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暴力と紛争の“集団心理” 縄田 健悟(著) - ちとせプレス
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暴力と紛争の“集団心理” (ボウリョクトフンソウノシュウダンシンリ) いがみ合う世界への社会心理学からのアプローチ (イガミアウセカイヘノシャカイシンリガクカラノアプローチ)

社会科学
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四六判
縦188mm 横128mm 厚さ21mm
重さ 300g
384ページ
並製
価格 2,700円+税
ISBN
978-4-908736-24-7   COPY
ISBN 13
9784908736247   COPY
ISBN 10h
4-908736-24-3   COPY
ISBN 10
4908736243   COPY
出版者記号
908736   COPY
Cコード
C1011  
1:教養 0:単行本 11:心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年2月28日
書店発売日
登録日
2022年1月5日
最終更新日
2022年3月3日
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書評掲載情報

2024-07-20 朝日新聞  朝刊
2022-04-18 週刊エコノミスト    4月26日号
評者: 荻上チキ
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紹介

「我々」には戦う理由(ワケ)がある
人類史上,幾度となく起きてきた集団による暴力や紛争。集団暴力や集団間紛争はなぜ起きるのか? それらを解消することはできるのか? コミット型,生存戦略型の2つの「集団モード」の観点から,人間の心理・社会過程,集団間相互作用過程を捉え,暴力や紛争が誘発されるメカニズムを読み解く。

目次

序章 暴力と紛争の“集団心理”――社会心理学の視点から
第Ⅰ部 内集団過程と集団モード
第1章 集団への愛は暴力を生み出すか?
第2章 集団への埋没と暴力――没個性化、暴動
第3章 「空気」が生み出す集団暴力
第4章 賞賛を獲得するための暴力――英雄型集団暴力
第5章 拒否を回避するための暴力――村八分回避型集団暴力
第Ⅱ部 外集団への認知と集団間相互作用過程
第6章 人間はヨソ者をどう見ているのか?――偏見の科学
第7章 「敵」だと認定されるヨソ者――脅威と非人間化
第8章 報復が引き起こす紛争の激化
第Ⅲ部 暴力と紛争の解消を目指して
第9章 どうやって関わり合えばよいのか?――暴力と紛争の解消を目指して

前書きなど

本書は集団の暴力と紛争に潜む〝集団心理〟に迫っていくことを目的とした本である。
私は、戦争や紛争を生じさせる〝集団心理〟がずっと不思議だった。
私はあまり暴力的な人間ではない。小さい頃から友達と殴り合いの喧嘩なんてしたこともないし、昔も今も他人を怒鳴りつけたりすることもない。とくに集団という観点でも、不良集団は危ないし怖いのでできるだけ避けてきたし、監督・先輩が体罰やシゴキを行うような集団スポーツの部活にも入ったこともない。大学でもハラスメントを行う先生や先輩、同僚教員に運良くもあたることなくすごしてきた。
このように「暴力」も「暴力的な集団」も、どちらかというと自分に縁のない、近寄り難いものであった。心理学者は自分にないものを研究テーマに選ぶなどとよく言われるのだが、その典型例かもしれない。
だからともいえるのかもしれないが、世の中が集団での暴力にあふれていることが、実感としてピンとこない。それは正直に言えば今もである。書籍やテレビ、インターネットなどのメディアで目にするような、

わざわざ志願して戦争に向かい武器を手にとろうとすることも、
命を捨てて国を守ろうとすることも、
人を痛めつけることに喜ぶサディスティックな心性も、
軍人として偉くなりたい気持ちも、
すぐキレる喧嘩っ早い不良に憧れる気持ちも、

