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Q&A「税理士(FP)」「弁護士」「企業CFO」単独で完結できる 中小企業・零細企業のための M&A実践活用スキーム 伊藤 俊一(著/文) - ロギカ書房
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Q&A「税理士(FP)」「弁護士」「企業CFO」単独で完結できる 中小企業・零細企業のための M&A実践活用スキーム (キュウアンドエーゼイリシベンゴシキギョウシーエフオータンドクデカンケツデキルチュウショウレイサイキギョウノタメノエムアンドエージッセンカツヨウスキーム)

ビジネス
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発行:ロギカ書房
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ18mm
重さ 590g
392ページ
定価 3,400円+税
ISBN
978-4-909090-35-5   COPY
ISBN 13
9784909090355   COPY
ISBN 10h
4-909090-35-5   COPY
ISBN 10
4909090355   COPY
出版者記号
909090   COPY
Cコード
C2034  
2:実用 0:単行本 34:経営
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年2月
書店発売日
登録日
2020年1月9日
最終更新日
2020年1月9日
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紹介

 本書の最大の特色は、税理士、弁護士等士業、FP、中小・零細企業CFO「各々だけで完結できる」小規模M&Aに係る各留意事項を実務直結で記載したことです。単なる制度解説的な教科書、また実務直結型ではない実務書とは大きく異なり、正に「実践書」の体を有しています。
 小規模M&Aでも日経新聞1面を飾るような公開企業M&Aにおいても、M&Aスキームの策定はタックスプランニングが全てです。M&A取引に係る諸費用の中で税金が最も大きいからです。小規模M&Aにおいては、買主の買収価格予算が明確に決定されていることから、翻って複雑なバリュエーションは不要であり、各種DDにおいても法務DDでけりがつき、財務DD等はそもそもやるまでもない、したがって財務DDの各手法の詳細を知らなくてもよい、というのが大方を占めるというのが現場での肌感覚です。プレM&AやインM&Aにおける法務DD等で少しでも売主側に疑念を生じたら、中小・零細企業においては破談が鉄則です
 伊藤俊一税理士事務所は、主に中小企業・零細企業の事業承継、資本政策、組織再編、M&A、相続対策等々に係るご質問に特化した「コンサル質問会」(主催:株式会社KACHIEL)のご回答、及び複数社の会計事務所、税理士法人様の上記に係る顧問業務を取り扱っています。
 本書のQ&Aは上記の「実際に税理士等士業様」からご質問・ご相談を受けた事項をヒントに、Ⅱ実践編において①総論・プレM&A、②法務DD、③財務DD・税務DD、④バリュエーション、⑤譲渡価格決定最終局面、⑥その他諸実務、⑦その他補論(MEBOスキーム、廃業、不動産M&A等々)に分類し直し、再編集したものです。
 類書においては、M&Aの手法として合併等各種組織再編成の手法が列挙されていますが、一切言及していません(不動産M&Aでは会社分割を利用するため言及しています)。実務では株式譲渡と事業譲渡(又は個別資産の売買契約)の2(3)択だからです。また、株式譲渡と事業譲渡(又は個別資産の売買契約)の有利・不利判定に係る精緻なシミュレーションも一切言及していません。勘所があり(この勘所については当然言及しています)、それが理解できていれば、直感で有利・不利は判定できるからです。
 一方DCF法や類似上場会社比較法は自身でも調べれば評価可能であるし、各種DDについては中小・零細企業における調査箇所は典型化しているため詳述を施しています。DCF法や財務DDは税理士の方も苦手にされている方が多いですが、原則として冒頭述べた通り実務ではそれほど登場しないものの、いざ依頼された時のために手順を詳細解説しています。
 なお、候補先の選定、「何を買えばよいか、売ればよいか」についてもほぼ言及していません。候補先の選定は経営戦略の領域だからです。第三者たる税理士等士業、FP等に経営上の意思決定はできません。期待してもいけません。士業全般はいわゆる大規模事務所も含めて自身が中小・零細企業の自営業者にすぎないことから、「経営」コンサルティングをすることは不可能だからです。

