版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
中国抗日博物館大図鑑 関上武司(著/文) - パブリブ
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文サイト:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

取引取次:
トランスビュー     書店(直)
トランスビュー     八木     ト・日・他     書店
直接取引:あり(トランスビュー扱い)

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

中国抗日博物館大図鑑 (チュウゴクコウニチハクブツカンダイズカン) 全土35施設潜入取材

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:パブリブ
A5判
200ページ
並製
価格 2,300円+税
ISBN
978-4-908468-55-1   COPY
ISBN 13
9784908468551   COPY
ISBN 10h
4-908468-55-9   COPY
ISBN 10
4908468559   COPY
出版者記号
908468   COPY
Cコード
C0022  
0:一般 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年12月13日
書店発売日
登録日
2021年11月15日
最終更新日
2023年10月18日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

中国共産党結党100周年!!
紅色旅遊が空前のブーム!!

国内向け愛国プロパガンダが
日本人にここまでバレていいのか!?

簡体字併記で展示解説が読みやすく、発音表記でガイド説明が聞き取りやすい親切設計!

★侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館 関東軍の七三一部隊による細菌戦の資料を展示
★偽満皇宮博物院 3 回皇帝に即位し5 回結婚ラストエンペラーの満洲国の仮御所
★九・一八歴史博物館 満洲事変の発端となった柳条湖事件の現場近くに建設
★中国人民抗日戦争紀念館 全ての始まりの盧溝橋に建てられた抗日戦争学習の集大成
★白求恩・印度援華医療隊紀念館 共産主義社会の理想の為に中国で奮闘した外国人医師
★八路軍太行紀念館 八路軍の抗日根拠地に由来、中国の指導者も注目の施設
★侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館 南京大虐殺を後世に伝える国家的博物館と追悼施設
★上海大韓民国臨時政府旧址 脇役で終わった臨時政府拠点が韓国人団体客で大人気のスポットに
★宝塔山 革命聖地のシンボルと日本人捕虜の再教育
★抗日パンチングマシン・抗日シューティング・抗日ラジコン・抗日コスプレ、抗日レゴ……等
★『中国抗日ドラマ読本』岩田宇伯が抗日珍コラム寄稿

目次

二 まえがき
三 目次
六 凡例
七 用語集
一三 人名解説
一八 抗日戦争年表


二一 東北地方
二二 侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館 関東軍の七三一部隊による細菌戦の資料を展示
三〇 李兆麟将軍紀念館 ハルビン市内にその名を留める東北抗日聯軍の民族英雄
三四 安重根義士紀念館 伊藤博文を暗殺した朝鮮人抗日英雄を祀る
三五 東北烈士紀念館 満洲国の警察庁として抗日烈士を収監した施設
三六 偽満皇宮博物院 3 回皇帝に即位し5 回結婚ラストエンペラーの満洲国の仮御所
四四 長影旧址博物館 中国映画の発展にも貢献した旧満洲の文化遺産
四八 偽満洲国国務院旧址 医科大学に転用された満洲国の中枢機関
四九 九・一八歴史博物館 満洲事変の発端となった柳条湖事件の現場近くに建設
五〇 撫順平頂山惨案紀念館 巨大な炭鉱で発生した日本軍による住民虐殺の現場
五六 関東影視城 タイの地獄寺を彷彿とさせる廃墟化した部分が目立つ撮影所
六一 筆者が中国で受けた反日発言
六四 取材日記


