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取引情報
vanitas
巻次:No. 003
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2014年6月
- 書店発売日
- 2015年10月1日
- 登録日
- 2015年9月25日
- 最終更新日
- 2022年10月10日
目次
foreword
interview
proef
柳田剛
脇田玲+松川昌平
paper
平芳裕子 ファッションを語る──雑誌とアメリカ
水野祐 ファッションにおける初音ミクは可能か?──オープンソース・ハード「ウェア」としてのファッションの可能性
趙知海 女性ファッション写真家たち──曖昧なイメージに込めるもの
ゲオルク・ジンメル モードの哲学
大久保美紀 逆行する身体表象──「復活」するマネキンあるいはマヌカン(公募)
international perspective
研究機関紹介
University of the Arts London
展覧会紹介
ハンドメイド──クラフトよ、永遠なれ
リップ!! ペーパーファッション
サステナブル・ファッション──ファッションは更新できるのか?
エクストリーム・ビューティー──つくり変えられる身体
モノを作ること/目的を築くこと──ブレス、ブーディッカ、サンドラ・バックランド
書籍紹介
アンジェラ・マクロビー『ブリティッシュ・ファッションデザイン──ぼろ布かイメージか』
クレア・マッカーデル『あなたが着るべきもの──ファッションにおける5W1H』
ウルリッヒ・ハーマン『虎の跳躍──ファッションのモダニティ』
フィリップ=アラン・ミショー『イマージュの人々』
研究者紹介
キャロライン・エヴァンス
critical essay
nukeme テクノロジーと創造性について
koso Futuristic Elegance ── Iris van Herpen 試論
久保寺恭子 空間とファッション──TOKYO RIPPER と衣服の物語(公募)
afterword
前書きなど
日本にはファッションの批評がない、としばしば言われる。ファッションは文化として認められないことがよくあるが、その理由の一端はここにあるのではないだろうか。ファッションがビジネスであることを謳いながら、「ファッションに批評は似合わない」と言われることもある。だが、現代では美術も音楽も映画も文学もおしなべてビジネスとしての側面をもっており、ファッションだけが特権的な立場にあるわけではない。
とはいえ、批評の不在を嘆いていても何も始まらない。われわれに出来ることはただひとつ、がむしゃらにでも進むことである。過去も、現在も、未来もすべて引き受けよう。たとえそれが無謀な試みに見えようとも。
批評はひとつの制度であり、それを一朝一夕に確立することは難しい。本誌は「批評誌」を謳っているが、狭義の「批評」におさまるものではない。研究者による論文もあれば、デザイナーによる試論もある。インタビューもあれば、海外のファッション研究の紹介もある。一見すると「批評」以外のものが多いように思われるかもしれない。だが、これらはすべて批評の構築のためにある。われわれは現在だけでなく、10年後、50年後を同時に視野に入れている。大仰な表現かもしれないが、批評を根付かせるためにはそのくらいの時間が必要だろう。だが、まず第一歩を踏み出さねば物事は始まらない。
この『vanitas』という小さな一歩が、大きなうねりを生み出すことを願う。
(本誌「foreword」より)
上記内容は本書刊行時のものです。