日本を救うか/それから二十年

「勇気をもて。学者の良心を忘れたのか」

霧の撤収作戦/「学者の言うことを信じよう」/武人の激励/「学者の良心を忘れたのか」

共和国は学者を必要としていない

レーニンを永久保存した男/ロシア革命の場合/フランス革命の場合/文化大革命の場合/そして、日本の大学改革の場合

人文学のプリンシプルを忘れるな

研究者は強迫観念を持て/論文集出版の意味/新書本では業績にならないか/グロータース神父の挑発/人文学の戦略/人文学には人文学のフォーマットがあるはず

大学図書館は本を貸し出すな

図書館は貸本屋ではない/貸出件数という亡霊/手をのばせばそこに本がある/地方国立大学の附属図書館をめぐる惨状/先人の遺産が泣いている/いまこそハコモノ行政の出番/知のリージョナルセンターが聞いてあきれる/学生サービスを放棄した大学

第2部 文学青年から文学研究者へ

文学部への道

大学は解体されなかった/国立二期校の風景/文学・歴史のほうに進め/見えなかった文学部という選択肢/遅すぎる反抗期

文芸部部室と無邪気な夢

バスから見た六本松キャンパス/文芸部入部/ファントム墜落と政治の季節/小説の季節のなかで/季節の移ろい/作家への憧れ/停止した時間/「春が来て夏が来て秋が来て」/慌ただしい六本松との別れ/「カインとアベルの息子たち」/だれもいない文芸部部室/彷徨のなかで/文学青年との訣別/跋

中野三敏先生と和本修業

和本との邂逅/靴下の片一方を捜して/おさらば文学青年

今井源衛先生と『学海日録』刊行始末

学海遺著・旧蔵書の行方/妾宅日記の発見/本宅日記とその研究会/文学史登場以前の依田学海/附 新潮文庫収録にあたって

非の打ち所のない先行研究の功罪

厳密な分類の索引は必要か/学際の境界は厳密であるべし/蔵書目録は大雑把であれ/「帝国図書館蔵書目録」の使い勝手/『新編帝国図書館和古書目録』余談/大雑把な先行研究に導かれて/「先行研究」にまつわる誤解

第3部 国文学ひとりごと

作者は本当のことを書かない

国語教科書の注釈/当たり前の事実に注釈は必要か/作者は噓をつかないという幻想/韃靼海峡を渡ったてふてふ

二人のタケウチ氏をめぐる因縁譚

四国の厳しい一読者/二人のタケウチ氏/奇しき縁

資料を読み解く面白さ

江戸藩邸とは/歴史資料としての手紙と日記/日記はことの詳細を記述しない/印旛沼開発一件の駆け引き/維新後に伏せられた事実/戊辰戦争と佐倉藩の一挿話/新たな発見をして

語る〈時間〉、語られる〈時間〉

小津映画の生理的安定/「東京物語」は東京を語ったわけではない/東京と尾道の距離/〈時間〉の仕掛け/語る〈時間〉、語られる〈時間〉/紀子の〈時間〉/映画は残されたものの現実をえがかなかった/喪服をめぐる挿話/若い京子の目/紀子の告白、残酷な〈時間〉

資料の提供か、成果の発信か 

オカルトは滅びない/江戸に出掛けて江戸人の話を聞け/アマの注釈、プロの注釈/研究資料の提供か/研究成果の発信か/白か黒かではない

あとがき

著者プロフィール

白石 良夫  (シライシ ヨシオ)  (

1948年、愛媛県生まれ。九州大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。北九州大学講師等を経て、文部省(現文部科学省)入省、教科書調査官(国語科)。2009年、佐賀大学教授となり、2014年退職。専攻、国語学・国文学。博士(文学)。
主要著書に、『江戸時代学芸史論考』(三弥井書店、2000年)、『説話のなかの江戸武士たち』(岩波書店、2002年)、『幕末インテリジェンス』(新潮文庫、2007年)、『かなづかい入門』(平凡社新書、2008年)、『本居宣長「うひ山ぶみ」』(講談社学術文庫、2009年)、『古語の謎』(中公新書、2010年)、『古語と現代語のあいだ』(NHK出版新書、2013年)、『注釈・考証・読解の方法』(文学通信、2019年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。