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vanitas
巻次:No. 002
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年6月
- 書店発売日
- 2015年10月1日
- 登録日
- 2015年9月25日
- 最終更新日
- 2024年2月24日
目次
foreword
interview
西尾美也
北山晴一
ここのがっこう
paper
南後由和 陳列とキュレーション ── ユニクロ、コムデギャルソン、デミアン・ハースト」
成実弘至 21世紀スローファッション試論
津田和俊 生きのびるための衣服」
渡辺洋平 衣服論事始め ── 衣服と時間あるいはメゾン・マルタン・マルジェラと反時代的なもの
小林嶺 まなざしに介入するファッション ── 「ショー」という観点から
関根麻里恵 リアルクローズ化する「マンガファッション」(公募)
international perspective
研究機関紹介
IFM・パリモード研究所(フランス)
展覧会紹介
スペクター ── ファッションが振り返るとき
衣服は現代的か?
マダム・グレ、芸術へ至るクチュール
ベルギーファッション ── アントワープスタイル
フィレンツェ・ビエンナーレ
書籍紹介
ジャック・ローラン『着衣のヌード、脱衣のヌード』
エンリコ・クリスポルティ『未来派とファッション ── バッラとその他の作家たち』
ジョアン・エントウィスル『ファッションの美的経済学 ── 衣服とモデルにおける市場と価値』
フレッド・デイヴィス『ファッション、文化、アイデンティティ』
研究者紹介
『vestoj』
critical essay
星野太 ハトラ ── 「中性的なもの」の力学
蘆田暢人 「雲のような場所」を巡って ── ASEEDONCLÖUD試論
HACHI JUNYA SUZUKI / chloma ── ネット以降の時代
三村真由子 Ka na ta の身体を活かす服(公募)
afterword
前書きなど
日本にはファッションの批評がない、としばしば言われる。ファッションは文化として認められないことがよくあるが、その理由の一端はここにあるのではないだろうか。ファッションがビジネスであることを謳いながら、「ファッションに批評は似合わない」と言われることもある。だが、現代では美術も音楽も映画も文学もおしなべてビジネスとしての側面をもっており、ファッションだけが特権的な立場にあるわけではない。
とはいえ、批評の不在を嘆いていても何も始まらない。われわれに出来ることはただひとつ、がむしゃらにでも進むことである。過去も、現在も、未来もすべて引き受けよう。たとえそれが無謀な試みに見えようとも。
批評はひとつの制度であり、それを一朝一夕に確立することは難しい。本誌は「批評誌」を謳っているが、狭義の「批評」におさまるものではない。研究者による論文もあれば、デザイナーによる試論もある。インタビューもあれば、海外のファッション研究の紹介もある。一見すると「批評」以外のものが多いように思われるかもしれない。だが、これらはすべて批評の構築のためにある。われわれは現在だけでなく、10年後、50年後を同時に視野に入れている。大仰な表現かもしれないが、批評を根付かせるためにはそのくらいの時間が必要だろう。だが、まず第一歩を踏み出さねば物事は始まらない。
この『vanitas』という小さな一歩が、大きなうねりを生み出すことを願う。
(本誌「foreword」より)
上記内容は本書刊行時のものです。