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眼述記
全身マヒになった夫が文字盤で最初に示したのは「さわるな」の4文字だった。
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2025年2月28日
- 発売予定日
- 2025年2月15日
- 登録日
- 2025年1月24日
- 最終更新日
- 2025年1月25日
紹介
ダメでガサツな妻だけど、絶望だけはしたくない――。ある日、脳梗塞で倒れ全身マヒとなった夫。オロオロしつつもケアの基本を一から学び、自宅で介護すると決意した元書店員。喋れないのに文字盤で “毒舌”を繰り出す夫とバトルしながらの子育て、読書にマラソン、さらに2回のガン宣告も乗り越えて駆け抜けた10年の日々。介護生活の困り事からわかりづらい医療制度、大切なお金の話まで、怒濤でトホホな日々を、実用的な内容もまじえながら、捨て身のギャグ満載で綴ったマンガ&介護録。
目次
まえがき‐‐夫が文字盤で最初に示した言葉は「さ・わ・る・な」だった。
「二人掛かりで殺される」
「あのときこうしていれば」の思いを無理やりねじ伏せる。
順番待ちにじりじり
容体急変に体ブルブル
「死なんでよかったなぁ」
そうだ。夫は「良かった」のだ。
暗い暗い底なし沼を、飽きもせず眺め続けた。
夫が倒れた時、妻にはやらねばならぬことが山ほどある。
左脳にも梗塞。面会時間をどんどん増やす。
「仕事はやめるな」と本能が告げた。
子供の声は最高の刺激と信じて、毎日病院に連れて行く。
まだ意識も戻らないのに転院?
絶望しかかっていた時、娘が持久走大会で1着になった!
夫が倒れてから、子どもたちは不平を口にしなくなった。
「無駄な感情」にフタをして開き直る。
実は意識が戻っていた夫が最初に考えていたこと
ついに「胃ろう」を決断。自宅療養に向け訓練開始
泣き叫んで「何か」を訴え始めた夫
発症110日目。文字盤で自分の名前を追った!
「ハンズ」に走って文字盤を手作り
「カステラのおっちゃん」こと葉室麟さんの励まし
意思はあるし、尿意もあるのに伝わらない!
夫の脳内で子どもが増えていた件
病室で不在者投票
物件探しをリハリビスタッフに手伝ってもらう。
夫は、子煩悩で「オレ様」な夫のままだった。
ここが変だよ、失禁モンダイ
タカクラ、食道がんになる。
使えねえ! 最新機器
もしも、まぶたでパソコンが操作できたら。
夢の装置は夢の彼方に。
口の悪さは健在だった。
「クーラー怖い」
長男ミエゾウの気遣いで我に返る。
実はガサツな妻vs叫ぶ夫
自宅療養に向け「移乗」の特訓
夫よ、お前は何に号泣しているのか?
本も映画も音楽も、あれこれ試してみたけれど。
介護ベッドが来た。だが本当にやっていけるのか?
「事故防止」の処置にモヤモヤ
2019年の私たちは…
試験外泊を前に地獄の鼻チューブをマスター
介護タクシーであわやの事件
今度はオッサンの育児かよ。
「地面に落ちたあめ玉みたい」と夫は泣いた。
思いのほか、私たちは明るく見えるらしい。
イエスかノーかで危機一髪
コロナ禍にがんで入院。どうする介護!?
「とにかく休める、天国だ」と思っていたら甘かった話
「5年生存率6割」という、まあまあショッキングな現実
「俺が入院するよ」。我が子のために根性をひねり出した夫
映画館に行ってみた。
街は危険に満ちていた。
夢のような「サピエ図書館」。耳で読んだぞ1088冊体が悲鳴をあげだした。手抜き介護だワハハハハ。
再開したジョギングで派手に骨折
介護で化けの皮は剝がれるか?
