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日本の歴史を原点から探る 地方史研究協議会(編) - 文学通信
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日本の歴史を原点から探る (ニホンノレキシヲゲンテンカラサグル) 地域資料との出会い (チイキシリョウトノデアイ)

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発行:文学通信
新書判
272ページ
並製
価格 1,500円+税
ISBN
978-4-909658-40-1   COPY
ISBN 13
9784909658401   COPY
ISBN 10h
4-909658-40-8   COPY
ISBN 10
4909658408   COPY
出版者記号
909658   COPY
Cコード
C0221  
0:一般 2:新書 21:日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年10月30日
書店発売日
登録日
2020年10月3日
最終更新日
2020年11月12日
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紹介

日本の歴史を原点から探求するために。
地域資料を読み解き考え抜くことで、歴史的な視点をどう手に入れるのか。
各地域に残された資料や歴史的な事柄を通して、自らの地域や日本の将来を考える手がかりにするべく、それぞれの資料に向き合ってきた新進の研究者が、歴史の読み解き方をふんだんに伝える。
【本書のキーワード】八瀬童子、阿波藍、御嶽山、宿場、庄内士族、武家、新田試作、駆け込み、歴史教育、地券、風土記、社会的弱者の歴史、寺院資料、藩士の日記、安政のコレラ、地誌、大木戸、レンガ、浅草十二階

執筆は、廣瀬良弘、宇野日出生、福家清司、斉藤 進、斉藤照徳、乾 賢太郎、寺門雄一、中村陽平、山下真一、今野 章、宮間純一、谷口 榮、佐藤 慎、石田文一、桑原功一、西村 健、久信田喜一、佐藤孝之、牛米 努、藤野 敦、大嶌聖子。

目次

地域資料と出会うために─本書の歩き方(地方史研究協議会 会長 廣瀬良弘)

第1部 伝統文化を読み解くのはおもしろい

今なお皇室とつながる特殊な集落
1 八瀬童子のひみつ─天皇側近の里人─(宇野日出生)
1、はじめに
2、八瀬童子とは何か
3、天皇の側近衆として
4、大喪大礼の奉仕がもたらしたもの
5、おわりに
(対象地域:京都)

特産品の起源をどう探すか
2 阿波藍起源論の今(福家清司)
1、阿波藍とは
2、阿波藍起源論の変遷
3、「阿波藍中世起源説」とその史資料
4、『兵庫北関入舩納帳』の藍について
5、阿波藍起源論の課題
(対象地域:徳島)

ランドマークを考古学的に探る
3 「凌雲閣(浅草十二階)」の煉瓦─煉瓦を考古学からみる─(斉藤 進)
1、残っていた「凌雲閣(浅草十二階)」
2、凌雲閣の概要
3、東京における煉瓦生産
4、煉瓦の作り方
5、凌雲閣の煉瓦を考古学からみると
6、窯業生産地の象徴としての凌雲閣
(対象地域:東京)

街角に残された資料から歴史を探る
4 東京近郊のレンガ産業を探る─地域資料発見の楽しさ─(斉藤照徳)
1、いまに残る東京のレンガ建築
2、明治東京のレンガはどこでつくられた?
3、山本煉瓦工場の刻印をもとめて
4、まさかここで「広岡」の名を目にするとは
(対象地域:東京)

神社と人々の結び付きをどう調べるか
5 町の中の「御嶽山」─神社に関連する資料を中心に─(乾 賢太郎)
1、東京都大田区にある「御嶽山」
2、嶺の御嶽山
3、一山行者
4、崇敬神社から氏神神社へ
5、嶺一山講
6、先達─峯山妙覚と鈴木常五郎
7、講元─長久保家
8、むすび
(対象地域:東京)

第2部 資料を読み込むのはおもしろい

残されたパーツから歴史を組み立て直す
6 お上の絵図と地面の下から宿場を探る─絵画資料と発掘成果からみる東海道品川宿─(寺門雄一)
1、お上の絵図 「東海道分間延絵図」にみる石積護岸
2、海は遠くなったが……
3、造り直される石積護岸
4、完璧な石積護岸が出てきたが……食い違う史料と史料
5、おわりに
(対象地域:東京)

