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日本の歴史を解きほぐす 地方史研究協議会(編) - 文学通信
.
地方史はおもしろい

日本の歴史を解きほぐす 地域資料からの探求

発行:文学通信
新書判
272ページ
並製
価格 1,500円+税
ISBN
978-4-909658-28-9
Cコード
C0221
一般 新書 日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年4月30日
書店発売日
登録日
2020年4月4日
最終更新日
2020年5月6日
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紹介

日本の現代社会の、その先を見るために、歴史はこう読む。
地域資料から日本の歴史を読み解くと、さらに歴史がおもしろくなり、現代社会もその先に見えてきます。本書は、各地域に残された資料や歴史的な事柄を通して、住まいの地域や日本の将来を考える手がかりにするべく、それぞれの資料に向き合ってきた新進の研究者が、歴史の読み解き方をふんだんに伝える書。知名度はかならずしも高くないものの、地域を考えるうえで重要な資・史料に焦点をあてて、学術的なその面白さを広めていきます。
執筆は、廣瀬良弘、山碕久登、野本禎司、新井浩文、山澤 学、菅野洋介、芳賀和樹、鬼塚知典、伊藤宏之、荒木仁朗、平野明夫、生駒哲郎、鍋本由徳、原 淳一郎、長沼秀明、吉岡 拓、萩谷良太、工藤航平、富澤達三、風間 洋、大嶌聖子の21名。

目次

シリーズ刊行にあたって(地方史研究協議会 会長 廣瀬良弘)
地域に残された資料からなにがわかるのか─本書の歩き方(地方史研究協議会 会長 廣瀬良弘)

第1部 地域を歩くのはおもしろい

とにかく現場を歩く
1 面白い研究をするには─将軍家鷹場鳥見と彦根藩世田谷代官─(山﨑久登)
1、はじめに
2、江戸周辺地域はどんな場所か
3、鷹場制度とは何か
4、幕府の役人と藩領代官の関係について
5、おわりに
(対象地域:東京)

長屋門建立の歴史的背景
2 江戸周辺地域の長屋門─郊外化のシンボル─(野本禎司)
1、長屋門のある家
2、江戸周辺地域の百姓主屋と村落景観
3、江戸周辺地域における長屋門の建立背景
4、江戸周辺地域に建立された長屋門のゆくえ
(対象地域:東京)

あたらしい城郭研究の方法
3 「河川台帳」に遺されていた幻の中世城郭を追う(新井浩文)
1、はじめに─埼玉県立文書館収蔵の行政文書と「河川台帳」
2、「河川台帳」に記録された城郭
3、誰が築いた城なのか
4、むすびに─これからの城郭研究に期待するもの
(対象地域:埼玉)

まつりの出し物を探る
4 蔵からのぞくまつりの文化─日光・弥生祭付祭の御幸町万度─(山澤 学)
1、幻の万度
2、まつりにおける万度
3、町内蔵に残る猩々出し
4、御幸町の町印としての「猩々」
(対象地域:栃木)

水と人々と生存のあり方
5 行徳塩浜と「災害」─水の管理をめぐって─(菅野洋介)
1、はじめに
2、村絵図の内容と荒浜
3、荒浜と「災害」
4、囲堤と塩引江川をめぐって
5、塩浜諸道具と「災害」
6、むすびに─海と江戸川に囲まれて
(対象地域:千葉)

第2部 資料を読み込むのはおもしろい

地域のモノ、文字、絵図資料
6 「御札」から読み解く秋田藩の山林─山林管理のユニークな制度─(芳賀和樹)
1、秋田藩の山林と御札山
2、肝煎の家に伝わる「御札」
3、山林に「御札」を立てる意味
4、絵図にみる御札山
(対象地域:秋田)

出土状況と立地から探る
7 下総と武蔵の埴輪─ふたつの地域でつくられた埴輪をもつ古墳─(鬼塚知典)
1、下総と武蔵
2、塚内古墳群
3、塚内四号墳の調査
4、「下総型」と「下総系」・「武蔵型」と「武蔵系」
5、塚内四号墳の円筒埴輪
6、二系統の埴輪が出土した古墳群、古墳
7、塚内四号墳で円筒埴輪はどのように樹立されたか
8、河川と塚内古墳群
(対象地域:埼玉)

身近な文化財を読み解く
8 浅草寺の西仏板碑─中世における家族の供養─(伊藤宏之)
1、はじめに
2、西仏板碑の概要
3、西仏板碑の図像
4、西仏板碑の類例と年代
5、西仏板碑の銘文
6、家族の供養
7、西仏は誰か
8、おわりに
(対象地域:東京)

借用証文をどう理解するか
9 借用証文の読み方─村のリアルな金融事情─(荒木仁朗)
1、村の借用証文を読む
2、村の借金事情
3、借用証文の解釈と大量に残された証文類の意味
(対象地域:神奈川)

政府に振り回された地方
10 千葉県庁に伝来した文書の謎(平野明夫)
1、千葉県庁舎でみつかった朱印状
2、明治新政府による回収
3、地方寺社の対応
4、千葉県庁伝来文書の寺社
5、朱印状伝来の経路
(対象地域:千葉)

第3部 歴史を再発見するのはおもしろい

経典受容のあり方
11 能登の仏事の一齣─加賀藩主前田家の権威─(生駒哲郎)
1、協力しあう寺院
2、「大般若経」の願文─加賀藩主前田宗辰の武運長久を祈願する
3、京都の本屋、「大般若経」を出版する
4、金蔵寺にはいつ入ったか
5、神仏習合と「大般若経」
(対象地域:石川)

