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全訳 男色大鑑〈武士編〉 染谷 智幸(編著) - 文学通信
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全訳 男色大鑑〈武士編〉

発行:文学通信
四六判
192ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-909658-03-6
Cコード
C0095
一般 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月
2018年11月
発売予定日
登録日
2018年7月26日
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紹介

井原西鶴が1687年に描き出した、詩情あふれる華麗・勇武な男色物語が、遂に現代に甦る!
若衆と念者の「死をも辞さない強い絆」は、作品中、常に焦点となっている三角関係の緊張感とともに、長い間、誠の愛を渇望して止まぬ人々の心を密かに潤し続けてきた。
世界の奇書として名高い『男色大鑑』であるが、現代語訳の単行本としては戦後初。全集でしか読めなかった作品群が、分かりやすい現代語と流麗なイラストによって鮮やかに息を吹き返す。
本書は『男色大鑑』八巻中、前半の武家社会の衆道に取材した作品四巻までを収録(後半の四巻は2019年6月に刊行予定)。
イラストに、あんどうれい、大竹直子、九州男児、こふで、紗久楽さわ、といった豪華な漫画家陣が参加。現代語訳は、若手中心の気鋭の研究者、佐藤智子、杉本紀子、染谷智幸、畑中千晶、濱口順一、浜田泰彦、早川由美、松村美奈。

目次

カラー口絵8頁

はじめに

序[男女の恋は間に合わせ。男色こそ恋の本道!]

巻一
一、色はふたつの物あらそひ(いろはふたつのものあらそひ)
[男が男に恋する二十三の理由。]
二、此道にいろはにほへと(このみちにいろはにほへと)
[この道ひとすじ「一道」先生、少年二人の恋路見守る。]
三、垣の中は松楓柳は腰付(かきのうちはまつかえでやなぎはこしつき)
[恋の決め手は志。武士の一念、岩をも通す。]
四、玉章は鱸に通はす(たまづさはすずきにかよはす)
[煮え切らないなら、愛する兄分だって切り捨てるさ。]
五、墨絵につらき剣菱の紋(すみえにつらきけんびしのもん)
[丹之介を救った大右衛門、恋は幸せな結末(ハピエン)のはずだったのに…。]

巻二
一、形見は二尺三寸(かたみはにしゃくさんずん)
[信玄公と共に戦ったこの刀、これで仇を討ってくれ!]
二、傘持つても濡るる身(かさもつてもぬるるみ)
[おれは「攻め」なんだ、殿の「受け」じゃない!]
三、夢路の月代(ゆめじのかさやき)
[ぬしの唾は恋の味。すくいあげて飲みほし申す。]
四、東の伽羅様(あずまのきやらさま)
[離れていてもおそばにいます。動かぬ証拠はそのかけら。]
五、雪中の時鳥(せっちゅうのほととぎす)
[ホトトギスのためならば、ボクらの全てを捧げます。]

巻三
一、編笠は重ねての恨み(あみがさはかさねてのうらみ)
[恥辱を晴らすは衆道の義―。武士に劣らぬ稚児の心根。]
二、嬲りころする袖の雪(なぶりころするそでのゆき)
[雪責めしたのは、ただお前だけだと言ってほしかったから……。]
三、中脇差は思ひの焼け残り(ちゅうわきざしはおもひのやけのこり)
[死んだあいつの願いを叶えるために「走れ、半助」。]
四、薬はきかぬ房枕(くすりはきかぬふさまくら)
[叶わぬなら殺してしまえ美少年! お前こそ殺してやろう野暮男!]
五、色に見籠むは山吹の盛り(いろにみこむはやまぶきのさかり)
[純愛か狂気か、ひたすら見つめ続けた、最強のストーカー。]

巻四
一、情に沈む鸚鵡盃(なさけにしずむおうむさかずき)
[遊女に飽き、妻に先立たれ、最後に行き着くところは…やっぱり男色!?]
二、身替りに立名も丸袖(みがわりにたつなもまるそで)
[愛する人の代わりに死ねますか? 男色の意気地が奪った三人の命。]
三、待ち兼ねしは三年目の命(まちかねしはさんねんめのいのち)
[世にも奇妙な三角関係、―知らぬは松三郎ばかりなり……。]
四、詠めつづけし老木の花の頃(ながめつづけしおいきのはなのころ)
[シワシワな君に恋してる!―君は永遠の若衆だから……。]
五、色噪ぎは遊び寺の迷惑(いろさわぎはあそびでらのめいわく)
[えーっ?許嫁と結婚!?これでいいのか?……これでいいのダ!]