目次

Ⅰ 総論・M&A入門編
QⅠ-1 中小・零細企業における事業承継の選択肢
QⅠ-2 中小企業のM&Aの特徴
QⅠ-3 第三者M&Aのメリット・デメリット
QⅠ-4 中小・零細企業のM&Aマーケットの特徴
QⅠ-5 第三者M&Aにおけるスキーム概要
QⅠ-6 株式譲渡・事業譲渡の全体像
QⅠ-7 M&Aに関する基本的な用語
QⅠ-8 第三者M&Aにおける一般的な全体の流れ
QⅠ-9 第三者M&Aに係るより詳細な流れ
QⅠ-10 第三者M&Aプロセスにおける初動
QⅠ-11 買主側での簡易的な投資レンジ(投資の許容幅)の決定方法
QⅠ-12 将来M&Aを検討している売主側で企業価値を予めなるべく引き上げたい場合の方法
QⅠ-13 売主のM&Aディスクローズタイミング
QⅠ-14 M&Aに登場する各種契約書
QⅠ-15 クロージングに必要な準備物
QⅠ-16 各種DDの基本的な考え方
QⅠ-17 M&A取引における軽減税率制度
QⅠ-18 MEBOスキームを選択した場合の留意点
QⅠ-19 廃業する場合の留意点
Ⅱ M&A実践編
Ⅱ① プレM&A
QⅡ①-1 M&Aプロセスにおけるステージ別の各種コスト
QⅡ①-2 オーナー個人財産の解消、会社への貸付金の解消方法
QⅡ①-3 オーナー個人財産の解消、会社への借入金の解消方法
QⅡ①-4 M&Aに係る課税関係
QⅡ①-5 善管注意義務とタックスプランニング
QⅡ①-6 株式譲渡、事業譲渡の課税関係総論
QⅡ①-7 株式譲渡と事業譲渡の税効果における有利・不利判定
QⅡ①-8 事業譲渡スキームの法務と税務のポイント
QⅡ①-9 株式譲渡の詳細
QⅡ①-10 株式譲渡で売主が個人の場合における課税関係
QⅡ①-11 事業譲渡における退職金支給/金銭配当・現物配当の有利・不利判定
QⅡ①-12 株式譲渡で売主が個人の場合における株式譲渡後の節税策
QⅡ①-13 株式譲渡で売主が法人の場合における課税関係
QⅡ①-14 株式譲渡で売主が法人の場合における少数株主からの株式買取とみなし贈与発動可能性
QⅡ①-15 株主譲渡で売主が法人の場合において事前配当する場合の留意点/資本剰余金と利益剰余金の同時配当の危険性(東高令和元年5月29日判決)
QⅡ①-16 株式譲渡で売主が法人の場合において、法人株主の売却益課税を減少させる手法
QⅡ①-17 株式譲渡における税務上のその他の留意点
QⅡ①-18 適格現物分配に見られる組織再編成における事業単位の考え方
QⅡ①-19 適格現物分配における重要な質疑応答事例
QⅡ①-20 残余財産分配以前の子会社株式評価損計上の可否
QⅡ①-21 株式譲渡スキームにおける個人株主、法人株主混在パターンの実例、違法配当の有効性
QⅡ①-22 持分あり医療法人M&A(持分譲渡スキーム)の実践事例/理事退職金の過大性の考え方
QⅡ①-23 事業譲渡スキームの法務と税務のポイント
QⅡ①-24 一定の国、地域にある事業だけを「除外して」M&Aできるか:域外適用リスク遮断の可能性
QⅡ①-25 事業譲渡の特徴
QⅡ①-26 事業譲渡と会社分割の選択
QⅡ①-27 事業譲渡における第2次納税義務完全遮断スキーム
QⅡ①-28 事業M&Aにおいて、「敢えて税制非適格」分社型会社分割により事業の一部を第三者へ売却するスキームの基本的思考
QⅡ①-29 事業譲渡か現物資産売買かに係る実践事例及び留意点
QⅡ①-30 事業譲渡における売主側の退職債務の取扱い
QⅡ①-31 事業譲渡における負ののれんの基本的な考え方と取扱い
QⅡ①-32 事業譲渡における負ののれんに係る質疑応答事例
QⅡ①-33 同族法人間M&Aにおいて事業譲渡した場合の営業権の評価
QⅡ①-34 第三者M&Aにおいて欠損会社が事業譲渡する場合における営業権の評価
QⅡ①-35 得意先を含めた資産の譲渡の所得区分について
