書店員向け情報 HELP
韓国映画・ドラマ――わたしたちのおしゃべりの記録2014~2020
- 書店発売日
- 2021年3月1日
- 登録日
- 2021年1月15日
- 最終更新日
- 2021年2月9日
紹介
世界の映画賞を独占した『パラサイト 半地下の家族』『はちどり』、そして韓国ドラマブームを再燃させた『愛の不時着』などで勢いづく韓国映画・ドラマ。その魅力を、2014年から語り合ってきたふたりの、ウェブ媒体や雑誌でのテキストに新録分を追加した対談&評論集。
社会性と娯楽性のハイブリッド、ジェンダーや階層への配慮、真摯なメッセージ性など、あらゆる要素の洗練度を極めた韓国の映画・ドラマの世界と韓国の社会を、日本との比較も含めながら、女ふたりでしゃべりつくしました! また、映画・ドラマとシンクロして昨今盛り上がりを見せる韓国文学やそこから派生したフェミニズム議論などについての話も。ふたりのおしゃべりを、存分にご堪能ください。
目次
●目次
●はじめに 西森路代
■1章 2020年に日本公開された象徴的な二作品
『パラサイト 半地下の家族』と『はちどり』について
対談:西森路代&ハン・トンヒョン
・『パラサイト 半地下の家族』を掘り下げる
・一生懸命生きない世界
・ポン・ジュノとパク・チャヌクの「隙のなさ」
■2章 2010年代の韓国映画(対談、評論)
■社会学的視点で語る韓国映画の世界~雑多な要素、強靭な土台、社会問題のエンタメ化など
■「アイドルを消費する」日本に、『マッドマックス』が投下したもの
■恋愛関係でなくても男女は協力できる 「当たり前」を描いた『マッドマックス』が賞賛される皮肉
●『ベテラン』とその後のアクション映画に描かれる「敵」とは 西森路代
●韓国映画・ドラマの「正しさと面白さ」――不正義への目線、エンターテインメントが持つ力への信頼とその技量
■陶酔させ、誰も不快にしない「正しさ」の洗練――映画『お嬢さん』
●『鋼鉄の雨』は韓国版『シン・ゴジラ』か? 韓国映画に通底する〝未完の近代〟としての自画像 ハン・トンヒョン
■権力に切り込む韓国映画、権力を取り込む日本映画
■自意識・実存から食うことへ 敵の見えない世の中を変えていくには…
●なぜ人は危険を冒してまで「報じる」必要があるのか 『タクシー運転手』が大きな反響を呼んだ理由 西森路代
●「砦」のような家族像、幻想 『パラサイト 半地下の家族』 ハン・トンヒョン
●『チャンシルさんは福が多いね』から考える「自分の人生を生きる」ということ 西森路代
■映画の見方論 : 考察と批評、〝良い会議〟の重要性
・映画と考察、そして批評
・「良くない会議」(悪い会議)について
・批評と正しいファンダム
・エンタメとフェミニズムなど
■3章 変わりゆく韓国ドラマ~世界のトレンドや日本との比較など
■内省的かつ、癒し系が主流の韓国ドラマの世界~際立つ日本の異質性
対談:西森路代×ハン・トンヒョン
・〝わかりにくさ〟を求め始めた韓国ドラマ
・内省的な傾向は世界のトレンド
・社会派志向のドラマと迷走する映画、日本独自のねじれ
・『愛の不時着』『梨泰院クラス』の異質な存在感
etc
■4章 韓国映画・ドラマのこれから~女性監督の躍進とヒット映画の変化にみる時代の気分
■『パラサイト 半地下の家族』、『はちどり』、そして『82年生まれ、キム・ジヨン』へ
対談:西森路代×ハン・トンヒョン
・次の世代が語り始めた〝わたしたち〟の物語
・『82年生まれ、キム・ジヨン』~映画版と小説との比較
・カジュアルで軽やか~韓国映画、最近のメガヒット作の傾向
・「わかりやすい敵」と「わかりにくい敵」
・険しい敵と闘う主人公たち~『保健教師アン・ウニョン』、『秘密の森』シリーズ
・『はちどり』で描かれた家族像~本当に希望を感じられるのは?
●初出一覧
●あとがき ハン・トンヒョン
上記内容は本書刊行時のものです。