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漢字を使った文化はどう広がっていたのか 金 文京(編) - 文学通信
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在庫あり

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取次: 八木|TRC(直)
直接取引: あり(自社)
東アジア文化講座 2

漢字を使った文化はどう広がっていたのか 東アジアの漢字漢文文化圏

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発行:文学通信
A5判
452ページ
並製
価格 2,800円+税
ISBN
978-4-909658-45-6   COPY
ISBN 13
9784909658456   COPY
ISBN 10h
4-909658-45-9   COPY
ISBN 10
4909658459   COPY
出版者記号
909658   COPY
 
Cコード
C0320
一般 全集・双書 歴史総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年2月28日
書店発売日
登録日
2020年12月31日
最終更新日
2021年3月16日
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紹介

前近代の東アジアの交流を学び、今に活かす!
東アジアの文化と文学の交流を学ぶシリーズ、東アジア文化講座第2巻。

中国からひろまった漢字漢文にもとづく思想や文化は、日本だけでなく、各地域でどのように展開し、継承と反発をくり返し、独自のものに再創造されたのか。
中国、朝鮮半島、日本、琉球、ベトナムなど、これらの交流圏にあった十九世紀以前の前近代の東アジアを俯瞰し、論じていく。
東アジアと日本、世界を接続して考え、問い直していくシリーズ、東アジア文化講座。
これからの東アジアを生き抜くヒントがここにある。

第2巻は東アジアの漢字漢文文化圏をテーマに、漢字文化圏の文字、漢文の読み方と翻訳、漢文を書く(変体漢文など)、近隣地域における漢文学の諸相、漢字文化圏の交流―通訳・外国語教育・書籍往来などの問題を設定し、漢字にまつわるありとあらゆる視点を提供しつくした初の書。本書で提供される視点による漢字文化観は、今後新たな発想を生み出す源泉となるであろう。

執筆は、金 文京/大西克也/李 成市/古屋昭弘/鄭 光/明木茂夫/笹原宏之/荒川慎太郎/入口敦志/遠藤織枝/宇都宮啓吾/張 景俊/吉田 豊/Nguyen Thi Oanh/佐藤晴彦/杉山 豊/嶋尾 稔/西村浩子/陳 力衛/金 文京/石井公成/水越 知/永田知之/大木 康/瀬間正之/沈 慶昊/朴 成鎬/高津 孝/伊藤英人/野崎充彦/沈 慶昊/佐藤道生/大谷雅夫/合山林太郎/川口健一/栗林 均/内田慶市/竹越 孝/木津祐子/住吉朋彦/陳 正宏/張 伯偉/髙橋 智/藤本幸夫/河野貴美子の45名。

目次

序 東アジアの漢字・漢文文化圏●金 文京
1 はじめに─漢字・漢文文化圏の構想
2 漢字・漢文文化圏の諸相
3 おわりに

第1部 漢字文化圏の文字

01 漢字の誕生と変遷―甲骨から近年発見の中国先秦・漢代簡牘まで●大西克也
1 はじめに
2 漢字の誕生―甲骨文字と金文
3 漢字の増加と分裂―戦国時代の竹簡から
4 文字統一と隷変
5 隷書から楷書へ―文字とテキストの変容

02 字音の変遷について●古屋昭弘
1 はじめに
2 言語音の体系の違い
3 歴史的変遷
4 声母(音節初の子音)の対応
5 韻母(母音的部分)の対応
6 声調の対応
7 中国上古音との関連
8 おわりに

03 新羅・百済木簡と日本木簡●李 成市
1 はじめに
2 新羅の付札木簡
3 六・七世紀の文書木簡
4 統一新羅の付札木簡、帳簿木簡
5 新羅と百済の『論語』木簡
6 百済木簡にみる用字、造字、字音
7 百済地方木簡と日本木簡

04 ハングルとパスパ文字●鄭 光
1 ハングルをめぐる諸問題
2 韓半島周辺の諸民族の文字制定とハングル
3 パスパ文字と訓民正音
4 訓民正音の中声と『蒙古字韻』の喩母
5 おわりに

05 異体字・俗字・国字●笹原宏之
1 異体字
2 転用と造字
3 日本の独自性

06 疑似漢字●荒川慎太郎
1 「漢字文明圏」と「疑似漢字」
2 実は多様な疑似漢字
3 東アジアの言語と疑似漢字による表記
4 疑似漢字とその文献研究

07 仮名●入口敦志
1 はじめに
2 万葉仮名からひらがなへ
3 『古今和歌集』成立前夜
4 『古今和歌集』の背景
5 漢字文化圏の民族固有文字
6 固有文字の制定
7 仮名序と真名序
8 おわりに