QⅡ①-36 税理士事務所の事業承継 営業権譲渡に係る課税関係
QⅡ①-37 最終契約書が事業譲渡契約書である場合の消費税の取扱い
QⅡ①-38 事業譲渡と清算の最適タイミング
QⅡ①-39 税効果やその他の考慮要素(簿外債務遮断等)を除外してでも、株式譲渡ではなく事業譲渡を敢えて選択した事例
QⅡ①-40 参考:「敢えて」非適格組織再編成の基本的な考え方
QⅡ①-41 株式交付制度(自社株対価M&A、2019年10月18日閣議決定会社法改正案)の概要とその実効力
QⅡ①-42 ソフトバンクGのグループ内M&Aを利用した節税策と令和2年税制改正による封じ込めの内容
QⅡ①-43 データセクション株式会社の自社株対価M&Aについて
Ⅱ② 法務DD
QⅡ②-1 法務・財務・税務DDリクエストリストの雛形
QⅡ②-2 M&A取引における各ステージ別典型的リスク回避/MAC条項等
QⅡ②-3 株式譲渡と事業譲渡に関連する会社法、民法(表明保証と錯誤・不実表示)
QⅡ②-4 株式譲渡と事業譲渡に関連する金融商品取引法
QⅡ②-5 株式譲渡、事業譲渡、会社分割に関連する独占禁止法
QⅡ②-6 株式譲渡と事業譲渡に関連する労働法及び労働法裁判例
QⅡ②-7 未払い残業代に対する時効援用
QⅡ②-8 表明保証ドラフティングにおける税理士から弁護士への税務面のアドバイス
QⅡ②-9 法務DDの代表的な留意点(登記懈怠、知的財産、不文律取引、チェンジオブコントロール条項等々)
QⅡ②-10 平成26年会社法における詐害行為取消権の改正と民法改正/破産法の否認権
QⅡ②-11 破産法による否認リスクの回避手法
QⅡ②-12 実質債務超過状態での事業譲渡での詐害行為の実務的対応
QⅡ②-13 M&A取引に係る税務判例(大阪高裁平成14年10月10日判決)
Ⅱ③ 財務DD・税務DD
QⅡ③-1 財務DDの基本的考え方
QⅡ③-2 財務DD:損益計算書項目精査実践的手順
QⅡ③-3 財務DD:貸借対照表項目精査実践的手順
QⅡ③-4 財務DDのうち債権・棚卸資産についての基本的な考え方:通常申告で評価減しないものの考え方
QⅡ③-5 財務DDレポートの記載例、バリュエーションへの反映のさせ方
QⅡ③-6 税務DDの基本的な考え方・実践的手法
QⅡ③-7 大阪UCCホールディングス事件 大地平成23年7月25日、M&AにおけるDD、表明保証の留意点
QⅡ③-8 買主側が譲渡代金を自身で用意できない場合のLBOローンとDDの基本的な考え方
Ⅱ④ バリュエーション
QⅡ④-1 中小・零細企業におけるM&Aに係るバリュエーション(valuation)の基本的考え方
QⅡ④-2 中小・零細企業に係るM&Aにおけるバリュエーション(valuation)の各手法
QⅡ④-3 中小・零細企業のバリュエーションの現実
補問   公開企業M&Aにおけるバリュエーションの傾向、非上場企業におけるプレミアムの程度
QⅡ④-4 中小・零細企業に係るM&AにおけるFCF法(主にDCF法)の考え方
QⅡ④-5 税理士・FP・弁護士・企業CFOでも可能なDCF法算出方法
QⅡ④-6 中小・零細企業に係るM&Aにおける類似上場会社法の基本的な考え方
QⅡ④-7 税理士・FP・弁護士・企業CFOでも可能な具体的な類似上場会社法の算定方法
QⅡ④-8 中小・零細企業に係るM&Aにおける時価純資産法(修正簿価純資産法)の考え方
QⅡ④-9 時価純資産法(修正簿価純資産法)における繰延税金資産・繰延税金負債の計上必要性
QⅡ④-10 年倍法(年買法)の算定方法
QⅡ④-11 EV/EBIDA倍率の考え方
QⅡ④-12 バリュエーションにおける「極めて属人的な会社」の営業権の考え方
QⅡ④-13 バリュエーションにおける租税法上の自己創設のれんの考え方
QⅡ④-14 バリュエーションにおける租税法上の自己創設のれんについて具体的な記載例
