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不親切教師はかく語りき
主体性を伸ばすための47の対話
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2025年7月9日
- 書店発売日
- 2025年7月6日
- 登録日
- 2025年6月3日
- 最終更新日
- 2025年6月18日
紹介
賛否両論。教育界を揺るがしたベストセラー 待望の〈対話編〉
よけいな親切をしないことこそが、子どもたちを主体的にし、自らの力を発揮できる環境をつくる真の親切であり、本当の愛情である――そう語った〔不親切教師〕に寄せられた疑問・質問・意見・批判。それらの問いに丁寧に答えつつ語る具体的で実践的な教育理念。
目次
第一章 無理解に気付く
❶ 親切教師は「熱心な無理解者」
❷ 「先生の話は聞くもの」か
❸ 「みんななかよく」できない前提がある
❹ 指導の成果ではなく発達の結果
❺ 教師は安全基地ではない
❻ 「おもらし」が多い理由
❼ 暴力や暴言の陰にある「助けて」の声
❽ マラソン大会という無理解
❾ 教師は「許さない」ができない
❿ 背の順は多様性の尊重と逆行
第二章 バランスをとる
❶ 「みんなでドッジボール」という人権感覚の鈍さ
❷ 礼儀は人間関係の潤滑油
❸ 「揃える」から「スタンダード」へ
❹ 服装規定というルール
❺ 「指導」と「支援」
❻ 「強制」と「選択」
❼ マスク着脱を「強制」できるか
❽ 「多様性を認める」とは
❾ ルール設定は適切な評価とセットで
❿ 「積極的不行動」と「消極的不行動」を見極める
第三章 「そこじゃない」
❶ 「きちんと」を求めすぎていないか
❷ 「夏休みのしおり」による管理
❸ 正解は「どちらか一方」か
❹ 「我慢」の美徳をはき違えない
❺ 親切が「不正行為」になるとき
❻ 「例年通り」は消化行事
❼ 体育がつくる「運動嫌い」
❽ 「栄養バランス」「三角食べ」より大切な食育
第四章 不親切教師的「切り返しの技術」習得のススメ
❶ 親切が学びの妨げになる
❷ 不親切が引き出す子どもの優しさ
❸ 「同じこと」の中でこそ育まれる個性
❹ 働き方改革に実効を
❺ 「難問」で挑戦意欲を引き出す
❻ 連絡帳は返事一文&すぐ電話
❼ 保護者の努力は全肯定
❽ 宿題を出す目的
❾ 失敗を歓迎しよう
第五章 心配を手放す
❶ 「教科書を終わらせる」は目的じゃない
❷ 枠の中での自由
❸ ドリルを丁寧に見るよりこまめな小テストで
❹ 学校で起きたことは学校で
❺ 説明はシンプルなほどよく伝わる
❻ 心配事はパス(手渡し)しよう
❼ 心配を取り除くための先回り
❽ 「全員に平等に」という思い込み
❾ 「全員に同じ成果を」という義務感
❿ 保護者からの要望対応に線引き
版元から一言
本書は、話題作「不親切教師のススメ」に寄せられた疑問や反響に答えるべく執筆されました。リアルな状況設定の中で「不親切教師」として望ましい行動の数々が描かれていますが、単なる事例集と違うのは、行動の背景であり常に頭においておきたい指摘が各章の見出しとなって章全体を貫いている点です。
例えば、第一章は「無理解に気付く」。見えていないことに気付き認める大切さを説きます。
「現代の子どもを理解する要素として、大人世代よりも「速い」ということが挙げられます。とにかく速い。(中略)そんな時代に育った子どもたちが、興味のない話を何十分間も延々黙って聞けるでしょうか。最近の子どもがだらしないとかいう問題ではなく、環境の変化による当然の結果と捉えられるでしょう。」「「先生の話は聞くのが当たり前」という前提を捨てましょう。(中略)現代の子どもたちのスピード感は、教師があれこれとこと細かな説明をすることに耐えられなくなっているのです。」
話を聞かない子どもがいても怒ったり落ち込んだりせず、目の前の子どもをありのままに受け止める。この適度な距離感は不親切教師だから持てるのでしょう。
そこではじめて子どもへのベストな対応を改めて考える余裕が生まれ、主体的に考える教師が育っていきます。
また、発達し成長していく子どもたちの力を信じ、必死に子どもを育てている保護者の努力を全肯定する姿勢が「不親切」を支える重要なポイントであるとも気づかされます。
学校教育がもっと良いものになっていく、そんな明るい予感に満ちた一冊です。
上記内容は本書刊行時のものです。