08 中国の女書(nüshu)●遠藤織枝
1 名称
2 文字創成の背景
3 文字数と文字の由来
4 造字法と用字法
5 女書で書いたもの
6 伝承
7 女書の現状

09 中国地名・人名のカタカナ表記をめぐって●明木茂夫
1 「SunYat-sen」とは誰のことか
2 社会科教科書のカタカナ表記
3 漢字廃止のためのカタカナ表記
4 カタカナ表記統一の難しさ
5 音楽の教科書のカタカナ表記


第2部 漢文の読み方と翻訳

01 日本の訓読の歴史● 宇都宮啓吾
1 はじめに
2 奈良時代以前の訓読
3 平安時代の訓読
4 鎌倉室町時代の訓読
5 江戸時代の訓読

02 韓国の漢文訓読(釈読)●張 景俊(金 文京訳)
1 韓国における漢文訓読資料の発見
2 十~十二世紀の資料―点吐釈読口訣
3 十二~十三世紀の資料―字吐釈読口訣
4 十四世紀以降の資料―訓読表示口訣

03 ウイグル語の漢字・漢文受容の様態―庄垣内正弘の研究から●吉田 豊
1 ウイグルとは
2 ウイグル人と漢字音
3 ウイグル語仏典にみられる漢文訓読

04 ベトナムの漢文訓読現象●Nguyen Thi Oanh
1 はじめに
2 ベトナムの訓読み現象
3 ベトナムの訓読現象

05 直解●佐藤晴彦
1 直解とは?
2 経書の口語訳
3 『孝経』とは?
4 貫雲石の『孝経直解』
5 元版『孝経直解』と明本『孝経直解』
6 「直解」の下限

06 諺解●杉山 豊
1 「諺解」の概念
2 諺解文献の編纂過程と体裁
3 諺解の言語

07 ベトナムにおける漢文の字喃訳●嶋尾 稔
1 はじめに
2 漢字の逐字訳
3 漢文の傍に付された訳
4 漢文の割註内に置かれた訳
5 上下バイリンガルのテクスト
6 韻文による訳

08 角筆資料●西村浩子
1 「角筆」とは
2 「角筆」と日本の漢文訓読資料
3 「角筆」使用の理由
4 海外の角筆資料
5 角筆資料研究の国際性と学際性

09 日中近代の翻訳語―西洋文明受容をめぐって●陳 力衛
1 なぜ漢語で訳したのか
2 翻訳語の漢字文化圏への拡散

第3部 漢文を書く

01 東アジアの漢文●金 文京
1 「漢文」とは何か?
2 時空を超えた均一性―舜伝説の文章を例として
3 東アジア漢字・漢文文化圏の共通性―諸葛孔明に対する評論
4 東アジア漢字・漢文文化圏の異質性
5 東アジア漢字・漢文文化圏の現状と未来

02 仏典漢訳と仏教漢文●石井公成
1 はじめに
2 梵語の語法の直訳
3 梵語の発音の表記

03 吏文●水越 知
1 はじめに
2 吏文の歴史的背景
3 告訴状の文体―訟師の書く吏文
4 供述記録の文体―口語体の吏文
5 判語―地方官の吏文
6 おわりに

04 書簡文● 永田知之
1 はじめに
2 奈良時代までの書簡
3 奈良時代における書簡の文例集
4 おわりに

05 白話文●大木 康
1 白話とは
2 白話と方言
3 白話文藝の興隆
4 階級を超える白話

06 日本の変体漢文●瀬間正之
1 用語の問題
2 変体漢文の実態

07 朝鮮の漢文・変体漢文●沈 慶昊
1 朝鮮の漢文の種類
2 吏読式漢文
3 中国の吏文体
4 吏読式漢文による文芸作品
5 吏読式漢文の文集での改変

08 朝鮮の吏読文●朴 成鎬
1 はじめに
2 高麗時代の吏読文
3 朝鮮時代の吏読文
4 吏読の消滅
5 おわりに

09 琉球の漢文●高津 孝
1 琉球の歴史
2 四つの士族
3 漢文と琉球語
4 漢文の学習
5 久米村士族
6 琉球の漢文著作

第4部 近隣地域における漢文学の諸相

01 朝鮮の郷歌・郷札●伊藤英人
1 古代朝鮮半島の言語と漢字の受容
2 「借字表記法」による朝鮮語表記
3 「郷歌」と「郷札」とは
4 郷歌の解読とは
5 新羅郷歌の実際
6 未解決のさまざまな問題

