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ACP人生会議でこころのケア 大下 大圓(著) - ビイング・ネット・プレス
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ACP人生会議でこころのケア ケアする人、される人、共に死生観・スピリチュアリティの向上をめざして

A5判
並製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-908055-25-6
Cコード
C3047
専門 単行本 医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年8月
書店発売日
登録日
2020年6月16日
最終更新日
2020年8月18日
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紹介

厚生労働省は、人生の最期にのぞんで、自分が望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、どのような医療を進めるかを共有する取組を「ACP:アドバンス・ケア・プランニング」として普及・啓発を行ってきました。そしてより馴染みやすい「人生会議」という愛称で呼びます。
昨今、医師や看護師は、患者や家族とのコミュニケーションを通じてこころのケアが最重要であると考え、たんなる医療ベースでなく、スピリチュアルケアや死生観研修を希望する医療従事者が増えてきています。人生の最期において、心のケアを必要とするのは、患者やその家族だけではなく、医療者として厳しい状況に向き合う医師や看護師も、そしてケアラーも例外ではありません。医療や心理学の専門的な方法だけではなく、マインドフルネスや臨床瞑想法なども取り入れ、患者も家族も、医師・看護師・ケアラーも、共に癒やし、癒やされるための方策を紹介しているのが本書です。
医療従事者向けの「人生会議」のテキストととして、緩和ケアとスピリチュアルケアに取り組んできた大阪北野病院の梶山徹医師がACPの医学的理解について執筆、そして、日本ホスピス在宅ケア研究会の理事として長年ホスピスの現場に赴き活動をしてきた飛騨高山千光寺の大下大圓住職がマインドフルネス瞑想・臨床瞑想法を実践した緩和ケアについて執筆しています。
「人生会議」の目的は、人生の最後においてその人らしく生き往くことができる仕組みをつくることであり、ケアラー自身の人生も柔軟でスピリットに富んだものになることです。

目次

はじめに

第一章 ACP(人生会議)の理解
ACPとは       ACPと緩和ケア、EOLケア       基礎的ACP:NBMと援助的コミュニケーション     基本的ACP:希望実現     応用的ACP:死の対話     ACPと在宅ケア、施設ケア      ACPと社会支援     非がん疾患のACP     医療者にとってのACPとスピリチュアルケア     ACPとスタッフケア、ケアラーのセルフケア

第2章 ACPとスピリチュアルケア
ACPはだれのため     ACPで話し合うことは     ACPとQOL・QODについて     ACPとスピリチュアルケア     日本のスピリチュアルケアと緩和ケア     スピリチュアリティの構造的理解     スピリチュアルケアの2層モデル     スピリチュアルケアと癒し     チームとしてのスピリチュアルケア     ケアの関係性と縁生     医療者の死生観について     死生観教育の重要性     死生観の4相     病院や施設で死生観学習会を     死生観学習の効果

第3章 実践的スピリチュアルケア
心理モデルの延長にスピリチュアルケアがある     スピリチュアルケアの基本は傾聴から     初診からはじまるスピリチュアルケア     がん告知とスピリチュアルケア     がんサポーティブケアとACP     フレイルとACP     急変によるこころのケア     EOLケアとスピリチュアルケア     EOLケアとチームケア     ACPチームに参画するスピリチュアルケア専門職     ACPにおける死生観と宗教的心情     スピリチュアルケアと宗教的ケアの違い     スピリチュアルケアにおける平行軸と垂直軸     ABモデルを用いたスピリチュアルケアのアセント法     スピリチュアリティとトランスパーソナル心理学     ACPスタッフにGRACEという瞑想

第4章 スピリチュアルケア実践とコミュニケーション
コミュニケーションとは     ケアとコミュニケーション     コミュニケーションは自利利他     家族のケア力とコミュニケーション     在宅ケアとコミュニケーション      老人ケアと老後破産というスピリチュアルペイン     希死念慮を持つ人とのコミュニケーション──共感疲労からの脱却     認知症患者とACP     音楽療法とコミュニケーション     音と笑いの癒しのパワー     タッチングとコミュニケーション     芸術療法とコミュニケーション      園芸療法とコミュニケーション     箱庭療法とコミュニケーション     絵画療法とコミュニケーション
スピリチュアルケアのスキルアップとしての瞑想療法     その他のスピリチュアル・コミュニケーション     利他的祈りとコミュニケーション     自利というスピリチュアル・アセンション

第5章 ACP実践に臨床瞑想法を活用する
ACP実践にどうして瞑想が必要?     心理療法と仏教     精神療法と成長モデルとしての瞑想     瞑想に対する医科学的批判     瞑想研究と心理療法としての妥当性     瞑想療法と弁証的行動療法     瞑想療法で生きがいを考える     瞑想療法とマインドフルネス     マインドフルネス認知療法に基づいた臨床介入研究     マインドフルネス瞑想の治療的効果     森田療法とACT     ACTの基本姿勢と行動原理     臨床瞑想法による心理的効果の研究     ACTや臨床瞑想法はACPに応用できるか

第6章 ケアラー自身のACPを考える
ACPとケアラーのストレス     共感疲労するスタッフたち     ストレスリダクション①─レジリエンスとPTG(スピリチュアルな成長)     ストレスリダクション②─SOC(いきがいづくり)     ストレスリダクション③─セルフ・コンパッション(自利と慈悲)     慈悲心をたかめて怒りや不安をコントロール     慈悲の瞑想は臨床瞑想法で     まずは心身をゆるめる「5分間瞑想」     4つの瞑想法から4つの生き方へ     瞑想とスピリチュアル・アセンション(次元上昇)     最後に~人生の価値と希望

前書きなど

ACP(人生会議)の目的は、人生の最期においてその人らしく生き往くことができるような仕組みをつくることであり、本人がその尊い人生を意味づけし、スピリチュアリティの目覚めとその成長を支援することです。
(中略)
瞑想法やACTを学ぶことで、病気で苦しむ患者さんだけでなく、家族をふくめたケアにあたるケアギヴァ(支援者)やスピリチュアルケアの専門職に、セルフケアとストレスリダクションにおいても、マインドフルネス瞑想や臨床瞑想法が有用であることを明らかにしたいと思います。
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)を深く理解し、実践するためにスピリチュアルケアの理解とコミュニケーションツール、セルフケアは切り離せない大切なことです。
そして「ケアラー自身のACPを考える」ことです。ACPに関わる存在は偶然ではなく、おおきなスピリットな体験であり、成長の糧なのです。臨床は、ケアラー自身が自分の人生の意義を考える時間をいただいていることに気づき、柔軟でスピリットに富んだ人生になるようになるためのものです。
本書の真の目的は、単なるケア論ではありません。ACPという現実の課題に遭遇するすべてのケアする人もされる人も共に、スピリチュアルな生き方に出会うご縁なのです。

上記内容は本書刊行時のものです。