歴史の虚像はどう作られてきたか
7 大木戸はあったのか─地域の歴史を読み直す─(中村陽平)
1、はじめに
2、板橋宿大木戸の記録はあるのか
3、板橋宿の木戸を考える─和宮下向時の木戸
4、板橋宿における幕末の関門・番所設置
5、板橋宿大木戸の正体
(対象地域:東京)

その編さん過程から何がわかるか
8 地域を再認識する地誌の編さん─都城島津家の人々と「庄内地理志」─(山下真一)
1、地誌とは
2、「庄内地理志」と地域の歴史
3、「日々史」とは
4、調査に参加する人々
5、地誌の編さんと地域の再認識
(対象地域:宮崎)

書状からその関係性を明らかにする
9 庄内・薩摩交流の始まり─明治初年、東京における庄内士族の情報収集─(今野 章)
1、西郷隆盛が結ぶ薩摩との縁
2、黒田清隆の厚情と隠居酒井忠発の感動
3、酒田県東京出張所機事掛の活動
(対象地域:山形)

感染症史を地域史料から探る
10 地方文書からひもとく安政のコレラ(宮間純一)
1、安政のコレラ
2、江戸からもたらされた情報
3、幕府からの指示
4、人びとの祈り
5、これからの感染症史研究と地方文書
(対象地域:千葉)

第3部 歴史を再発見するのはおもしろい

考古学と文献学の協働で探る
11 武家の格式と威信材─関東公方葛西様と葛西城─(谷口 榮)
1、東京の戦国史研究と関東公方
2、葛西城をめぐる攻防
3、出土した威信材と武家の価値観
4、「葛西様」と考古資料
(対象地域:東京)

意外な資料の出現が歴史を変えた
12 逆転した鮫ヶ尾城の大手と搦手─定説を覆した高田藩士の日記─(佐藤 慎)
1、城郭研究のおもしろさ
2、鮫ヶ尾城の歴史と三つの登城道
3、鮫ヶ尾城の大手と搦手
4、定説を覆した高田藩士の日記
(対象地域:新潟)

寺院資料の調査・整理からわかること
13 真宗末寺のしたたかさ─能登乗念寺直参への軌跡─(石田文一)
1、はじめに
2、乗念寺の草創
3、光徳寺門徒としての乗念寺
4、本末関係の解消と直参化
5、光徳寺触下からの離脱
6、乗念寺弁道の生涯
(対象地域:石川)

史料の文言からみえてくること
14 鎌倉大筒稽古場内の新田試作問題─「御鉄炮御場所」から読み解く─(桑原功一)
1、はじめに
2、新田試作許可文書を読む
3、「御鉄炮御場所」「御場所」の史料文言に注目
4、鎌倉大筒稽古場の機能・性格から「御鉄炮御場所」呼称を考える
5、「御鉄炮御場所」管理体制における大筒役佐々木氏
6、おわりに
(対象地域:神奈川)

社会的弱者の歴史をどう掘り起こすか
15 焼け跡に手を差しのべた人々の記録─地域に残る戦後社会事業団体資料の価値─(西村 健)
1、はじめに─戦後横浜の戦争孤児保護
2、ボーイズホーム資料発見の経緯と施設の沿革
3、ボーイズホーム資料の紹介
4、むすびに─戦後社会事業団体関連資料を保存する意義
(対象地域:神奈川)

第4部 教材として役立つ地域資料

古代史の宝庫を開く鍵(対象地域:茨城)
16 『常陸国風土記』の魅力─茨城の古代史はおもしろい─(久信田喜一)
1、はじめに
2、『常陸国風土記』の成立年代と編纂者
3、『常陸国風土記』の伝来と写本
4、茨城の里と輔時臥の山
5、高市と密筑の里
6、藻嶋郷と藻嶋の駅家
7、おわりに
(対象地域:茨城)