史料探しは「宝探し」
12 長崎阿蘭陀通詞本木家のアイデンティティ─史料を探す楽しみ─(鍋本由徳)
1、長崎という地域
2、江戸城での将軍とオランダ商館長・オランダ通詞
3、オランダ通詞本木庄左衛門由緒書
4、長崎奉行曲渕甲斐守への由緒提出
5、史料を探す楽しみ
(対象地域:長崎)

日本の宗教文化の特質
13 偶然ではない必然─高山彦九郎と羽黒修験─(原 淳一郎)
1、高山彦九郎の東北への旅
2、特異な米沢藩の宗教政策と湯殿参詣
(対象地域:山形)

地方史と国の歴史を結ぶ
14 ワッパ騒動の裁判と法─庄内の維新─(長沼秀明)
1、庄内大会開催とワッパ騒動義民顕彰会の活動
2、ワッパ騒動関係史料集の刊行による研究の進展
3、法制史上の重要事件としてのワッパ騒動
4、森藤右衛門関係史料
5、史料を読む─「法律学舎支校開業願」
6、地域の史料そして地方史研究を守り育てる人びと
(対象地域:山形)

地域の歴史を豊かにするには
15 「山国隊」隊名をめぐるあれこれ─誰が名づけたのか・何と読むのか─(𠮷岡 拓)
1、山国隊について
2、「山国隊」は誰が名づけたのか
3、「山国隊」は何と読むのか
4、地域の歴史をより豊かなものとしていくために
(対象地域:京都)

第4部 教材として役立つ地域資料

絵葉書は地域史を語る
16 写真絵葉書にみる風景へのまなざし─一九三〇年代の土浦と創造された景観─(萩谷良太)
1、絵葉書の発行年代を知る
2、花もないのに桜川
3、名実ともに真の桜川
4、遊覧都市土浦
5、水郷らしい花見
6、流通する地域の景観
7、絵葉書の変化を読みとく
(対象地域:茨城)

文書史料がなくてもわかる
17 筆子塚から読み解く庶民教育(工藤航平)
1、よくわからない庶民教育の実態
2、筆子塚とは?
3、筆子塚からわかること
4、危機に瀕する筆子塚
(対象地域:埼玉)

戯画で時事を伝えた国芳
18 お江戸のキャラクター─幕末風刺画の「判じ物」から「戯画物」への転換─(富澤達三)
1、歌川国芳の「判じ物」が大当たり
2、嘉永の流行神と錦絵
3、国芳の身辺調査
4、風刺画の転換─「判じ物」から「戯画物」へ
(対象地域:東京)

これからの歴史教育のために
19 『足利持氏血書願文』を一緒に読もう─鎌倉地域の中世文書を教材化する試み─(風間 洋)
1、はじめに
2、「足利持氏血書願文」
3、生徒と一緒に「願文」を考える
4、おわりに
(対象地域:神奈川)

あとがき・執筆者紹介

前書きなど

シリーズ刊行にあたって

地方史研究協議会 会長 廣瀨良弘

 地方史研究協議会は、二〇二〇年に創立七〇周年を迎える。これを期して書籍刊行の企画が検討された。全国各地で保存されてきた地域の資・史料を学術的にアピールするための企画である。
 日本全国の文化財は、国の指定文化財として国宝・重要文化財があり、都道府県の指定文化財もあり、さらに市区町村の指定文化財もある。このうち都道府県や市区町村の指定文化財は、各自治体が地域にとって重要であると考える資・史料を指定文化財として保存・公開している。しかしながら、自治体が指定した文化財をその自治体以外の人々が知る機会はそう多くはない。全国の博物館やその他の保存機関などには、限られた研究者のみしか利用されてこなかった資・史料も存在している。
 これまで全国の文化財行政に携わる人々や研究を志す人々などによって、資・史料の調査や保存活動が地道に行われ続けてきた。そうした人々の努力により、今後も将来にわたり、歴史的に価値のある資・史料が保存・公開され続けていく。一方で近年、地震や台風、火災などで地域の資・史料が被災し、損失している。地域の資・史料の地道な保存活動は、多くの人々の理解があってこそ成立する。そのためには、地域の資・史料のもつ情報の凄さを広く知ってもらいたいと考える。
 本企画は、知名度はかならずしも高くないものの、地域を考えるうえで重要な資・史料に焦点をあてて、学術的なその面白さを広めるシリーズ企画である。題して『地方史はおもしろい』である。資・史料が地域の歴史のなかでどのような意味を持っているのか。また、資・史料からどのような人々の営みやさまざまな情報を読み取ることができるのか。地域で保存され、伝えられてきた資・史料をもとに地域の歴史にスポットをあてていく。
 多くの方々が本シリーズの各書をお手に取り、地域の歴史のおもしろさを身近に感じていただきたい。

著者プロフィール

地方史研究協議会  (チホウシケンキュウキョウギカイ)  (

地方史研究協議会は、各地の地方史研究者および研究団体相互間の連絡を密にし、日本史研究の基礎である地方史研究を推進することを目的とした学会です。1950年に発足し、現在会員数は1,400名余、会長・監事・評議員・委員・常任委員をもって委員会を構成し、会を運営しています。発足当初から、毎年一回、全国各地の研究会・研究者と密接な連絡のもとに大会を開催、また、1951年3月、会誌『地方史研究』第1号を発行し、現在も着実に刊行を続けています(年6冊、隔月刊)。

上記内容は本書刊行時のものです。