02 朝鮮の時調―漢訳時調について●野崎充彦
1 はじめに―謡曲「白楽天」にみえる漢文化圏の桎梏
2 朝鮮詩歌史における時調
3 漢訳時調の登場
4 漢訳時調集の出現
5 漢訳時調の意義
6 おわりに―自作時調の漢訳が意味するもの

03 朝鮮の東詩●沈 慶昊
1 古風と大古風
2 科詩
3 朝鮮時代の科挙
4 科詩の形式

04 句題詩とは何か●佐藤道生
1 平安後期は漢文学の衰退期か
2 今体詩としての規則
3 本邦独自の規則
4 句題詩の評価基準

05 和漢聯句●大谷雅夫
1 和漢聯句と中国の聯句
2 乱世の和漢聯句
3 漢句の故事、和句の恋

06 狂詩●合山林太郎
1 狂詩とは
2 狂詩の源流及びその歴史
3 狂詩を鑑賞する

07 ベトナムの字喃詩●川口健一
1 はじめに
2 字喃詩集
3 字喃詩による長編物語

第5部 漢字文化圏の交流―通訳・外国語教育・書籍往来

01 華夷訳語 付『元朝秘史』●栗林 均
1 はじめに
2 「華夷訳語」の種類
3 「華夷訳語」の特徴
4 甲種本「華夷訳語」における漢字音訳方式の特徴
5 甲種本「華夷訳語」と『元朝秘史』

02 西洋における中国語翻訳と語学研究●内田慶市
1 近代における東西言語文化接触
2 異文化接触と「翻訳」
3 一つの翻訳観
4 欧米人の中国語研究
5 「周縁」と「中心」

03 朝鮮における通訳と語学教科書● 竹越 孝
1 はじめに―事大と冊封
2 高麗とモンゴル帝国
3 外交・貿易と通訳
4 通文館と司訳院
5 主な中国語教科書
6 書名・成立年代・内容
7 現存のテキスト
8 『老乞大』・『朴通事』の現存テキスト
9 諺解本の体裁
10 声点
11 時代に応じた改訂
12 『老乞大』四種の対照
13 「漢児言語」
14 おわりに

04 長崎・琉球の通事●木津祐子
1 はじめに
2 長崎―唐通事とは
3 琉球―久米村通事とは

05 佚存書の発生―日中文献学の交流●住吉朋彦
1 佚書の淵藪
2 佚存書の発生と蘐園
3 佚存書と日中文献学
4 文献学の近代

06 漢文による筆談●金 文京
1 筆談─視覚によるコミュニケーション
2 日中間の筆談
3 朝鮮、ベトナム、中国間の筆談
4 筆談記録の編集
5 東アジア筆談の特異性と可能性

07 中国とベトナムにおける書籍交流●陳 正宏(鵜浦 恵訳)
1 はじめに
2 下賜、購書と翻刻―中越書籍交流史の概観
3 宋体と楷書―ベトナム漢籍刊本に見る中国の面影
4 代刻本・商業出版書―十九世紀の中越書籍交流の特殊な側面

08 中国と朝鮮の書籍交流●張 伯偉(金 文京訳)
1 初期の書籍交流と仏教
2 賜書と購書
3 朝鮮から中国への還流と紹介  
4 〝漢文化圏〟の書籍〝環流〟

09 東アジアの書物交流●髙橋 智
1 蔵書家銭曽の驚き
2 正平版論語
3 『論語』黄丕烈から陸心源、再び日本へ

10 日本と朝鮮の書籍交流●藤本幸夫
1 はじめに
2 奈良時代以前
3 平安―室町時代
4 豊臣秀吉朝鮮侵略時(一五九二~一五九七年)鹵獲本
5 江戸時代
6 明治時代以降

11 日本における中国漢籍の利用●河野貴美子
1 国家経営の基盤としての漢籍の知
2 日本における漢字・漢文学習と漢籍
3 日本の言語文化の形成と漢籍―和と漢の往還

執筆者一覧
索引

著者プロフィール

金 文京  (キン ブンキョウ)  (

京都大学名誉教授。『三国志演義の世界』(東方書店)、『教養のための中国語』(大修館書店)、『漢文と東アジア 訓読の文化圏』(岩波新書)、『李白 漂泊の詩人 その夢と現実』(岩波書店)、『水戸黄門「漫遊」考』(講談社学術文庫)、『中国の歴史4 三国志の世界 後漢 三国時代』(講談社学術文庫)など。

上記内容は本書刊行時のものです。