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高校に古典は本当に必要なのか 長谷川 凜(編著) - 文学通信
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高校に古典は本当に必要なのか 高校生が高校生のために考えたシンポジウムのまとめ

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発行:文学通信
A5判
304ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-909658-36-4   COPY
ISBN 13
9784909658364   COPY
ISBN 10h
4-909658-36-X   COPY
ISBN 10
490965836X   COPY
出版者記号
909658   COPY
 
Cコード
C0095
一般 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年5月25日
書店発売日
登録日
2020年9月10日
最終更新日
2021年6月9日
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紹介

高校に古典は本当に必要なのか。
「高校生の声を伝えて、肯定派の目を開きたい。高校生という新たな視点で否定派の心を開きたい」

現役高校生が、当事者として高校生にアンケートを実施し、議論の場を作り、考えたことは何だったのか。2020年6月6日にオンライン開催された、高校生が高校生のために考えたシンポジウム「高校に古典は本当に必要なのか」の完全再現+終了後のアンケート+企画に至るまでの舞台裏+編者による総括です。

2019年、明星大学でシンポジウム「古典は本当に必要なのか」は、本書の編者の高校生にとっては、話がかみ合わない上に、問題点や疑問が放置されたと感じられ、とても満足できるものではありませんでした。そして開催されたのがシンポジウム「高校に古典は本当に必要なのか」です。
議論は果たしてどこまで進んだのか。現役高校生という視点は有効だったのか。これを読む私たちは、高校生たちの考えをどこまでくみ取ることが出来るのか。
古典不要論を考える際の基本図書ともなった、勝又基編『古典は本当に必要なのか、否定論者と議論して本気で考えてみた。』(文学通信)の続編ともいうべき本です。

編集は、長谷川凜、丹野 健、内田 花、田川美桜、中村海人、神山結衣、小林未來、牧野かれん、仲島ひとみの各氏。

【昨年わたしは6つの大学のオープンキャンパスに行き、国文学科や日本文学科を見てまわりました。そこで学生さんたちに次のように聞きました。
「古典は本当に必要なのかと問われている、この状況をどう思うか」。
古典が好きで大学で学んでいる最中の若い学生さんたちが、どう思っているのか気になったのです。熱心に答えてくださる学生さんも数人いました。しかし多くの場合、答えは次のようなものでした。
「古典が好きかどうかは人それぞれだから、あなたが古典を好きなら周りは気にしないで古典をやればいい」。
この答えはショックでした。否定派を無視できなくなっているのが現状です。それなのに国文学科の学生さんたちは、ただ好きな古典を読んでいるだけなのでしょうか。これでは古典は、否定派が言う通りのマニアックで閉ざされた世界です。どうかもっと学びの深い国文学科になってください。
高校生の声を伝えて肯定派の目を開きたい。また高校生という新たな視点によって否定派の心を開きたい。これは高校生にしかできないことです。だから3月に予定していたシンポジウムが延期されて、いまは受験生になってしまいましたが、このような形で開催することにしました。】

目次

はじめに(仲島ひとみ)
凡例
メンバー紹介

第1部 議論の土台を整える
――「高校に古典は本当に必要なのか」を考えるまえに

1.「高校に古典は本当に必要なのか」のコンセプト
2.前回のシンポジウム「古典は本当に必要なのか」論点まとめ――近藤泰弘先生、ツベタナ・クリステワ先生の主張も加えて
①猿倉先生の論点
②前田先生の論点
③渡部先生の論点
④福田先生の論点
⑤近藤先生の論点
⑥ツベタナ先生の論点
3.現役高校生の視点――高校生に実施したアンケート結果発表
(1)アンケートの性質
(2)アンケートの質問と回答結果
(3)各問の相関関係
(4)学年、選択科目と各問への回答傾向
4.ディスカッション――否定派・肯定派の認識を問いただす
(1)古典でしか学べないものは何か
(2)古典の授業は将来どのように役に立つのか
(3)その後のディスカッション
1.古典は優先順位が低いと考えるのはなぜか/文学的教養は必要とされていないのか
2.国語を教える際のリテラシーと芸術をどういう基準で区別するか
3.論理、論理的思考とは何か/「芸術・哲学・文学・古典・情緒的」の捉え方

第2部 高校に古典は本当に必要なのか

1.ディベート――高校の授業で古典を学ぶことに意義はあるか
ディベートを始めるにあたって
ルール■論題と肯定派否定派の立場ついて
ルール■「古典」とは何か
ルール■「授業」とは
ルール■「意義」と「論理」
ルール■「必修・選択」という言葉は使わない
①肯定派 第一立論/②否定派 第一立論/③肯定派 第二立論/④否定派 第二立論/作戦タイム中/⑤否定派→肯定派 反対尋問/作戦タイム中/⑥肯定派→否定派 反対尋問/⑦肯定派 最終弁論/⑧否定派 最終弁論/感想戦
2.ディスカッション――自由討議
(1)神話が教えられていないことについてどう思うか/外国の文学者が日本の古典について語ったことが、古典の必要性をサポートするのか
(2)古典のような教養やアイデンティティと、実用性を、教育においてどう両立させていくのか
(3)大学入試の問題点
(4)未来を生きるための「無用の用」/
3.閉会のあいさつ
(1)古典の現在に向き合う──「古典は本当に必要なのか」の衝撃から
(2)よりよい古典教育へ ──生徒からのバトンパス

