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鷹の台の黄昏
発行:静人舎
4-6
縦188mm
横128mm
厚さ25mm
重さ 420g
448ページ
並製
定価
2,700円+税
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年4月25日
- 書店発売日
- 2023年4月26日
- 登録日
- 2023年4月13日
- 最終更新日
- 2023年4月24日
紹介
1970年代と80年代の東京を背景に、女性との関係を主軸に据え、主人公の知的遍歴、読書と研究の体験を重層的に織り交ぜた小説二篇。「聖処女讃歌」は吉行淳之介の『夕暮まで』を、「鷹の台の黄昏」は田山花袋の『蒲団』を彷彿とさせるものがあり、作者森魚名のダンディズム、「やさしさ」、廉直さがよく表れ、欲望を無理やり発動しない、積極的に対象と関わろうとしないナルシシズム、オナニズム、あるいは孤独なエゴイズムと表裏一体となった物語となっている。作中に「窃視」という言葉も自己言及的に使われているように、この2篇は自分史の体裁をとった「孤独な窃視者の夢想」でもある。
目次
鷹の台の黄昏
聖処女讃歌★ヴァージン・ブルース
自分史を仮構する・森魚名論(谷川渥)
前書きなど
●本書解説「自分史を仮構する・森魚名論」(谷川渥)より
森魚名の魅力、そのダンディズム、「やさしさ」、正直さ、廉直さは、欲望を無理やり発動しない、積極的に対象と関わろうとしないナルシシズム、オナニズム、あるいは孤独なエゴイズムと表裏一体のものである。どこかに「窃視」という言葉も自己言及的に使われていたと思うが、ここに拙著のタイトルを援用させてもらうなら、自分史の体裁をとった本書を「孤独な窃視者の夢想」と呼びかえることもできそうである。
いずれにせよ、「鷹の台の黄昏」の最後の一文こそ、安達史人=森魚名の実存の真骨頂を示していると言わねばならないだろう。「ただ、呼吸し、水割りを飲み、読書だけは終わることなく続き、追憶の感情の中で、ともかく〈生存〉を続けているだけなのであった」
上記内容は本書刊行時のものです。