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ルディ・ドゥチュケと戦後ドイツ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年4月25日
- 書店発売日
- 2024年5月6日
- 登録日
- 2024年4月11日
- 最終更新日
- 2024年5月6日
書評掲載情報
2024-07-13 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 米田綱路(ジャーナリスト) |
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紹介
《反権威》を生きた不屈の社会運動家。
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2024年1月に放送されたNHK『映像の世紀 バタフライエフェクト』、「世界が揺れた2つの年 1968と1989」で印象的にフューチュアされていた社会運動家、ルディ・ドゥチュケ(1940-1979)。ベトナム反戦から緑の党結成前夜に至るまで、戦後ドイツで最も重要かつ魅力的な人物をめぐる、初の本格的な評伝。
マルクーゼ、ブロッホ、ハーバーマス、ドイツ赤軍らとの交流を通して、ドイツ「68年運動」のリーダーと目され、極右テロリストに銃撃されるが、奇跡的な復活を遂げ、ドイツを反原子力/環境保護路線へと導く。その短いながらも不屈の生と思想を、最新の研究成果と知見によって問い直す!
定価3400円+悪税
目次
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はじめに ルディ・ドゥチュケとは誰か?
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激動の一九六八年から半世紀
ドゥチュケの「神格化」
ドゥチュケをめぐる政治論争
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第一章 東ドイツ時代
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幼少期
権力への反抗
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第二章 西ベルリンへ
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西側での学生生活
社会主義ドイツ学生同盟へ
グレッチェンとの出会い
状況主義と挑発行動
コミューンの結成
ベルリン自由大学での紛争開始
ベトナム反戦運動
新しい抗議スタイル
ゲリラ・メンタリティ
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第三章 学生運動の激化
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大連立政権の樹立と議会外反対派の形成
オーネゾルク射殺事件
コミューンと文化革命
マルクーゼの西ベルリン講演
フェルトリネッリとマインホフ
批判大学
ドゥチュケへの監視
学生運動代表としてのテレビ出演
東ドイツとの交流
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第四章 国際ベトナム会議とプラハ訪問
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反シュプリンガー・キャンペーン
国際ベトナム会議
反学生運動の集会
諜報員ウルバハがもたらした爆弾
ドゥチュケのフォトセッション
プラハ訪問とドキュメンタリー映画
運動の総括と展望
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第五章 ドゥチュケ襲撃事件とその余波
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フランクフルト百貨店放火事件
ドゥチュケ襲撃事件と「イースター騒乱」
西ベルリンの病院と「パリの五月」
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第六章 国外でのリハビリ生活
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スイスからイタリアへ
英国滞在とバハマンとの往復書簡
バハマン周辺の諜報員の存在
アイルランド、英国、そして一時帰国
英国からデンマークへ
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第七章 晩年の政治活動
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東西ベルリン訪問と博士論文
テロリズム批判の展開
ヴィール反原発闘争
マスメディアへのカムバック
コーン゠ベンディトとのテレビ出演
ツァールとの往復書簡
東ドイツ体制批判──バーロ、ヒュープナーとの連帯
緑の党結成へ
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おわりに ルディ・ドゥチュケをどう評価するか?
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ドゥチュケ神話の背景──「一九六八年」の「個人化」
「神格化」の反動としてのドゥチュケ批判──テロリストとの親和性の強調
戦後ドイツ史のなかのドゥチュケ
注
ルディ・ドゥチュケ略年譜
あとがき
前書きなど
《われわれが注目すべきは、ドイツで一般に認知されているような、学生運動指導者ドゥチュケの急進的イメージではなく、当時の風潮、すなわちドラッグや性の解放、極左テロリズムへのシンパシー、極端な白黒思考などに流されることなく、最後まで権威主義を否定してアーギュメントのもつ力を重視し、社会的弱者への眼差しをもち続けたドゥチュケの生き方そのものであろう。こうした姿勢が、マイノリティー保護や、反原子力、エコロジーなど、当時からすると新しい価値観へと結びつき、結果として時代を先取りすることとなったのである。》
――「あとがき」より
上記内容は本書刊行時のものです。