QⅡ④-15 バリュエーションと租税法基準の関係
QⅡ④-16 就業規則等諸規定の内容確認とバリュエーションの関係
Ⅱ⑤ 譲渡価格決定最終局面
QⅡ⑤-1 各種DDで指摘された場合の原則的な対応方法
QⅡ⑤-2 価格交渉の方法
QⅡ⑤-3 中小・零細企業におけるアーンアウト条項の実効性
QⅡ⑤-4 アーンアウト条項を採用する場合の留意点
QⅡ⑤-5 代金分割払い・アーンアウト条項についての税務判例
QⅡ⑤-6 クローバック条項とアーンアウト条項の差異
QⅡ⑤-7 クロージング後の価格調整の実効性
QⅡ⑤-8 他の動態的価格調整条項 種類株式設定、借入金の段階的債務免除(債務放棄)
QⅡ⑤-9 譲渡価格にPMI費用を加算することの実効性
QⅡ⑤-10 事業承継税制(特例)を利用したM&A譲渡価格減額要請リクエストの方法・実効性
Ⅱ⑥ その他諸実務
QⅡ⑥-1 M&Aについてその留意点、売主側オーナーが一定期間役員等して残任するリスク等
QⅡ⑥-2 M&A関連費用の取扱いについて基本的な考え方・裁決
QⅡ⑥-3 株式買収の取得価額に参入すべきM&A費用等の算入すべき金額の時期
QⅡ⑥-4 事業譲渡スキームにおけるM&A費用等の取扱い
QⅡ⑥-5 売主側が従業員が多い会社の場合、M&A実行前に実行する法人住民税均等割削減スキーム
Ⅱ⑦ その他補論(MEBO、廃業、不動産M&A等)
QⅡ⑦-1 MBO、EBOスキームについて留意点
QⅡ⑦-2 MBO、EBOスキームについて直接買取方式
QⅡ⑦-3 MBO、EBOスキームについて自己株式取得方式
QⅡ⑦-4 MBO、EBOスキームについて持株会社方式(新設法人資金調達型スキーム)
QⅡ⑦-5 MBO、EBOスキームについて持株会社方式(新設法人資金調達型スキーム)に係る持株会社を存続させる場合・させない場合についての返済方法の相違
QⅡ⑦-6 MBO、EBOスキームについて持株会社と本体会社を合併させる場合の税務上の留意点
QⅡ⑦-7 MBO、EBOスキームについてその他実務上の留意点
QⅡ⑦-8 MBO、EBOスキームについて留意すべき質疑応答事例
QⅡ⑦-9 MBO、EBOスキームに係る後継者の資金負担軽減策
QⅡ⑦-10 適切な法人の廃業タイミング
QⅡ⑦-11 個人廃業時における税務上の留意点
QⅡ⑦-12 廃業時の連帯保証と民法改正
QⅡ⑦-13 不動産M&Aの概略/土地譲渡類似株式等とその例外
QⅡ⑦-14 適格分割型分割+清算スキームに係るみなし贈与の課税関係
QⅡ⑦-15 会社分割に係る債権者保護手続きのうち個別催告の実務的対応

著者プロフィール

伊藤 俊一  (イトウシュンイチ)  (著/文

1978年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務専攻修士課程修了。同博士課程(専攻:租税法)在学中。コンサルティング会社にて税分野を担当。特に、事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験。同業,、他士業からの御相談件数は20,000件を超える。
・厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定(国家資格)試験委員
・認定経営革新等支援機関
【執筆実績】
ロギカ書房『Q&A 中小・零細企業のための事業承継戦略と実践的活用スキーム』ロギカ書房 2019年、『Q&A 中小企業のための資本戦略と実践的活用スキーム』ロギカ書房 2019年、『Q&A非上場株式の評価と戦略的活用マネジメント』ロギカ書房 2019年、『みなし贈与のすべて』ロギカ書房 2018年、税務会計研究第30号「エンプティ・ホーディングにおける共益権の租税法上の評価」、他多数。東京税理士会等セミナー件数は年間約150本を超える。

上記内容は本書刊行時のものです。