訪問入浴の技術に感動
涙って、かゆいんです。
ループする一日。私たちの朝の日課
排泄介助はつらいばかりじゃないと伝えたい。
仁義なき尿意
「それって嫌がらせ?」と思うときは休んだほうがいい。
「かゆいのにかけない」が続いた2カ月
死ぬに死ねない私だけど、死んだらどうする? マジで。
介護ヘルパー導入。7年ぶりに食卓を囲む。
ヘルパー利用料がゼロ負担だったワケ
我慢しないで堂々と制度を使おう。
一切をなげうって旅に出たくなる瞬間
本当は大切なポジショニングの話
どこに時計を置くか。それがモンダイだ。
動けず待ち続けたあの日を思い出したので、夫に謝る。
夫の本のイラストが一向に進まない。
「仁義なき戦い 広島死闘篇」を脳内で予測変換できるか!?
ネタバレされる日々
夫の眉を剃り落としたら、かなりの悪党面だった件
絶望的な毎夜の儀式について愚痴る。
マイナス思考ぐるぐるは危険信号
映画の聖地で育った夫の映画本ができた。
間違いだらけの車イス選び
「この体験を書け」と言われ、相手を二度見したあの日
介護生活とパソコン好きの幸運な出会い
我が家が朗読図書にたどりつくまで
なされなかった嚥下訓練に怒りの頭突き!
「食いたいもの」でリハビリ
「反射」って何なんだ!?
不愉快な「冗談」に悩まされる夫
8年ぶりの午前様。ちょっとだけ泣いた。
2万円の安息。至福のゲーミングチェア
迷わず買っとけドラム式!
「さすがにもう無理」と思った、ヘルパーさんの衝撃発言
介護者たちの望むものは・・・
「テレビの字幕が見えにくい」と言うので眼科に行った。
ミニコミ「読婦の友」は心の避難所
連日の映画館往復でダウン。これって、老化!?
百人百様の車イス。相手がプロでも過信は禁物
「コロナ下に救助に来たらボウズ頭が2人寝ていた」の図
何かあれば、簡単に崩壊する我が家
休み方に悩む日曜日。出でよ、快適なデイサービス!
デイサービス放浪記 ―ズッコケ篇
デイサービス放浪記 ―脱力篇
新幹線に乗れるかな?
これでやっと切符が買える。
介護ベッドつきホテルは狭き門だった。
ないがしろにされる「末端」
デイサービス先での“伝えまつがい”
怒濤の50代。10年ぶりのフルマラソンを駆け抜けた。
道行く老人を呪ってしまった自分に落ち込む。
「本」たちに助けられて生きてきた。
介護しながら本が読めるか?
案ずるな。どうせ2人ともヨレヨレなんだから。
もしも災害が襲ったら ―物資篇
もしも災害が襲ったら ―避難篇
「エア文字盤」は可能か!?
越すに越されぬ駅ビルの関
食道がんから5年が経った。
そうだ。私は強運なのだ。
番外篇① 10年目のお金の話
番外篇② 年金申請できるかな
番外篇③ 制度のギモンは悩むより「聞け」あとがきにかえて ダメなりになんとかやってきた。
監修者の告白 矢部明洋
前書きなど
「これは、おおむねダメな感じで生きてきた人間が、49歳のときに、夫が全身マヒになるという大事件に遭遇し、人間的に成長し困難を乗り越えた、とかいう話ではない。思ってもみない出来事の連続に、その都度、ダメなりになんとかやってきた記録だ。…絶望的なことが起こったからと言って、側にいる家族全員がずっと絶望してるワケにもいかないのだ。当時、子らは高校1年生と中学1年生だった。帰りたくない家にだけはしたくない。…明るく楽しげにしてる、という一点突破でやろうと決意した。てかそれしかできない。ただ、それだけは何とかやってこれたのではないかと思う。ときにそのヘラヘラ加減が、夫の絶望を深くしたこともあったかもしれないが、そこは子ら優先である。大人には、自分の機嫌は自分でとってもらいたい。そして、ただでは転ばねえぞ、とばかりに日々のことを綴ったのが本書である。」(「あとがきにかえて」より)
上記内容は本書刊行時のものです。