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物品と動作の理解検査
「名詞/動詞の二重解離」その理論的背景と理解・呼称評価の重要性
- 初版年月日
- 2019年12月15日
- 書店発売日
- 2019年12月15日
- 登録日
- 2019年12月6日
- 最終更新日
- 2019年12月6日
紹介
私たちが言葉を理解し話すことができるのは、脳内で言語情報の処理がすみやかに行われているからである。では、言葉は脳内でどのように表象され処理されているのだろうか? 脳損傷を受けた方が示す言語機能の問題を検討して、この疑問に取り組もうとした研究者たちが中心となり、1984 年学術誌Cognitive Neuropsychology (「認知神経心理学」)が発刊された。この学問領域において、「二重解離」(課題A と課題B の成績において、ある患者さんではA が保たれB が障害されるが、別の患者さんではB が保たれA が障害される現象)が脳内の認知過程を解く鍵とみなされた。そのため、1980 年代から報告された「名詞/動詞の二重解離」の症例研究は、夥しい数にのぼる。こうした研究は、物品/動作を表す単語object words/action words の表出を求める呼称課題の結果に基づくものが殆どである。しかし呼称は意味処理をまず必要とする課題であるため、物品/動作を表す単語の意味理解課題でも二重解離が生じるのかどうかを検討することが、きわめて重要となる。もし、理解において呼称と同様の二重解離が認められるならば、脳内の言葉の意味表象について示唆が得られるからである。さらに、同一の刺激語を用いた「物品と動作」の理解/表出の評価は、的確な呼称セラピーをデザインするために必須である。こうした観点から、「物品と動作の理解検査」が開発された。
目次
はじめに
1.検査の目的と特徴
1.1 本検査開発の背景
1.2 本検査の目的と特徴
2.本検査の刺激語
3.本検査の実施方法と採点/評価方法
3.1 実施方法
3.2 採点/評価方法
4.本検査の作成過程
5.本検査の妥当性と信頼性
6.本検査の失語症患者への適用
6.1 本検査と「物品と動作の呼称検査」の失語症患者への適用結果
6.2 「名詞/動詞の二重解離」に関する先行研究を踏まえた検査適用結果の解釈
6.3 「名詞/動詞の二重解離」の理論的背景および臨床への示唆
文献
添付資料
上記内容は本書刊行時のものです。