解説
参考文献ほか

著者プロフィール

染谷 智幸  (ソメヤ トモユキ)  (編著

茨城キリスト教大学教授。『西鶴小説論―対照的構造と〈東アジア〉への視座』(翰林書房、二〇〇五年)、染谷智幸/畑中千晶編『男色を描く 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉』(勉誠出版、二〇一七年)、西鶴研究会編『気楽に江戸奇談!RE: STORY井原西鶴』(笠間書院、二〇一八年)など。
○畑中千晶(はたなか・ちあき)【巻一の一、二、三】敬愛大学教授。『鏡にうつった西鶴 翻訳から新たな読みへ』(おうふう、二〇〇九年)、染谷智幸/畑中千晶編『男色を描く 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉』(勉誠出版、二〇一七年)、西鶴研究会編『気楽に江戸奇談!RE: STORY井原西鶴』(笠間書院、二〇一八年)など。

畑中 千晶  (ハタナカ チアキ)  (編著

敬愛大学教授。『鏡にうつった西鶴 翻訳から新たな読みへ』(おうふう、二〇〇九年)、染谷智幸/畑中千晶編『男色を描く 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉』(勉誠出版、二〇一七年)、西鶴研究会編『気楽に江戸奇談!RE: STORY井原西鶴』(笠間書院、二〇一八年)など。

佐藤 智子  (サトウ サトコ)  (

東京都公立小学校教諭。「研究史を知る『武道伝来記』」『西鶴と浮世草子研究』」Vol.3(笠間書院、二〇一〇年)、「校注・解説」『「むだ」と「うがち」の江戸絵本 黄表紙名作選』(小池正胤著、笠間書院、二〇一一年)、「小学校における草双紙作品の教材活用について(その一)~(その三)」(『叢 草双紙の翻刻と研究』第37号、二〇一六年二月~第39号、二〇一八年二月)など。

杉本 紀子  (スギモト ノリコ)  (

東京学芸大学附属国際中等教育学校主幹教諭『「むだ」と「うがち」の江戸絵本 黄表紙名作選』(小池正胤箸、笠間書院、二〇一一年)(校注・解説)、『国語教師のための国際バカロレア入門―授業づくりの視点と実践報告』(半田淳子編著、大修館書店、二〇一七年)(第2章④解説)、「国立国会図書館蔵 黄表紙『王子長者』について」(『叢 草双紙の翻刻と研究』第39号、二〇一八年二月)など。

濵口 順一  (ハマグチ ジュンイチ)  (

男色文学研究家・博士(日本文化)。「野傾物の発生と消滅―江島其磧の作品を中心に」(『日本文学』52巻6号、二〇〇三年六月)、「『男色子鑑』と『男色大鑑』―山八と西鶴を巡って―」(『解釈』50巻9・10号、二〇〇四年一〇月)。

浜田 泰彦  (ハマダ ヤスヒコ)  (

佛教大学准教授。西鶴研究会編『気楽に江戸奇談! RE:STORY 井原西鶴』(笠間書院、二〇一八年)、「『世間親仁形気』〈祝言〉の方法―「老を楽しむ果報親父」の『文正草子』利用をめぐって―」(『京都語文』第二三号、二〇一六年一一月)、「『色里三所世帯』の再検討―「天子」を真似る外右衛門―」(『鯉城往来』第一九号、二〇一六年一二月)など。

早川 由美  (ハヤカワ ユミ)  (

奈良女子大学博士研究員・愛知淑徳大学非常勤講師 『西鶴考究』(おうふう、二〇〇八年)、『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』(白澤社、二〇一七年)、「資料紹介 川喜田石水「見たき本」目録―近世期地方知識人の書物意識―」(『叙説』四五号 、二〇一八年三月)など。

松村 美奈  (マツムラ ミナ)  (

愛知教育大学・愛知大学非常勤講師。西鶴研究会編『気楽に江戸奇談!RE:STORY 井原西鶴』(笠間書院、二〇一八年)、『仮名草子集成 第53巻』(共著、東京堂出版、二〇一五年)、「『和漢乗合船』典拠考―運敞著『(正続)寂照堂谷響集』との関係から」(『日本文学』62巻3号、二〇一三年三月)など。

あんどう れい  (アンドウ レイ)  (

SNSに江戸を舞台にした、江戸こぼれ話BL漫画「エドと右京」を投稿。『男色大鑑ー無惨編ー』(KADOKAWA)など。

大竹 直子  (オオタケ ナオコ)  (

歴史・時代物を中心とした漫画。月刊『COMIC魂』劇画寄席落語の間シリーズ連載中。『白の無言』(竹書房)、『写楽』『源平紅雪綺譚』『秘すれば花』『しのぶれど』『百々之助☆変化』『阿修羅の契』(小池書院)など。

九州男児  (キュウシュウダンジ)  (

松山花子/九州男児(まつやま・はなこ/きゅうしゅうだんじ)
1993年学研よりデビュー。主要作品に、『課長の恋』(ビブロス、リブレ出版)、『ネコ侍』(日本文芸社)、『ヨメヌスビト』(オークラ出版)など。『男色大鑑-武士編』『男色大鑑―歌舞伎若衆編』『男色大鑑―無惨編』(KADOKAWA/エンターブレイン)の3巻全てに執筆している。

こふで  (コフデ)  (

プランタン出版『Canna』vol.57にて読み切り「春はまだ交わらない」で商業デビュー。2018年5月から本格的に漫画、絵の仕事を開始。江戸をメインジャンルとして商業誌を中心に活動中。

紗久楽 さわ  (サクラ サワ)  (

江戸風俗考証に忠実な漫画。江戸BL漫画「百と卍」(祥伝社)連載中。同作が『このBLがやばい!2018年度(宙出版)』第一位、『ちるちるBLアワード2018』次に来るBL部門第一位と、二冠を達成。ドラマCD化も果たした。代表作はNHK木曜時代劇化作品・畠中恵原作『まんまこと』コミカライズ(秋田書店)、初連載作品『かぶき伊左』(KADOKAWA/エンターブレイン)は2014年文化庁メディア芸術祭にて委員会推薦作品を受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。