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人のつながりと世界の行方 山田 孝子(編著) - 英明企画編集
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人のつながりと世界の行方 (ヒトノツナガリトセカイノユクエ) コロナ後の縁を考える (コロナゴノエンヲカンガエル)

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A5判
縦210mm 横148mm 厚さ10mm
重さ 370g
192ページ
並製
価格 1,000円+税
ISBN
978-4-909151-06-3   COPY
ISBN 13
9784909151063   COPY
ISBN 10h
4-909151-06-0   COPY
ISBN 10
4909151060   COPY
出版者記号
909151   COPY
Cコード
C0339  
0:一般 3:全集・双書 39:民族・風習
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年9月4日
書店発売日
登録日
2020年8月1日
最終更新日
2020年9月4日
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紹介

ヒトはその進化の過程において、家族や血族およびそれを超えた集団との「つながり」を育み、独自の社会を築くことで他の生物との差異を獲得し、行動範囲を拡げて数を増やしてきました。人類がここまで地球上の広い範囲に住めるようになったのは、「つながり」をつくってきたからに他なりません。

ところが近年では、家族だけを大切にし、親類づきあいや近所づきあいもあまりせず、コミュニティとの関係をほとんどもたずに暮らす人が多くなっています。また、友人も恋人もほしくない、結婚しない、家族をつくろうとしない人も増え、これについて肯定的な意見も多く耳にするようになりました。さらには若者を中心に、友人がいる人のなかでも、SNSやインターネット上でのバーチャルな「つながり」はあるものの、現実に会って会話をしたり、時間と空間を共有して何かをすることが少なくなってきている傾向があります。

しかし、そうした気運の一方で、誰にも看取られずに孤独死してしまう方がたくさんおられることや、頻発する自然災害への対応にはコミュニティの存在が不可欠なことを思えば、人間にとってリアルな「つながり」の重要性は不変です。それは人と人との接触の削減が求められるコロナ禍においても同様です。むしろ人と会えない時期のつらさは、「つながり」が人類にとってなくてはならないものであることをより強く浮かび上がらせました。

本書では、血縁・地縁・信仰縁・嗜好縁など、世界各地の民族や集団の多様な「つながり」の歴史と現在について、霊長類学、民族学、文化人類学の視点から比較・考察。共通点と差異を観察し、歴史的な変化の状況を踏まえて、コロナ禍を乗り越えて世界の人びとが安全かつ豊かに生きる方途を探ります。

目次

刊行にあたって

◆論考
「霊長類学から考える『つながり』と人間社会──共鳴力と共感力が築いた人類の歴史」
山極寿一

◆座談会Ⅰ
「『つながり』の変容から考える日本の未来──AI 時代にも変わらない共有・共感の必要性」
小河久志+桑野萌+小西賢吾+山極寿一+山田孝子

◆論考
「移動する人々のつながり──カザフ草原に生きる家族の事例から」
藤本透子

◆論考
「ローカル/グローバルをこえるつながりのダイナミズム──チベットのボン教徒を事例に」
小西賢吾

◆論考
「結婚と「つながり」のかたち──中央アジア南部のムスリム社会」
和崎聖日

◆座談会Ⅱ
「『つながり』を取り戻す比較文化力の可能性──ネットから離れて未知のフィールドへ」
小河久志+桑野萌+小西賢吾+坂井紀公子+藤本透子+山極寿一+山田孝子

◆論考
「人はどのような『つながり』のもとで生きてきたのか──希求される『つながり』の未来を読む」
山田 孝子

版元から一言

世界のどの地域に出かけても同じような「もの」があふれ、文化の違いがなくなりつつあると感じる一方で、文化による差異を思い知らされ、異文化理解に当惑することも少なくありません。
比較文化学は、文化人類学のみならず、地域研究、宗教学、社会学、文学、言語学など、さまざまな視点からの比較によって、文化の相違と共通性とを明らかにする学際的な学問領域です。比較文化学を学ぶことは、文化を相対化するまなざしを身につけ、他者(異文化)理解を深めることにつながります。
シリーズ「比較文化学への誘い」は、比較文化学の可能性を考え、その学びの世界へと誘う入門書です。
本書は、比較文化学の総論を示した1巻、食をテーマとした2巻、祭りをテーマとした第3巻、装いをテーマとした第4巻、弔いをテーマとした第5巻に続く第6巻です。
コロナ禍後の世界について提言を続ける山極寿一氏(第26代京都大学総長)が参加した座談会と論考を収録しています。

著者プロフィール

山田 孝子  (ヤマダ タカコ)  (編著

京都大学名誉教授。専門は人類学、比較文化学。研究テーマはチベット系諸民族の宗教人類学的・民族誌的研究、琉球諸島・ミクロネシアの自然誌的研究、アイヌ研究、シャマニズム、文化復興、エスニシティ

山極 寿一  (ヤマギワ ジュイチ)  (

第26代京都大学総長。専門は人類学、霊長類学。研究テーマはゴリラの社会生態学、家族の起源と進化、人間社会の未来像。

小河 久志  (オガワ ヒサシ)  (

金沢星稜大学人文学部准教授。専門は文化人類学、東南アジア地域研究。研究テーマはタイ・ムスリム社会の民族誌的研究、自然災害と社会・文化の関係。

桑野 萌  (クワノ モエ)  (

金沢星稜大学人文学部講師。専門は哲学的人間学・比較宗教学。研究テーマは東西の伝統思想からみる身体論、スペインと日本の比較思想研究。

小西 賢吾  (コニシ ケンゴ)  (

金沢星稜大学人文学部准教授。専門は文化人類学。研究テーマは宗教実践からみる地域社会・共同体論、チベット、ボン教徒の民族誌的研究。

坂井 紀公子  (サカイ キクコ)  (

金沢星稜大学教養教育部講師/京都大学アフリカ地域研究資料センター特任講師。専門は文化人類学、アフリカ地域研究。研究テーマはケニアにおける女性の商業活動と金融活動の文化人類学的研究、ウガンダ北部におけるてんかん性脳症患者と家族を支援するコミュニティー形成の医療人類学的研究、ウガンダ北部・紛争後社会のコミュニティー再生の文化人類学的研究。

和崎 聖日  (ワザキ セイカ)  (

中部大学人文学部講師。専門は人類学、中央アジア地域研究。

藤本 透子  (フジモト トウコ)  (

国立民族学博物館人類文明誌研究部准教授。専門は文化人類学。研究テーマはカザフスタンにおける社会再編とイスラーム実践。

上記内容は本書刊行時のものです。