全部、不思議な現象であり、私はその理由をずっと知りたいと思っていた。いったいなぜ人は、自分に関わらなくとも、さらには自分に損害や危険性があってなお、集団の中で、集団のために紛争や暴力に携わろうとするのだろうか。
意外なことに思われるかもしれないし、私も学生時代に意外に思ったのだが、そもそも〝集団心理〟という言葉も、厳密には学術用語ではない。少なくとも広く研究者が使う言葉ではない。私が研究テーマを決めようと、大学四年生のときに論文検索サイトで「集団心理」と入力したときのことを今も覚えている。自分が知りたい内容の論文がうまく引っかかってこない。英語ではなんて言うんだっけこれ? 対応するワードがない? どうやら学術用語じゃないようだ。あれ、じゃあ、自分が知りたい、暴力や紛争を生み出すあの〝集団心理〟にアプローチするにはどうしたらいいのだろう。
このような素朴な疑問から、私は集団と暴力に関する〝集団心理〟の研究に取り掛かった。私は、社会心理学を専門としており、本書でも社会心理学の視点と研究知見を中心に議論を進めていく。社会心理学における紛争や暴力に関する集団研究の知見を学び、また自身でデータを収集し分析し、論文を執筆するなかで、私が最初に知りたかった暴力や紛争を引き起こす〝集団心理〟の姿が少しずつ見えてきた。
一見、非日常的であり、私にはピンとこなかった暴力と紛争の〝集団心理〟は、じつは日常的な集団での心理現象と地続きであることがわかり、そこからある程度統一的に理解できそうである。本書では鍵となる概念として「集団モード」という概念を中心におき、知見の整理と議論を行った。
また、本書は暴力と紛争に関する社会心理学の実証研究の知見の紹介が中心となるが、それだけではなく、現実社会の問題の理解と解決への架け橋となることも狙っている。本書では、社会心理学における集団間関係や集団での攻撃性や暴力性に関する実証研究を中心に、それと関連する社会学、政治学、経営学などの研究、さらには犯罪や非行に関するノンフィクションの内容を、私の理解した範囲でできるだけ関連づけながら議論を進めるようにした。
本書の執筆に関して、ちとせプレスの櫻井さんから最初にお声がけいただいたのは、もう六年ほども前であり、いつの間にか大変長い時間がすぎてしまった。時間は六年近くもかかってしまったのだが、じっくりと集団間紛争と集団暴力の研究の整理ができ、理論的に醸成することができた。これだけ原稿が遅れてしまっても、見捨てずにお待ちいただいた櫻井さんには、あらためて感謝を申し上げたい。また、出版に至るこれまでの研究活動では、多くの先生方、先輩・後輩に研究仲間、そしてもちろん家族にも、公私ともに多くの方に支えられて、なんとか本書を上梓することができた。これまで私を支えてくださったすべてのみなさまに心よりの感謝とお礼を申し上げたい。
本書は、学術的知見に基づく紛争や暴力を引き起こす〝集団心理〟に関する本である。疑問を抱いた大学生の時点から、大学院生時代を経て、大学教員として研究を行っている現在まで調べてきた一つの集大成として、一冊の書籍にまとめてお届けできることをとても嬉しく思う。

版元から一言

集団暴力や集団間紛争に関するニュースを目にします。日常的に暴力を振るうことがなくとも、状況によっては暴力を振るってしまうこともあります。人間は社会的な存在であり、集団になることのポジティブな側面がある一方、ヨソ者(外集団)に対して暴力を振るいやすくなるというネガティブな側面もあります。「集団モード」の観点から,暴力や紛争が誘発されるメカニズムを読み解きます。

著者プロフィール

縄田 健悟  (ナワタ ケンゴ)  (

2011年,九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了。博士(心理学)。現在,福岡大学人文学部准教授。
主要著作に,A glorious warrior in war: Cross-cultural evidence of honor culture, social rewards for warriors, and intergroup conflict(Group Processes & Intergroup Relations, 23(4), 598-611, 2020年),Intergroup retaliation and intra-group praise gain: The effect of expected cooperation from the in-group on intergroup vicarious retribution(Asian Journal of Social Psychology, 16(4), 279-285, 2013年,共著),「集団間紛争の発生と激化に関する社会心理学的研究の概観と展望」(『実験社会心理学研究』53(1), 52-74, 2013年),「個人間の危害行動が集団間紛争へと拡大するとき―一時集団における集団間代理報復の萌芽的生起」(『実験社会心理学研究』51(1), 52-63, 2011年,共著)など。

上記内容は本書刊行時のものです。