第3部 アンケート集計

問1.シンポジウム終了後、現時点で、あなたは「古典を高校で学習する」ことについて肯定派ですか? 否定派ですか?
問2.シンポジウムに参加する前と、後で意見は変化しましたか?
問3.高校で古典を必修科目にするべきだと思いますか?
問4.授業で古典を原文で読む必要はあると思いますか?
問5.高校の授業で古典を学ぶことは、現代日本語の能力向上に役に立つ?
問6.古典の授業で論理的思考を学ぶことは可能である?
問7.文語文に自らアクセスできるリテラシー(文語文を自分で読む能力)は必要である?
問8.古典の内容は原文を読まないと理解できない?
問9.古典に含まれる、差別的な思想や表現は、有害性はあるが、だからこそ高校で学ぶべきだ?
問10.古典を通して昔の人に共感したり、古典のリズムに触れることで、人生が豊かになる?
問11.古典は国際社会を生きていくうえで有害性はあるが、だからこそ高校で学ぶべきだ?
問12.肯定派のあげた「先人の知恵」を学ぶことは、生きる上で役に立つ?
問13.否定派のあげた「実用的なスキル」を学ぶことは、生きる上で役に立つ?
問14.より役に立つのは「先人の知恵」と「実用的なスキル」では、比較できない?
問15.古典のナショナリズムへの利用に気づくには、どのような古典の授業が必要だと思いますか?
問16.今回のシンポジウムは、オンライン上での開催となりましたが、オンライン上での開催について、いかがでしたか?
問17.今回のシンポジウムのプログラム構成について良かった?
問18.今回のシンポジウムに先立って、Twitterアカウントを作成し、発信してきました。シンポジウム「高校に古典は本当に必要なのか」についてのツイートはご覧になりましたか?
今回のシンポジウムについて感想等があれば、自由にお書きください。

第4部 シンポジウムに至るまで
――こてほんプロジェクト一同(長谷川・丹野・内田・田川・中村・神山・小林・牧野)

1. シンポジウムの出発点
2. 企画の骨組みが決定
目的(1)高校生の声を議論の場に届ける
目的(2)「こてほん2019」での問題点を指摘する
目的(3)高校生に古典教育について興味を持ってもらう
3. ゲストパネリストとのやりとり
ゲストパネリストの決定/まとめ作成/リハーサル
4. 高校生に実施した「こてほんアンケート」
5. 申し込み・Twitterでの発信
6. プログラム③――高校生パネリストとゲストパネリストによるディスカッション
7. プログラム④――高校生パネリストによるディベート
一般的な「ディベート」の落とし穴/ディベートを実施した理由/先生方の役割・ディベートの実施形態/論題・前提の決定/肯定派・否定派とは何か/特記事項
8. プログラム⑤――フロアとパネリストによるディスカッション
9. プログラム全体の流れ
10. 積み重ねてきた対話
ともに考える仲間の存在/対等な関係/「まじめ」なことを話せる/考え続ける精神力/主体性とは何か
11. オンライン開催
Zoomミーティングを使用/誰が議論しているかをはっきりさせる/セキュリティー/円滑な進行のための工夫/記録
12. おわりに

第5部 共に社会を作る仲間として後進を育てようとするのなら(仲島ひとみ)

1. まとめにあたって
2. 「こてほん2019」をどうとらえていたか
3. 今回出た論点の整理
高校生アンケートから見えるもの/パネリストの論点―否定派・猿倉信彦氏/否定派・前田賢一氏/肯定派・渡部泰明氏/肯定派・福田安典氏/肯定派・近藤泰弘氏/肯定派・ツベタナ・クリステワ/一致しない点―教育の目的/単位数と優先順位/論理・論理的/ディベートの論点―論題について/各論点/リテラシー/コンテンツ/アイデンティティー
4. 教育学的な観点から
いまある古典の授業はいつから?/教育格差と必修・選択
5. 当事者の声をどうとらえるか
6. まとめと展望
分断を超えて/誰がボールを受け取るか/学習指導要領/教科書編纂/授業の工夫/①暗記よりも活用/②精読だけでなく多読も/③創造的な表現の場を/④本物を見る機会を/大学入試

あとがき

「必要」とは何か(長谷川 凜)/誰が為の教育か(丹野 健)/高校生役の高校生(内田 花)/こてほん2020に寄せて(田川美桜)/試験という絶対的存在(中村海人)/古典物語(神山結衣)/Identeifying 古典(小林未來)/私の身勝手な「意義」(牧野かれん)/未来へのささやかな一歩(仲島ひとみ)

【付録】資料集

1. こてほんプロジェクト企画書
2. こてほん 校外アンケート 依頼文書
3. 協力してくださった先生方の主張

著者プロフィール

長谷川 凜  (ハセガワ リン)  (編著

ICU高校三年生。ディベートでは肯定派。

丹野 健  (タンノ ケン)  (編著

ICU高校三年生。当日の役割は司会(「詠み人知らず2」)。

内田 花  (ウチダ ハナ)  (編著

ICU高校三年生。シンポジウムでは司会(「詠み人知らず1」)を担当。

田川 美桜  (タガワ ミオ)  (編著

ICU高校卒業後、ICUに進学(一年生)。ディベートには否定派。

中村 海人  (ナカムラ カイト)  (編著

ICU高校二年生。ディベートには事前準備に参加。

神山 結衣  (カミヤマ ユイ)  (編著

ICU高校三年生。ポスターを担当。

小林 未來  (コバヤシ ミライ)  (編著

ICU高校三年生。ディベートでは肯定派。

牧野 かれん  (マキノ カレン)  (編著

ICU高校三年生。ディベートでは否定派。

仲島 ひとみ  (ナカジマ ヒトミ)  (編著

1980年生まれ。ICU高校国語科教諭。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了(日本語学)。ロンドン大学 Institute of Education にて MA in Effective Learning and Teaching 取得。趣味はマンガを読むことと描くこと。著書に『大人のための学習マンガ それゆけ! 論理さん』(筑摩書房)など。

上記内容は本書刊行時のものです。