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巻次:vol.5vol.5
荒野の詩
- 初版年月日
- 2021年5月4日
- 書店発売日
- 2021年5月6日
- 登録日
- 2021年4月29日
- 最終更新日
- 2021年4月29日
紹介
◆コロナ禍の日本に送る“ブレない”ものたちからのメッセージ
2019年末、人類に突如襲いかかった新型コロナウイルス。あっという間に他人事が自分事に、非日常が日常に──3.11でも直面した「目に見えないものの恐怖」が全世界を覆い、それを前に隙あらば思考停止(フリーズ)する日本社会の“脆弱性”があらためて明らかになっています。コロナ禍で突如眼前に広がったように見えた荒野、それは在ったものの表出に過ぎなかったのかもしれません。
ふだんは隠れていたもの、見えにくかったもの、見て見ぬふりをしていたもの、と対峙せざるを得なくなった2020年以降。かつてなくキツイ状況が拓いた新たな道は、それでも決して悪いことばかりではないはず。日常となった非日常から見た元の日常に対する違和感(拒否感)こそ、コロナ禍での経験から人が今後行く道を照らす英知を獲得するための手がかりとなるような気がします。
それにしても。これほど既存の価値観が揺さぶられる状況においても他者を惹きつける存在といえば? やはり“ブレない”人ではないでしょうか。すぐれた体幹と心幹を備えた真っ当に素敵な人はもちろん、(他者の理解は得られにくくとも)自分の中で一本筋が通った人。荒野においても風に耳を傾け、詩を吟じる人。サウイフモノニ ワタシハナリタイ── というわけで、本特集ではそんな8人と1作品(友川カズキ・平野勝之・近藤哲平・映画『寛解の連続』・三上寛・飯田華子・曽根賢(PISSKEN)・杉作J太郎・ジャン相見)とその詩情あふれる世界に迫ります。
目次
■沁みるひと言 ニール・ヤングの言葉より
■〈巻頭特集〉友川カズキ 荒野を行く人
ドキュメンタリー映画『どこへ出しても恥かしい人』が描き出す孤高のアーティストの魅力とは/友川カズキと言葉/友川カズキと海外/海外のファン・スタッフ・友川本人へのインタビュー/友川カズキと絵
■〈写真エッセイ〉平野勝之「手当て──コロナ禍に思う事。」
■〈写真エッセイ〉近藤哲平「I Believe To My Soul 2020-2021」
■〈注目映画〉『寛解の連続』荒野で吠える ラッパー小林勝行の世界
■〈体験レポ〉三上寛×飯田華子 自分の内なる詩を探しに 三上寛詩学校レポ&インタビュー
■〈論考エッセイ〉曽根賢(PISSKEN)「東北人にはなぜ詩人とパンク・ロッカーが多いのか?」
■〈詩〉杉作J太郎 22篇を一挙紹介
■〈詩〉ジャン相見 詩はじめました
上記内容は本書刊行時のものです。