「駆け込み」資料から地域がわかる
17 寺に駆け込むということ─上州館林藩にみる入寺と寺訴訟─(佐藤孝之)
1、入寺と寺訴訟
2、上州館林藩の概要
3、藩による入寺・寺訴訟の規制
4、町村にみる入寺と寺訴訟
5、寺に駆け込むということ
(対象地域:群馬)

地券からひろがる地域の歴史(対象地域:東京)
18 壬申地券からみる地租改正(牛米 努)
1、はじめに
2、壬申地券とは何か?
3、租税改革と壬申地券
4、市街地券の発行
5、郡村地券の発行
6、おわりに
(対象地域:東京)

これからの歴史教育のために
19 地域資料が歴史教育を今につなぐ─中学・高校・大学・市民講座と地域資料─(藤野 敦)
1、学習者と時間・空間を結ぶ地域の歴史資料
2、過去の人と対話する─高等学校 説明、論述の答えは一五〇年前の村役人に
3、過去の人々と出会う 「未来に何を残せるだろう」─中学校での「地域史レポート」
4、過去と今を重ねる、自らの生き方を過去と重ねる─大学や生涯教育の場で
5、「地域」からグローバルに、そして再び「地域」へ─新学習指導要領の歴史学習
(対象地域:東京・神奈川)

あとがき(大嶌聖子)
執筆者紹介
シリーズ刊行にあたって(地方史研究協議会 会長 廣瀬良弘)

前書きなど

シリーズ刊行にあたって

地方史研究協議会 会長 廣瀨良弘

 地方史研究協議会は、二〇二〇年に創立七〇周年を迎える。これを期して書籍刊行の企画が検討された。全国各地で保存されてきた地域の資・史料を学術的にアピールするための企画である。
 日本全国の文化財は、国の指定文化財として国宝・重要文化財があり、都道府県の指定文化財もあり、さらに市区町村の指定文化財もある。このうち都道府県や市区町村の指定文化財は、各自治体が地域にとって重要であると考える資・史料を指定文化財として保存・公開している。しかしながら、自治体が指定した文化財をその自治体以外の人々が知る機会はそう多くはない。全国の博物館やその他の保存機関などには、限られた研究者のみしか利用されてこなかった資・史料も存在している。
 これまで全国の文化財行政に携わる人々や研究を志す人々などによって、資・史料の調査や保存活動が地道に行われ続けてきた。そうした人々の努力により、今後も将来にわたり、歴史的に価値のある資・史料が保存・公開され続けていく。一方で近年、地震や台風、火災などで地域の資・史料が被災し、損失している。地域の資・史料の地道な保存活動は、多くの人々の理解があってこそ成立する。そのためには、地域の資・史料のもつ情報の凄さを広く知ってもらいたいと考える。
 本企画は、知名度はかならずしも高くないものの、地域を考えるうえで重要な資・史料に焦点をあてて、学術的なその面白さを広めるシリーズ企画である。題して『地方史はおもしろい』である。資・史料が地域の歴史のなかでどのような意味を持っているのか。また、資・史料からどのような人々の営みやさまざまな情報を読み取ることができるのか。地域で保存され、伝えられてきた資・史料をもとに地域の歴史にスポットをあてていく。
 多くの方々が本シリーズの各書をお手に取り、地域の歴史のおもしろさを身近に感じていただきたい。

著者プロフィール

地方史研究協議会  (チホウシケンキュウキョウギカイ)  (

地方史研究協議会は、各地の地方史研究者および研究団体相互間の連絡を密にし、日本史研究の基礎である地方史研究を推進することを目的とした学会です。1950年に発足し、現在会員数は1,400名余、会長・監事・評議員・委員・常任委員をもって委員会を構成し、会を運営しています。発足当初から、毎年一回、全国各地の研究会・研究者と密接な連絡のもとに大会を開催、また、1951年3月、会誌『地方史研究』第1号を発行し、現在も着実に刊行を続けています(年6冊、隔月刊)。

上記内容は本書刊行時のものです。