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ここは自信をとり戻す学校 忘羊社(編) - 忘羊社
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ここは自信をとり戻す学校 (ココハ ジシンヲ トリモドス ガッコウ) 福岡のある登校型通信制高校と不登校の生徒家族の10年 (フクオカ ノ アル ツウシンセイコウコウ ト フトウコウ ノ セイトカゾク ノ ジュウネン)

教育
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発行:忘羊社
A5判
重さ 424g
296ページ
並製
定価 1,500 円+税   1,650 円(税込)
ISBN
978-4-907902-36-0   COPY
ISBN 13
9784907902360   COPY
ISBN 10h
4-907902-36-0   COPY
ISBN 10
4907902360   COPY
出版者記号
907902   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年11月15日
書店発売日
登録日
2024年10月31日
最終更新日
2024年10月31日
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紹介

九州一の繁華街・天神の一角に佇む、福岡県初の登校型・単独通信制高校。ここに通う生徒は、みんな悩んだり苦しんだりして不登校となった経験をもつ子ばかり。この学校で自信をとり戻し、誇りをもって今を生きる卒業生やその保護者が、「いま、苦悩する親子に届けたい」との思いで、不登校だった頃から今までの体験談を語ってくれました。増加し続ける不登校生の進路として注目されるものの、いまだにわかりづらい通信制高校の仕組みや家庭での対応など、当事者や専門家に丹念に取材。ルポであり実用書としても役立つ1冊。

目次

【プロローグ】 語りは、光 ~なぜこの本をつくるのか

【個人授業】通信制高校を知っていますか?

【わからないを聞いてみた1】不登校の親子がすれ違いがちなポイントって何でしょう?

【聞き書き】聞かせてください、あの頃のこと~親たちの物語~
・「たまたま、って大事ですね」(紗季さんの母)
・「ものさしは人それぞれ、自分に言い聞かせました」(正人さんの母)
・「のんびり母さんは、あなたの優しさに助けられてきました」(晴哉さんの母)
・「わが家は、マリアナ海溝よりも深い絶望から生還しました」(悠馬さんの母)
・「もうここにはおいておけん、息子がつぶれてしまう」(樹さんの父)
・「あなたも私も不幸にはならないって、根拠のない自信があるの」(颯也さんの母)
・「やると決めたら一本気。変わろうとしてるんだよね」(亜実さんの母)
・「2人それぞれに、自分の足で太陽の下を歩いてる」(詩織さんと明日香さんの母)
・「何度足踏みしてもいい。自分を認められる日が、きっと来るから」(恵人さんの母)
・「白紙のテストに書かれた『ごめんなさい』を、忘れない」(香澄さんの母)
・「あなたはまた必ず立ち上がるって、ずっと信じてた」(優奈さんの母)

【通信制高校で働く先生の履歴書1】傷ついた子たちが〝生きる力〞をとり戻すために。

【聞き書き】不登校の〝つづき〞を生きる~卒業生たちの物語
・「立ち止まったから、夢をあきらめずにすんだ」(卒業生・実結さん)
・「まわり道したことは、誇りですらあります」(卒業生・紗季さん)
・「僕が教員になることが、メッセージになる」(卒業生・拓海さん)

【通信制高校で働く先生の履歴書2】「誇りを持てる母校に」と誓ったあの日。子どもたちの成長を願い続けた年月。

【わからないを聞いてみた2】通信制高校の学校選びで迷っている親御さんに、アドバイスはありますか?

【通信制高校で働く先生の履歴書3】全日制高校のベテラン教師がつくば開成福岡高校で働いてみて思ったこと。

【わからないを聞いてみた3】「校内暴力」から「不登校」へ。教育現場はどんな風に変わってきましたか?

【エピローグ・校長ロングインタビュー】「子どもは変わる。どの子も伸びる。通信制ならそれを実証できると思ったんです」

前書きなど

ここに、A5サイズのノートが3冊ある。2022年(令和4)12月から2024年6月までの1年半、ある通信制高校を取材してきたメモだ。話を聞いた保護者は11人、卒業生は3人、教員や関係者は10人。インタビューは毎回3時間前後、計70時間以上に及んだ。この高校に通うほとんどの生徒に不登校の経験があり、教員はさまざまな事情を抱える親子を受け入れてきた。語る様は十人十色、片時も耳を逸らすことができず、一人ひとりの語りに引き込まれた。「不登校」という言葉でひとくくりにはできない。「似たような話」など一つもなかった。 この取材は、本書を手がけた編集者とのこんな雑談から始まった。「天神の近くに、『つくば開成福岡高等学校』という学校がありましてね、通信制高校なんですけど。知っていますか」 知らなかったうえに、「つくばなのに、福岡?」「通信制高校って、働きながら夜に通う学校ですか?」など、トンチンカンな質問ばかりした。通信制高校は、原則として毎日登校する「全日制」とは違って、決められた単位数を自分のペースで取得することで高校卒業資格が得られるという。「福岡県で一番初めに認可を受けた通信制課程のみの高校なんですよ。茨城県に本校があって、その福岡校として始まった学校です。そこの校長が、福岡県の認可を受けて10周年を迎える記念に、学校のことを取材した本を作りたいとおっしゃってるんです。学校の名前を入れた湯呑みやら、記念品なんて配ってもしょうがないって」 通信制高校のことや学校のイメージはまだよくわからないが、そういう発想の校長先生は面白そうで会ってみたい。私たちは初めて、その高校に向かった。(中略)スーツにダウンベスト姿の松永健一校長をはじめ、教員の皆さんが玄関で私たちを迎えてくださった。花が生けてあって、明るいエントランス。生徒たちと同じように、玄関で靴を脱いで入る。この出迎えは、初回だけではない。いつ行っても、先生が笑顔で出迎えてくださる。「こんにちは、寒いなか(夏は暑いなか)ありがとうございます」と。すれ違う生徒たちは「こんにちは」と自分から挨拶をしてくれることが多い。何でもないようだが、とても〈つくば〉らしい、安心感のある光景だと私たちは取材を重ねるごとに感じるようになる。 校長室へ通された。ドアはいつも開きっぱなしで、先生や生徒、卒業生が相談をしに訪れるそうだ。文部科学省の調査(2022年度〈令和4〉「学校基本調査」)では、小・中・高生の不登校生徒数は過去最高で、全国で約36万人。割合で考えると、中学校では1クラスに2人は「学校に行かない」生徒がいる。学校に行かない子どもたちの居場所は、都市部では年々多様化しているが、地方ではまだ選択肢が少ない。「多くの親子が自信を失って、孤独なんです。彼らが一人で苦しまないように、自分を信じるきっかけになる本を届けたいんです。うちを卒業した生徒や親御さんたちに、それぞれの道のりを語ってもらいたい。今、語ることができる人たちは長いトンネルから抜け出し、顔を上げて生きています。その声は、今もがいている人たちの光になるんじゃないでしょうか。だから、わが校の関係者に配布するだけじゃなくて、一般の書店にも並ぶ本にしたいんです」 それが、松永校長の思いだった。(本書「プロローグ 語りは、光」より)

上記内容は本書刊行時のものです。