六五 華北地方
六六 中国人民抗日戦争紀念館 全ての始まりの盧溝橋に建てられた抗日戦争学習の集大成
七四 在日殉難烈士・労工紀念館 日本の現在の労働環境と酷似!ノーモア・外国人の強制労働!!
七八 河北博物院 抗日戦争の主戦場だった河北省、館内には化石やアニメ原画も展示
八四 白求恩・印度援華医療隊紀念館 共産主義社会の理想の為に中国で奮闘した外国人医師の物語
八八 八路軍太行紀念館 八路軍の抗日根拠地に由来、中国の指導者も注目の施設
九四 八路軍文化園 進化する抗日テーマパークから再訪レポートをお届けしたい
一〇〇 台児荘大戦紀念館 海外のジャーナリストも注目! 抗日戦争初の中国側の大勝利!!
一〇四 鉄道遊撃隊紀念園 湖上の島の抗日根拠地と日本軍の輸送網に打撃を与えた遊撃隊
一〇八 鉄道遊撃隊影視城 役者の高齢化が進む現役の抗日娯楽施設
一一四 葫芦套影視基地 なぜか村人が生活を営む廃墟化した抗日娯楽施設
一二〇 抗日遊戯
一二二 抗日グッズ



一二三 華中地方
一二四 上海淞滬抗戦紀念館 近代戦術のオンパレード中国全土へ拡大する抗日の戦火
一三〇 上海監獄陳列館 清代末期に建てられた日本人戦犯も収監した監獄
一三一 上海獶太難民紀念館 ナチスの迫害から逃れたユダヤ難民のコミュニティ
一三二 上海四行倉庫抗戦紀念館 第二次上海事変の最後の死闘八百壮士の孤軍奮闘
一三六 上海大韓民国臨時政府旧址 脇役で終わった臨時政府拠点が韓国人団体客で大人気のスポットに
一四〇 侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館 南京大虐殺を後世に伝える国家的博物館と追悼施設
一四八 抗戦勝利紀念館 世界反ファシズム戦争と三個の必勝についての展示
一五四 中山艦博物館 数々の政治的舞台になり日本軍に沈められた日本製の軍艦を展示
一五八 南昌新四軍軍部旧址陳列館 第二次国共合作の意義とは?抗戦中でも衝突した国共両軍
一六四 廬山抗戦博物館 国民党政権の夏の政治拠点、蔣介石の談話で抗日戦争開幕
一六八 レゴブロック(ニセモノ)でも抗日!
一六九 キミも「演出服」で正義の八路軍だ!
一七〇 幼稚園児も「死了死了的!」


一七一 西北地方
一七二 重慶大轟炸惨案遺址 最小クラスの抗日物件だがヘビー級の惨劇案件
一七六 重慶大韓民国臨時政府旧址陳列館 韓国光復軍と国家承認されなかった亡命政権庁舎跡
一八〇 張学良将軍公館 歴史的転換の舞台となった東北軍司令官の公館
一八八 楊虎城将軍紀念館 西安事件のもう1人の立役者西北軍司令官の別荘
一九二 宝塔山 革命聖地のシンボルと日本人捕虜の再教育


