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第二帝国 下巻 伸井太一(編著) - パブリブ
.
帝国趣味インターナショナル 2

第二帝国 下巻 科学・技術・軍事・象徴

発行:パブリブ
四六判
208ページ
並製
価格 2,300円+税
ISBN
978-4-908468-18-6
Cコード
C0022
一般 単行本 外国歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2017年10月
書店発売日
登録日
2017年9月22日
最終更新日
2017年9月22日
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書評掲載情報

2017-12-10 産經新聞  朝刊

紹介

帝国趣味インターナショナルVol.1,Vol.2同時刊行
鉄兜・軍艦・大砲・戦車・潜水艦・ガスマスク等
まるで第三帝国で活躍する兵器達の
プロトタイプ見本市


■角付帽から鉄兜・拳銃ルガーP08・MG08重機関銃・クルップ社製パリ砲・自沈さ せれた戦艦ヘルゴラント・トラクターから進化したA7V戦車・ルシタニア号撃沈し 米参戦招いた潜水艦・失敗に終わったツェッペリン・ヒトラー失明しかけた毒ガス等


■レントゲン、コッホ、ブラウン、アインシュタイン等、ドイツ科学躍進の時代


■クルップ、ベンツ、ツェッペリン、ライカ、ツァイス等、工業も勃興


■フランス側に付いていたバイエルンやザクセンを統合させた諸国民戦争記念等の象徴


■「第三帝国」という名に、フリードリヒ2世による帝国再興の暗示を込めたヒトラー


■「プロイセン的=ナチ的」に対してアメリカ兵に高評価のノイシュヴァンシュタイン


■フェルキッシュ民族主義者が神智学を活用、アーリア民族シンボルにハーケンクロイツ

目次

2  はじめに(下巻)
3  目次
4  ドイツ科学者の肖像:とある科学の功者目録
12  カイザー・ヴィルヘルム学術振興協会:巨大科学のはじまり
17  ルール工業地帯:ドイツ工業の夜明けのスキャット
20  社宅団地:大企業クルップと社宅のはじまり
22  鉄道:鉄血注入による時間変化
28  鉄道が変えたもの:移動感覚と都市
38  懸垂式モノレール:宙ぶらりんで「未来都市」を体感
40  ダイムラー、メルセデス、そしてベンツ:その内燃機関
50  農業とトラクター:大規模農業の夜明け
52  自転車:車輪の下の歴史
54 ツェッペリン伯爵の飛行船 :空の夢と空の恐怖
62  飛行機:鳥人間コンテストは終わらない
68  電気の時代と工業デザイン:「工業=美」の発明
70  「テレフォン」は誰が発明したか?:オンラインとインライン
72  時計:工業化と時計の大量生産
78 顕微鏡とカメラ:細部への眼差しと一瞬の切り取り
80  写真の登場:コスプレとエロス
84  カメラ小型化の始まり:レンズを通じて見えたもの
86  鉄橋:ドレスデンの「青い奇跡」と巨大インフラの時代
88  軍国主義:社会のなかの軍隊? 軍隊のなかの社会?
90  軍服と将校団:「男らしさ」のパラドクス
96  ケーペニックの「ニセ」大尉:軍服の笑劇
100 ピッケルハウベとシュタールヘルム:ヘルメットの機能と象徴性
108 ふたつのゼロハチ:ひとつめ、MG08
112 ふたつのゼロハチ:ふたつめ、ルガーP08
114 剣とピストルと決闘:旧時代の遺物?
120 大砲と列車砲(パリ砲):パリは燃えているか?
122 軍艦:大艦巨砲の夢の果て
128 戦車:寄せ集め兵器の「上陸」
134 潜水艦:最深兵器
136 戦闘機・爆撃機:最高〈度〉性能兵器
140 毒ガスとガスマスク:総力戦の匂い
144 ドイツの城:「新たな」白鳥城
150 日本の「ドイツ」城:オーシャンブルーに映える城
152 統一のための記念碑:最初にナポレオンありき
156 諸国民戦争記念碑:「ドイツ同士」の戦争を忘れさせるシンボル
160 ヘルマン:ゲルマンとヘルマンという虚像
165 バルバロッサ:赤ひげ危機一髪
168 ヴァルハラ:「バイエルン」にある「ドイツ人」の殿堂
172 古代ギリシアへの憧れ:誇大妄想と誇大宣伝
174 ニーダーヴァルト記念碑:対仏戦勝とドイツ統一の記念碑
177 ゲルマニア:ラインの護り
179 ゲルマニア:ドイツ帝国の女神
190 凱旋記念塔のヴィクトリア:女神違い?
194 凱旋記念塔の移動:ヒトラーの「ゲルマニア計画」
196 ハーケンクロイツ:ナチ・ドイツの発明品?
202 注
206 下巻のおわりに

