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発見と創造の数学史 高瀬 正仁(著) - 萬書房
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発見と創造の数学史 情緒の数学史を求めて

発行:萬書房
A5判
288ページ
上製
価格 2,700円+税
ISBN
978-4-907961-10-7
Cコード
C0040
一般 単行本 自然科学総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年2月
書店発売日
登録日
2017年1月20日
最終更新日
2017年2月21日
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書評掲載情報

2017-04-28 週刊読書人    2017/4/28号
評者: 佐々木力(中部大学中部高等学術研究所特任教授・数学史)

紹介

オイラー,ガウス,アーベル,リーマン,……,岡潔.数学を創った人びとによる「数学創造の瞬間」を描く,至高の数学史.その根底にあるのは「知」ではなく「情」である.著者が長年追い求めてきた「情緒の数学史」序章.

目次

第1章 解析学の厳密化をめぐって

1.数学の実在感
2.連続関数を求めて
3.解析学の厳密化とは何か
4.解析関数の世界


第2章 代数関数論のはじまり

1.アーベル関数論への道
2.代数的微分式の積分
3.レムニスケート曲線から楕円積分へ
4.レムニスケート曲線とレムニスケート積分
5.「マゼラン海峡」の発見をめざして


第3章 多変数関数論と情緒の数学

1.数学の抽象化とは何か
2.情緒の世界
3.ガウスの数論
4.レムニスケート曲線の発見
5.ハルトークスの逆問題からリーマンの定理へ

前書きなど

数学は知的もしくは論理的に見れば普遍的な印象はたしかにありますが,根底にあって全体を支えているのは,幾人かの特定の個人,言い換えると「数学を創った人びと」のそれぞれに固有の主観的感受性です.

数学史の叙述と数学を創った人びとの人生が本質的に乖離していて,だれがどのように創造したのかという,数学が生れる現場に立ち入って論じられることはめったにありません.
ですが,オイラーその人を離れてオイラーの数学はなく,ガウスの人生とは無関係にガウスの数学が生れるはずもありません.岡潔先生の多変数関数論は,あの長い年月にわたる秋霜烈日の人生と決して無縁ではありえません.このあたりの消息から目を離さずに,「人」が数学を創る,ということを基本線とする数学史を叙述することはできないものでしょうか.

定義というのはかえって実在感のまとうさまざまな衣裳なのでないかと,このごろ考えるようになりました.……ひとたびこの考えに立つならば,数学を理解するということの真実の意味合いもまた諒解されます.……「定義から」出発するのではなく,「定義まで」の情景に共鳴するところに,数学という学問の秘密が宿っています.(本文より)

著者プロフィール

高瀬 正仁  (タカセ マサヒト)  (

昭和26年,群馬県勢多郡東村(現在,みどり市)に生れる.数学者,数学史家.専門は多変数関数論と近代数学史.歌誌「風日」同人.
著書:『紀見峠を越えて 岡潔の時代の数学の回想』(萬書房,平成26年),『とぼとぼ亭日記抄』(萬書房,平成28年),『リーマンと代数関数論 西欧近代の数学の結節点』(東京大学出版会,平成28年)他.訳書:『ガウス整数論』(朝倉書店,平成7年),『オイラーの無限解析』(海鳴社,平成13年),『ヤコビ 楕円関数原論』(講談社,平成24年)他.

上記内容は本書刊行時のものです。