一九六 参考資料
一九八 あとがき
一九九 関上武司の著作

前書きなど

現在、中国では紅色旅遊という、中国共産党にゆかりのあるスポットを巡るツアーが盛んで、八路軍の軍服を着用した団体ツアー客の姿も普通に見られる。本書は中国各地の紅色旅遊のスポットの中でも、「抗日」をテーマとした博物館や紀念館(日本語では「記念館」なのだが、中国語では「紀念館」なので、本書では「紀念館」と統一している)を取材した書籍になっている。
あまり知られていないのだが、中国の博物館に対する政策は称賛するべきものがある。青木豊・張哲の『中国博物館学 序論』(雄山閣)によると、日本では施設・設備の老朽化が進捗する博物館が増え、常勤職員の減少と非常勤職員の増加傾向が続いていると述べられている。また、日本の博物館法によると、本来、公立博物館は図書館や公民館同様、社会教育施設であることから、入館料の徴収は認められていない。ただ、博物館の維持運営のためにやむを得ない事情のある場合は、入館料を徴収することができるとされ、改善されないまま続いているのが現状だ。
一方、中国では2006年に施行された博物館管理規則第29条によると、国有博物館における入館料免除制度が定められている。非国有博物館においては、各館の裁量に委ねられているが、学生、軍人、老人に割引をするサービスも見られる。さすがに筆者も「日本の博物館も入館無料で見学させるべきだ」とは言わないが、博物館の入館料だけ見ても、日本と中国の国力の差を感じさせられる。
抗日博物館の展示を眺めていると、「国内の人民の不満を海外に向けるスケープゴートではないか?」「さすがに矛盾した内容ではないか?」と言いたくなる事もある。しかし、日本人として深く考えさせられる事項も多々あり、即刻、改善すべき問題も提示されていた。日本人の民族性は良くも悪くも、戦時中と現在では、あまり変化がないようだ。中国人を侮って始めた日中戦争(抗日戦争)は太平洋戦争にまで発展し、結果、敗戦に至っている。今でも中国人を侮っている日本人(特に年配の男性)は多いのだが、日中の国力の差が開いていることを理解していないように思われる。日本で30年以上前から出版されている「中国崩壊論」そのものが崩壊しており、そのことに気づかない日本人が多いのが不思議である。日本の歴史の授業で近代史はかなり省かれる傾向で、敗戦の原因も詳しく研究されていないのではないか? ほんの20年前は日本の家電メーカーがここまで凋落するとは予想できなかったが、自動車メーカーとて、将来はわからない。
本書は冒頭から悪名高い七三一部隊にまつわる施設を紹介し、日本軍による虐殺の現場も撮影している。惨い内容ばかりでは重すぎる内容になるため、この手の書籍ではあまり例がないかもしれないが、抗日をテーマにした緩いコラムも収録。ツッコミどころの多い、いや、むしろツッコミどころしかない抗日撮影所や抗日遊戯をコラムとして紹介している。それだけでなく、『中国抗日ドラマ読本』(パブリブ)の著者で筆者の友人でもある岩田宇伯氏に脱力必至の抗日コラムを執筆していただいた。筆者の大学の専攻は経営学(かなり忘れかけている)で、歴史学や博物館学ではない。しかし、在学中は北京で1年間語学留学をし、卒業後は中国で駐在員として勤務していた時期もあった。2019年には拙作『中国遊園地大図鑑』シリーズについて、江蘇省蘇州市で講演したこともある。会場では通訳なしで中国人を爆笑させるくらいの中国語能力があり、本書の取材、執筆では有効に活用することができたと自負している。
なお、本書を片手に中国各地の抗日博物館を巡る場合の注意事項としては、当たり前だが日本の博物館と同様に、月曜日が休館日の物件がほとんどで、入館時間も留意すべきだ。前述の博物館管理規則第29条によって、入館無料の抗日博物館が多いのは嬉しいのだが、意外と僻地にある物件もある。本書に各1ページずつ収録したのだが、改修工事などで入館できなかった抗日博物館もあった。
本書は中華人民共和国の東北、華北、華中、西北地方といった、かなり広い範囲の抗日施設を取材している。中国通の日本人でも好んで行くような場所ではないが、実際に入館してみないとわからないことが多く、中国政府の主張したいことと、あまり言いたくないことも見えてくる。読者の皆様も、未知なる抗日博物館の扉を開けるつもりで本書を読み進めていただきたい。本書をきっかけに、今後の日中関係を再考していただければ幸いである。

著者プロフィール

関上武司  (セキガミ タケシ)  (著/文

愛知県在住の技術職のサラリーマン。1977生まれ。
オーストラリアにて軟体大道芸で生活費を稼いでいた経歴あり。
日本や中国のB級スポットや珍スポットを紹介する
ブログ・『軟体レポート』の管理人。
『中国遊園地大図鑑』シリーズ(パブリブ)の著者。
都築響一氏のメールマガジンROADSIDERS' weeklyで
『ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行』連載中。
2019年に江蘇省蘇州市で開催された「一席」というイベントで
中国遊園地について、中国語で講演を行っている。

上記内容は本書刊行時のものです。