前書きなど

今からおよそ100年前の1918年、皇帝が不在となった「第二帝国」は消滅した。しかし、この大帝国の影響は完全に消えてしまったわけではない。上巻でみてきたように、第二帝国時代に生みだされた各種製品は現在もなお使用されている。
下巻は、現代生活と密接に結びつく科学技術から話をはじめよう。第二帝国時代は、人類が自分たちや世界についてずいぶん色々と「分かった」時代だった。日本語の「科学」の語源の一つが「分科した学」つまり個別に「分けられた(分かった)」学問であったように、様々な分類あるいは知の体系がこの時代に生みだされることとなる。
たとえば、現在の地球像のひとつであるプレートテクトニクス理論の起源である「大陸移動説」は、ドイツ人気象学者ヴェーゲナーが1912年に提唱したものだ。帝国成立前(1856年)ではあるが、ドイツの「ネアンダーの谷」で発見されたネアンデルタール人は、人類の起源のひとつを明らかにした。また、本書でも紹介するコッホの細菌学によって、病気の原因も突き止められていった。
このような時代背景のなかで、本書でも扱うジーメンス社の社長ヴェルナー・フォン・ジーメンスは、1886年に以下のような演説「自然科学の時代」を行った。

  皆さん、われわれの研究・発明活動が、人間性をより高い文化段階へと導き、そして高貴なものへと鍛え上げ、理想的な努力に接近しやすくすると信じて、惑わないようにしましょう! また、輝かしき時代を迎えつつある自然科学が、人類の苦悩や人間の難病・衰弱を緩和し、人類に生きる喜びをより多く与え、より良く、より幸せに、人類の運命をより満たしてくれることを信じて、惑わないようにしましょう! さらに、私たちが探求する真実の光は間違った道へと人類を導くのではなく、…人間実存のより高い段階へと高めるに違いない、という確信を持ち続けようではありませんか! (下線と強調は引用者が付した)

日本の「富士通」が古河の「フ」と、ジーメンスの「ジ」が合わさって「フジ」となって生み出された企業であることからも、ジーメンス社は日本との関わりも深い。
しかし「真実の光」は人間実存を高めたばかりではなく、人間存在を脅かす事態としての「世界戦争 Weltkrieg」、つまり第一次世界大戦へとつながっていく。そこで本巻でも、科学の項目の後には戦争を扱う。
そして本書の最後では、記念碑やシンボルを紹介したい。これらはドイツ帝国では「国民」と密接に結びつき、精神的な結束の象徴として機能した。科学・記念碑は、上巻で扱った食品・生活用品を含む生活全体を「巨大な戦争」という鋳型へと注ぎこむ物質的・精神的な動力となったのである。

著者プロフィール

伸井太一  (ノビイ タイチ)  (編著

北海道大学文学部卒、東京大学大学院総合文化研究科単位取得退学。ドイツ文化に関するライター(実は、東京の某女子大学の歴史学教員)。著書に、東西ドイツの製品史を扱った『ニセドイツ』シリーズ(社会評論社)。本名(柳原伸洋)では『日本人が知りたいドイツ人の当たり前』(共著、三修社)や『教養のドイツ現代史』(共編著、ミネルヴァ書房)など。

齋藤正樹  (サイトウ マサキ)  (

東海大学工学部卒、早稲田大学第一文学部卒、東海大学大学院修士課程修了、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。修士(工学、文学)。専門はドイツ近現代史。2006-2011年までベルリン在住。現在、教職、翻訳業、ライター業等をしつつ、近現代ドイツの民族主義、人種主義と宗教の関連性についても研究している。

小野寺賢一  (オノデラ ケンイチ)  (

早稲田大学第一文学部卒、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。修士(文学)。2007-2009 年までベルリン在住。研究者(専門はドイツ文学)、ライター、大東文化大学のドイツ語教員。著書に『文法からマスター! はじめてのドイツ語』(ナツメ社)。趣味はゲルマニアに関する物の収集。最近はバルバロッサも気になっている。

上記内容は本書刊行時のものです。