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災害が来た!どうするマンション
- 初版年月日
- 2023年2月20日
- 書店発売日
- 2023年2月1日
- 登録日
- 2023年1月16日
- 最終更新日
- 2023年1月16日
紹介
近年、全国各地で自然災害が猛威を振るっています。
マンションは堅牢な建物ですから、通常の建物と比較すれば被害は少なくなる傾向がありますが、大きな災害が発生すると、一定の被害を受けることがありますし、災害の規模によっては建替え等を検討しなければいけない事態も考えらます。こうしたことから、近年は「マンション防災」の必要性が唱えられ、防災組織を設置しているマンションの数も増えています。
ところで、実際のマンション防災の検討をするときには、留意したいことが2つあります。1つが、これまでの災害で発生したことをベースに必要な準備を行うことです。具体的には兵庫県南部地震や東日本大震災、熊本地震のほか、2019年の台風19号の被害などが1つのベースになると思います。
留意すべき点の2つ目は、被災マンションを復興する際の手続きについての理解です。特に被害が大きくなると、使う法律も異なりますし、法律の中で適用される条項も違います。その意味で、防災を考えるときにはこの方向からの検討も不可欠となります。
本書は、前者については様々な被災事例を知る伊藤朋子が、後者についてはマンション再生問題に精通している大木祐悟が解説をすることでこの2つの視点からマンション防災のヒントを提供することを目的としています。また、先進的なマンション防災に取り組んでいるいくつかのマンションの事例等も紹介しています。
さて、大正12年に発生した関東大震災から、今年(令和5年)はちょうど100年という節目の年になります。できれば、今後も何事もなく過ごしたいとは思いつつも、十分な備えは必要です。そうした際に、本書が少しでも役にたつのであれば、これに勝る喜びはありません。
目次
はじめに
■第1章 はじめに
天災は忘れたころにやってくる
大規模災害に見まわれたとき
公助をあてにすべきか
マンションで防災を考えるときの基本
マンション防災をどのように考えるべきか
■第2章 災害がおきるとどうなる
ライフラインの停止
建物の被害
持病を持つ人は注意が必要
住民共助の不足による生活困難
情報不足、デマの流布
どこに非難すべきか
■第3章 マンション防災対策
はじめに
マンションの特性
「自助・共助・公助」についての総論
「自助」について~自らの身は自ら守ることの必要性~
共助・公助
防災マニュアルの必要性と作り方
管理規約の災害対応条項
管理組合として事前の準備をしている事例
この部分のまとめ
■第4章 被災マンションの復興の手続き
被災区分の確認
軽微損傷と一部滅失したときの復興の手続き
建替えについて
被災マンション法の適用(建物が全部滅失したとき等)
マンションの復旧の際に検討すべき制度
被災マンションの復旧手続きから見たマンション防災
■第5章 団地内の建物が被害をうけた場合の復旧
団地の棟が被災したときの対応の基本
団地の棟の一部が全部滅失したとき
再建や建替え承認決議で団地の復興をするときのその他の留意点
上記内容は本書刊行時のものです。