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小説は何処から来たか――21st Century Edition
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年12月25日
- 書店発売日
- 2020年1月24日
- 登録日
- 2019年12月5日
- 最終更新日
- 2020年2月28日
紹介
「なぜ小説を書くのか? それは小説を読んだからだ」――。独自の小説論を提唱し実践してきた小説家・後藤明生が、過去に発表した原稿を自らの手で「REMIX=再編集」し、日本近代文学史の書き直しに挑んだ小説論の集大成。二葉亭四迷→日本文学とロシア文学→夏目漱石→芥川龍之介→永井荷風→宇野浩二→牧野信一→横光利一→太宰治→花田清輝→武田泰淳→鮎川信夫→丸谷才一→古井由吉……。巻末には著者が自ら編纂した「世界小説年表」を掲載。解説は映画監督・評論家の樫原辰郎さん。小説の未来は小説の過去にある!?
目次
プロローグ――柄谷行人の『日本近代文学の起源』と『反小説論』
第1章❖日本近代小説の夢と現実――二葉亭四迷
第2章❖喜劇としての近代――日本文学とロシア文学
第3章❖二十世紀小説としての新しさ――夏目漱石
第4章❖方法としてのテキスト――芥川龍之介
第5章❖「生理学」の方法――永井荷風
第6章❖「都市小説」の構造――宇野浩二と永井荷風
第7章❖夢のプログラム――宇野浩二と牧野信一
第8章❖自意識の喜劇――横光利一
第9章❖反復と引用のエクリチュール――太宰治
第10章❖超ジャンルと楕円Ⅰ――花田清輝
第11章❖超ジャンルと楕円Ⅱ――武田泰淳
第12章❖文体的思考――鮎川信夫
第13章❖フィクションの変奏――丸谷才一
第14章❖「戦中少年」の体験と方法――古井由吉
第15章❖ジャンルと形式の起源Ⅰ
第16章❖ジャンルと形式の起源Ⅱ
世界小説年表
あとがき
新版解説❖樫原辰郎(映画監督・評論家)
前書きなど
小説は何処へ行くか、と問われるときは、小説の危機か衰弱か、相場は大体決まっている。そしてその問いは、小説は何処から来たか、という問いとほぼ同じである。衰弱した小説とは、小説は何処から来たか、というジャンルとしての自己反省を忘れた小説だからである。また、混血=分裂による超ジャンル性、すなわち「いかがわしさ」の自意識を忘れた小説だからである。つまり、小説の未来は小説の過去にある。「われわれは皆ゴーゴリの『外套』から出て来た」とドストエフスキーはいった。衰弱した小説は『外套』を持たぬ小説である。――(本書「プロローグ」より)
上記内容は本書刊行時のものです。