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[新版]黙って野たれ死ぬな
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年6月
- 書店発売日
- 2018年6月30日
- 登録日
- 2018年6月7日
- 最終更新日
- 2018年7月2日
書評掲載情報
2018-09-19 |
社会新報
第4999号 評者: 田沢竜次 |
2018-08-12 |
毎日新聞
朝刊 2018年8月12日付 西部本社版 評者: 米本浩二(毎日新聞) |
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紹介
1975年6月、沖縄米軍嘉手納基地第2ゲート前で「皇太子訪沖阻止」を叫び、《流動的下層労働者》の解放を確信して、炎に身をつつんだ船本洲治。享年29。
山谷/釜ヶ崎の闘いを駆け抜けた鮮烈なことばが、資本の暴力に包囲されたわたしたちの現在を揺さぶり、震わせる。新発見の論考、エッセイ、写真などを収録した《決定版》。
書き下ろし解説=中山幸雄、原口剛
目次
序 船本洲治、解放の思想と実践(原口剛)
*
自己のおかれた情況を武器にして、人民に奉仕しよう
Ⅰ 山谷はくそつぼか?! 1968-1971
山谷解放闘争の総括と現局面
自己批判と闘いの開始の意味をこめて
全ての精神「異常」者ならびに「犯罪」者は、S闘争支援共闘会議に結集せよ!
『裸賊』より(詩9篇+第4号巻頭言+第6号編集後記)
Ⅱ 自己の抑圧された情況そのものを武器に転化せよ! 1972-1973
山谷・釜ヶ崎を軸とする都市人民戦争を闘いぬこう!
釜ヶ崎労働者の闘いを見殺しにするな
持久戦を闘いぬく組織体制を確立するために
怨念と屈辱の生活の総体を熱いダイナマイトにかえて敵のドテッパラにぶちこめ!
七二年夏、おれたちは何を獲得したか? 七二年冬、何を守らねばならないか?
釜ヶ崎解放闘争の主要な課題
Ⅲ 政治は人々を崇高にし醜悪にもする 1973
鹿島建設は戦前・戦中タコ部屋だった!
敵はある意図をもって釜ヶ崎を……
「朝鮮人・中国人は殺したってかまわない」
現闘委の任務を立派に遂行するために
暴動は下層労働者の自己表現
政治は人々を崇高にし醜悪にもする
『旅友』発刊に向けて
Ⅳ 人民、ただ人民のみが歴史を動かす原動力である! 1974-1975
釜ヶ崎の闘う仲間たちへ
山谷解放委に反論する
人民、ただ人民のみが歴史を動かす原動力である!
魔女狩りに関する若干の考察
世界反革命勢力の後方を世界革命戦争の前線へ転化せよ
解題
◎資料
山谷解放委員会 一九六八年十月綱領
船本洲治同志を追悼する(釜共闘・現闘委)
船本の屍に様をみて(岩田秀一)
F6・25の思想性(山岡強一)
船本洲治略年譜 1945-1975
解説 船本洲治とともに半世紀を生きて(中山幸雄)
編集後記
前書きなど
《ことばのすみずみまで、もうどこでどう爆発するかわからない暴動みたいな力にあふれている。》――栗原康
《私たちがなにより注視すべきなのは、船本の言葉そのものだけでなく、それらの言葉を生み出していった創造の過程だろう。船本は闘争のなかで、戦線が拡大するごとに設えられる境界を、絶えず突破しつづけた。言葉の力をもって、閉ざされそうになる政治の空間をこじ開けつづけた。労働者から「労務者」へと転換し、「流動的下層労働者」という言葉をもって闘争主体のありようを宣言し、「やられたらやりかえせ」、「黙って野たれ死ぬな」というスローガンを生み出した。敵の言葉を転覆させては、言葉と実践を発明しつづけた。失業の泥沼に突き落とされ、国家から弾圧されてもなお、言葉を生み出すことをやめなかった。諦めることを知らないその強靭な意志と創造の力が、私たちを驚嘆させるのであり、いまなお力づけるのである。》――原口剛
版元から一言
「黙って野たれ死ぬな!」
「やられたらやりかえせ!」
「自己の抑圧された情況そのものを武器に転化せよ!」
本書は、1985年に刊行され、長らく絶版のままだった『黙って野たれ死ぬな:船本洲治遺稿集』(れんが書房新社)所収の文章を初出紙誌にもどって検証し、現在の読者に向けて再構成した決定版です。旧版では誤って船本のものとされた3篇を削除し、新たに論考1篇、同人誌『裸賊』の巻頭言や編集後記、自筆のビラ、焼身決起した当時の現地写真などを追加。これが現在目にしえる船本の全体像のほぼすべてとなります。また、日雇労働者による運動と実践の渦中から生まれた船本の表現との《共考》を意図して、論考も詩もおなじ扱いとし、時系列で収録しました。
目次を一読すればわかるとおり、45年も前にさまざまな闘いの現場から発せられた、「流動的下層労働者」をとりまく状況、土木資本による海外侵略や搾取、民族差別、沖縄・朝鮮半島をはじめとするアメリカ帝国主義による世界支配といった数々の「問題」が、さらなる「改元」を迎えつつある2018年現在もなにも解決されないまま、むしろいっそうグロテスクなものとしてわたしたち前に現われています。こうした支配と差別と階級の壁に穴をうがつために、ぜひ長く本書をひもといてほしいと願っています。
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。