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地球謎解きの旅
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2025年11月1日
- 書店発売日
- 2025年11月5日
- 登録日
- 2025年9月21日
- 最終更新日
- 2025年11月6日
紹介
研究対象で区分すると、自然科学は生き物を対象とする生物学と、無生物学を対象とする地学に区分される。自然科学と聞いて、物理学や化学、数学を思い浮かべるが、それらは自然物ではなく、科学研究するために人間が考案した道具である。なので、物理や数学が苦手でも自然に親しむことはできる。この観点から、日常生活のなかで得られた経験則や感性で、6つの地球の謎を解き明かしていく。6つしか地球の謎がない、のではなく、これは謎に向き合ったときの考え方のヒントでもある。謎解きをぞんぶんに楽しんでもらいたい。
目次
「地球謎解きの旅」執筆にあたって
序章 地球科学独説「芝の不整合」
地質学説の確執と想定外の大地震
……… 1.地質学と地震学
……… 2.芝の不整合のあけぼの
2―1 学会の民主化と大学紛争
2―2 深夜の地下室での秘儀
2―3 整合と不整合
2―4 研究発表会場の罵声
……… 3.放散虫革命
3―1 銭子が肝心
3―2 テーブルクロスと付加体
3―3 ベッコウ飴の目抜き
3―4 NOMの力
……… 4.応用地質学と地球史
4―1 地球を知るということ
地球謎解きの旅
1つめの謎 太平洋と大陸の面積が等しい
1 広島土産の風船ようかん
2 パンゲアと太平洋の海岸線
3 全大陸の面積と太平洋の面積
4 待てば解路のお菓子あり
2つめの謎 岩を握り潰す
1 地殻内地震の深度
2 地球の構成
3 岩石の強度試験
4 地殻の強度
3つめの謎 津波の到達する時間
1 大津波到達時間の比較
2 小説『日本沈没』
3 日本列島の地質構造
4 東北日本外帯は三陸沖の海底
5 東北日本の変形
6 アイソスタシー検討
4つめの謎 日本列島の四の字固め
1 四の字固め
2 大西洋中央海嶺
3 ステレオ投影法
4 地球の2大断層
5つめの謎 北極上空から見た大陸移動
1 視点を変える
2 ウエゲナーのパンゲア
3 プレートの移動とパンゲアの分裂
4 日本列島の軌跡
6つめの謎 鍋の味噌汁とマントル対流
1 味噌汁は冷えるのにマントルは冷えない?
2 エネルギーの転換
3 プレートの移動と発熱
4 マントル対流と層構造の形成
5 マントル対流と味噌汁
あとがき
前書きなど
地球謎解きの旅は、私のライフワークの地質研究で浮かんだ疑問を私なりに解いたものです。
科学を研究対象で区分すると、自然科学は生き物を対象とする生物学と無生命物を対象とする地学に区分されます。自然科学といえばまず物理学や化学また数学を思いますが、これらは自然物ではなく、科学研究するために人が考案した道具です。
物理や数学が苦手でも自然に親しめます。そのような観点から日常生活で得られた経験則や感性で理解できるよう心がけて作成しました。
現在、多くの人が、地学や地質研究に携わっていない人であっても、プレートテクトニクス説の考え方を知っています。地学や地質学にかぎらず、新しい考え方や理論は日進月歩に更新されます。そうしたなかにあって、大切なのは、新しい理論で発見された事実を、新しい情報をただ流布するだけではなく、「なぜそうなるのか」「不思議なことだな」と疑問をもって、観察し、考察し続けることです。
前置きが長くなりました。では、いっしょに、身近な地球の謎解きの旅にでかけましょう。
版元から一言
地盤工学、固体地球科学を研究分野とし、日本でも数少ない応用自然史学のパイオニアとして広い領域で長年活躍している著者が、ライフワークとして地質学者の視点と、感性を手がかりに、地球の謎を解き明かす科学読本。地質学や自然科学に専門知識がなくても、謎解きが楽しめる一冊。
上記内容は本書刊行時のものです。
